東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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足痛(そくつう)とは①

 

 

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こんばんは!樫部です。
 
 
 
本日は、「足痛(そくつう)」について、お話していきたいと思います。
 
 
 
足痛とは、足関節以下の疼痛のことを指し、「足心痛(足底中心の痛み)」、「足跟痛(踵の痛み)」、「足趾痛(趾の痛み)」なども含みます。
 
 
 
弁証分類は主に次の4つです。
 
 
 
1.肝腎両虚の足痛
 
2.気血両虚の足痛
 
3.寒湿の足痛
 
4.風湿痺の足痛
 
 
 
以上です。
 
 
 
本日は「肝腎両虚と気血両虚の足痛」について、お話していきたいと思います。
 
 
 
いずれも虚証であり、踵の部の疼痛が多いですが、病院病理は異なります。
 
 
 
肝腎両虚の足痛は、先天不足、過労、房室過多などにより肝腎が虚し、肝は血を蔵して筋を主り、腎は精を蔵して骨を主る為、骨髄を栄養することが出来なくなって痛みが発生します。
 
 
 
特徴は、一側性または両側性の踵あるいは足底中心の痛みがあることで、局部に発赤、腫脹はないことです。
 
 
 
その他の症状として、長時間の歩行起立が出来ず、頭がふらつく、耳鳴、腰膝酸軟、目のかすみ、視力減退、舌質淡あるいは紅、脈沈細無力または弦細数などの肝腎不足の症候を呈します。
 
 
 
治法は、滋補肝腎を用います。
 
 
 
腎陽虚がある場合、長く立っていられない、足が冷えるなどの症状がみられ、腎陰虚がある場合は、下腿や足の熱感がみられる為、それぞれ症状に合わせて処置を行います。
 
 
 
次に気血両虚の足痛についてです。
 
 
 
慢性病、大病後、出産や外傷による出血過多などによって気血がともに虚し、血が栄養を十分に供給出来ないために生じます。
 
 
 
この場合、踵の疼痛があり、発赤、腫脹は伴わず、日中活動時は痛みが緩解して夜間に増悪する特徴をもちます。
 
 
 
『古今医鑑・脚気篇』に、「およそ足の疼痛、皮腫赤せず、筋拘急せず、夜に遇いて痛み甚だしきは、およそこれ気虚して血の栄せざるなり」と記載されているとおりです。
 
 
 
特徴は、動悸、息切れ、自汗、過労倦怠感、顔色が白く艶がない、舌質淡、舌体胖で歯痕がある、脈細弱または細渋などの気血両虚の症候を呈することです。
 
 
 
治法は、益気養血を用います。
 
 
 
つづく
 
 
 
 
 
【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『症状による中医診断と治療 上』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
『基礎中医学』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
 
 
 
 
 
 

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こんばんは!樫部です。

 

 

本日は前回の続きで「脾陽虚と腎陽虚の小便不利」について、お話していきたいと思います。

 

 

いずれも陽虚によるもので、尿量が少なく、腰以下の浮腫が顕著になりますが、病位が脾なのか腎なのかといった点が異なります。

 

 

まずは脾陽虚の小便不利についてです。

 

 

寒湿の邪の侵襲や過度の労働による内傷などにより、脾陽が障害されて運化が失調し、水質がめぐらなくなって発生します。

 

 

特徴は、締め付けられるような頭重感、身体が重だるい、腹が脹って苦しい、顔色萎黄、食欲不振、泥状便などがみられることです。

 

 

また、舌質は淡で胖かつ湿潤、舌苔白滑、脈は沈遅で無力がみられます。

 

 

治法は、温運脾陽、化水行水を用います。

 

 

次に腎陽虚の小便不利についてです。

 

 

慢性病による陽気の損傷または生来の陽虚体質などにより、命門の火が不足し、膀胱の気化作用が障害されて発生します。

 

 

特徴は、顔色が白い、喘鳴、咳嗽、動悸、息切れ、寒がる、腰膝酸軟、腰背部がだるく痛む、四肢の冷えなどの症状がみられることです。

 

 

また、舌質淡かつ胖大で歯痕あり、舌苔白滑、尺位の脈が弱がみられます。

 

 

治法は、温腎助陽、行気化水を用います。

 

 

つづく

 

 

 

【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房

『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房

『症状による中医診断と治療 上』
神戸中医学研究会、燎原書店

『基礎中医学』
神戸中医学研究会、燎原書店

 

 

 

 

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