東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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視力の異常

 

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こんばんは!樫部です。
 
 
 
「視力の異常」についてお話ししていきたいと思います。
 
 
 
 
 
 
物の見え方によって呼び名が異なります。
 
 
 
近くの物がよく見えるが、遠くの物が見えにくいことを「近視」といい、
 
 
 
逆に遠くの物がよく見えるが、近くの物が見えにくいことを「遠視」といいます。
 
 
 
近視の弁証分類は主に2つあります。
 
 
 
1.気虚神傷
 
 
 
目を過度に酷使していたり、労倦などにより、心気が消耗して神光が不足し、陽気が発散出来ないと生じます。
 
 
 
多夢、健忘、焦燥感、倦怠無力感が随伴としてみられます。
 
 
 
2.肝腎両虚
 
 
 
心労、思慮過度、房事不節により、肝腎の精気が虚して、陽気が不足すると、神光を充養出来なくなり発症してしまいます。
 
 
 
目のかすみがみられ、飛蚊症が長引くと白内障に転じてしまいます。
 
 
 
その他、腰膝酸軟、陽痿、遺精、排尿後の余瀝といった症状もみられます。
 
 
 
遠視の弁証分類は主に4つあります。
 
 
 
 
1.陰精不足
 
 
 
房事不節、飲食不節、疲労、過度の悲嘆により、陰精が消耗して目に上らない状態になってしまい、症状が出てきます。
 
 
 
注視により目が疲れて痛む、眩暈、耳鳴、腰膝酸軟、口咽の乾きがみられます。
 
 
 
甚だしくなると、遺精や盗汗、歯の動揺がみられます。
 
 
 
2.陰虚火旺
 
 
 
陰虚で陽気を制約する事ができないと、虚熱が上炎して生じます。
 
 
 
この場合は、注視が難しくなる、両側の内外眼角の発赤、眩暈、耳鳴、腰膝酸軟、潮熱、頬部紅潮、手足のほてり、盗汗といった症状もみられます。
 
 
 
3.気血両虚
 
 
 
気血が不足し、神光が散乱して生じます。
 
 
 
注視すると目が疲れて痛み、症状が強ければ目の奥や前頬部に痛みが及び、顔色に艶が無くなります。
 
 
 
4.陰陽両虚
 
 
 
陰液、陽気の両方が不足してしまうと生じます。
 
 
 
視力の減退に加え、陽虚の所見として畏寒、手足の冷えがみられます。
 
 
 
視力の異常については、以上です。
 
 
 
次回は「暴盲」についてお話していきたいと思います。
 
 
 
 
 
【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『症状による中医診断と治療 下』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
『基礎中医学』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
 
 
 
 

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こんばんは。齋藤です。

 

 

 

前回の続きです。

 

 

 

前回の話はコチラ

 

 

 

実火は、外感を感受したものや、裏熱の勢いが激しくなったもの、湿熱が蓄積したもの、情志が鬱し、肝鬱から火に変化したものなどがあります。

 

 

 

虚火は、肺、肝、腎、胃などの臓腑の陰精が不足したために、陽気がエネルギー源を失い、陽気が高ぶり熱を生じ、その熱が火熱になったものを指します。

 

 

 

そして、気虚となり、血を統率することができなくなり起きた出血で、病状が重いものには陽気虚寒という、病理変化が現れます。

 

 

 

どの臓腑経絡に発生するかにより、喀血や吐血、下血、歯肉からの出血、血尿、皮膚からの出血など、それぞれ異なった症状が現れます。

 

 

 

一般的に実熱による出血の場合、発熱、口苦、口喝、便秘、舌紅、苔黄、脈滑数などの症状を伴う事が多いです。

 

 

 

虚熱による出血の場合、口と咽の乾燥、午後の潮熱、五心煩熱、盗汗、舌紅、少苔あるいは無苔、脈細数を伴います。

 

 

 

気虚による出血の場合、眩暈、目のかすみ、動悸、小食、顔色が萎黄色か蒼白、舌淡、脈細弱などの症状を伴います。

 

 

 

一般的には、実熱による出血が発生し、出血を繰り返すうちに、精血が欠損し、気が血と共に失われ、陰虚火旺や気虚不摂になるといった経過を辿るケースが多い様です。

 

 

 

その為、陰虚火旺は出血によってもたらされると同時に、二次的な出血を引き起こす原因であるとも言えます。

 

 

 

また、気の損傷が、陽にも波及し、正気だけでなく陽気が欠虚して気虚陽弱になり、血液を統率して固守することができなくなれば、虚寒性の血証が起きることもあります。

 

 

 

出血=熱=実という風にとらえてしまうと、もし患者さんが虚証であった場合、悪化させてしまう可能性があります。

 

 

 

出血に至るまでには、色々なケースがあるため、問診等で経過をしっかりと確認したうえで、虚実や病邪、影響を受けている臓腑や経絡をしっかりと断定していく必要があります。

 

 

 

出血に関して、これで終了となります。

 

 

 

ご精読ありがとうございました。

 

 

 

参考文献

『中医学ってなんだろう』著:小金井信弘 (東洋学術出版)

『基礎中医学』 編著:神戸中医学研究会 (燎原)

『鍼灸 臨床能力 北辰会方式 理論編』 監修:藤本蓮風 編著:一般社団法人 北辰会 学術部 (緑書房)

『中医弁証学』著:兵頭明、 柯雪帆 (東洋学術出版)

『中医病因病機学』 主編:宋 鷺冰 訳:柴﨑 瑛子 (東洋学術出版社)

 

 

 

 

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