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こんばんは!樫部です。
本日は前回の続きで「脾陽虚と腎陽虚の小便不利」について、お話していきたいと思います。
いずれも陽虚によるもので、尿量が少なく、腰以下の浮腫が顕著になりますが、病位が脾なのか腎なのかといった点が異なります。
まずは脾陽虚の小便不利についてです。
寒湿の邪の侵襲や過度の労働による内傷などにより、脾陽が障害されて運化が失調し、水質がめぐらなくなって発生します。
特徴は、締め付けられるような頭重感、身体が重だるい、腹が脹って苦しい、顔色萎黄、食欲不振、泥状便などがみられることです。
また、舌質は淡で胖かつ湿潤、舌苔白滑、脈は沈遅で無力がみられます。
治法は、温運脾陽、化水行水を用います。
次に腎陽虚の小便不利についてです。
慢性病による陽気の損傷または生来の陽虚体質などにより、命門の火が不足し、膀胱の気化作用が障害されて発生します。
特徴は、顔色が白い、喘鳴、咳嗽、動悸、息切れ、寒がる、腰膝酸軟、腰背部がだるく痛む、四肢の冷えなどの症状がみられることです。
また、舌質淡かつ胖大で歯痕あり、舌苔白滑、尺位の脈が弱がみられます。
治法は、温腎助陽、行気化水を用います。
つづく
【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
『症状による中医診断と治療 上』
神戸中医学研究会、燎原書店
『基礎中医学』
神戸中医学研究会、燎原書店
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