東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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問汗③

 

 

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こんばんは!樫部です。
 
 
 
 
本日は、生理的な発汗と病的な発汗について、お話ししていきたいと思います。
 
 
 
 
前回のお話はこちら
 
 
 
 
通常は陰精や津液など水液成分に陽気が作用して、わずかに発汗させることによって、生体内の陰陽バランスや相互の協調関係が維持されています。
 
 
 
 
気温が上昇して暑く、衣服を重ね着していると、腠理が開いて発汗します。
 
 
 
 
気温が低く寒いと、腠理が閉じ、気と水湿がめぐらず、水は下焦、膀胱に溜まり小水となります。
 
 
 
 
排出すべき津液が二便で出し切れていない場合、発汗して排出することがありますが、
 
 
 
 
全身の津液状態から考えて、「排出できている」とみれば生理であり、「二便で排出できていない」という観点から考えれば病理となることもあります。
 
 
 
 
病的な発汗とは、最終的には腠理の開闔失調によって起こるものを指します。
 
 
 
 
全身的な発汗異常は、自汗、盗汗、戦汗、絶汗など、局所的な発汗異常は頭汗、手足汗、鼻汗、腋汗、心汗、半身汗などがあります。
 
 
 
 
また、汗の色が異常なものに、黄汗、血汗があります。
 
 
 
 
 
 
 
【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『症状による中医診断と治療 下』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
『基礎中医学』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
 
 
 
 
 
 
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問汗②

 

 

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こんばんは!樫部です。

 

 

本日は、前回の続きで「腠理の開闔」について、お話していきたいと思います。

 

前回のお話はこちら

 

 

腠理の開闔(そうりのかいごう)とは、そもそも何のことでしょうか。

 

 

腠理は、皮膚のキメのことを指し、気血津液が流通するための門戸であり、外邪が内部に侵入するのを防ぐ機能をもちます。

 

 

もし、この腠理が軟弱で緻密でないと、外邪が人体に侵入してきて、各種疾患を発症します。(改訂版 中医基本用語辞典 東洋学術出版社)

 

 

開闔とは、開け閉めすることをいいます。

 

 

この腠理の開闔を調節しているのが、気の固摂作用であり、特に衛気が大きく関わります。

 

 

衛気は、脈外の気として、身体の一番表外部を周流して外邪から防衛して、皮毛を温煦しつつ、腠理の開闔を調節しています。

 

 

腠理を開け閉めする理由としては、体内の水(津液)と水(熱)との陰陽バランスを取るために汗として水を排出したり、逆に無汗となって熱が発散されないようにしたりするためです。

 

 

水湿邪などにより水が溢れた場合、その水湿邪を減らそうと身体が働き、発汗します。

 

 

また内熱がきつくなった場合は、津液が蒸されて汗となり、汗を排出する過程で熱を冷まそうとする働きでもあります。

 

 

局所的に気の固摂が低下して、津液が漏れ出てしまい、発汗することがあったり、

 

 

緊張や恐怖など精神的ストレスによって気が鬱して手掌や足底、顔面に気が瞬間的にめぐらなくなることで、津液が漏れ出て、発汗につながるとこがあります。

 

 

 

つづく

 

 

 

 

【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房

『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房

『症状による中医診断と治療 下』
神戸中医学研究会、燎原書店

『基礎中医学』
神戸中医学研究会、燎原書店

 

 

 

 

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