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こんばんは。齋藤です。
前回の続きです。
前回の話はコチラ。
続いて、5.気虚の牙痛について書いていきます。
気虚の牙痛は、労傷過度や慢性疾患の栄養障害で、元気が消耗して発生します。
元気とは、原気とも呼ばれ、腎精に源を発し、その腎精は先天の精と後天の精より生成されます。
元気は、臓腑の機能活動を推動し、活発にする作用があり、人体が活動するうえでの原動力と考えられています。
先天の精は、両親から引き継いだ、生まれつき備わった精の事です。
後天の精は、食物を胃腸で消化し生成した水穀の精微が、五臓六腑に輸布されて化生した精の余りで、先天の精を充養し、腎精を生成します。
その為、過度な疲労により腎精を損傷するか、何かしらの原因で飲食物が食べられなくなり、後天の精の生成不足が発生し、腎精が不足した事が原因で、元気の不足が発生します。
症状として、慢性的な鈍痛があり、歯の動揺はなく、局所にやや発赤や腫脹がみられる熱証はなく、息切れや物を言うのが億劫、倦怠無力感・声に力がない・顔色が白いなどの、気虚症状が伴います。
治療は気を補う治療が中心になってきます。
陰虚の牙痛同様、なぜ気虚が発生しているかという部分を明らかにしていくことが重要になってきます。
参考文献
『症状による中医診断と治療』 上巻
原著:中医症状鑒別診断学 主編:中医研究院 趙 金鐸 編約:神戸中医研究会 (燎原書店)
『基礎中医学』 神戸中医学研究会編著 (燎原)
『中医病因病機学』 主編:宋 鷺冰 訳:柴﨑 瑛子 (東洋学術出版社)
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こんばんは。齋藤です。
少しずつですが、紅葉し始めてきましたね。
この時期になってくると、往診で自転車移動をしていても、日に日に景色が変わっていくので非常に心地よかったりもします。
それでは、前回の続きです。
前回の話はコチラ。
それでは、4.虚火の牙痛について書いていこうと思います。
虚火の牙痛は、老年などの衰弱により、腎陰虚が発生し、虚火が上炎して発生します。
腎陰とは、人体の陰液の基本となるもので、肝木を潤し、心火を助け、各臓腑組織を潤し、滋養します。
腎陰が高齢などの原因により腎陰が不足すると、陰が陽を制御できず、冷やす力(陰)が落ちて相対的に熱の状態が強くなった陰虚陽亢・陰虚火旺の状態となります。
その為、歯の鈍痛とともに、歯の動揺、頬の紅潮、喉の乾燥感、腰背部がだるく無力などの腎陰虚・火旺の症状が認められます。
歯は腎の五主ですので、経絡に問題があるというより、腎の臓に問題があると考えます。
治療として、腎陰を補う治療が中心となってきます。
腎精が減少する理由は年齢だけではないので、以前にも書きましたが、その人にとって腎陰が不足する原因が何なのかをしっかりと考えたうえで、情報を集め、多面的に考察していく必要があります。
続く
参考文献
『症状による中医診断と治療』 上巻
原著:中医症状鑒別診断学 主編:中医研究院 趙 金鐸 編約:神戸中医研究会 (燎原書店)
『基礎中医学』 神戸中医学研究会編著 (燎原)
『中医病因病機学』 主編:宋 鷺冰 訳:柴﨑 瑛子 (東洋学術出版社)
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