東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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五輸穴

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こんばんは。齋藤です。
 
 
 
 
 
とうとう11月も残りわずかとなってきました。
 
 
 
 
 
1年はあっという間ですね。
 
 
 
 
 
残り約1ヵ月、頑張っていきたいと思います。
 
 
 
 
 
今回は、五輸穴について書いていこうと思います。
 
 
 
 
 
五輸穴というと、鍼灸師の皆さんは、「セイ、エイ、ユ、ケイ、ゴウ」なんて、学生の頃に呪文の様に暗記しましたよね。
 
 
 
 
 
なんのこっちゃ?と思いながら、勉強していました。
 
 
 
 
 
ちゃんと授業を聞いていなかったのが、原因かもしれませんが。笑
 
 
 
 
 
ということで、五輸穴に関して、記載されている書籍などを紹介しながら、簡単ではありますが、書いていこうと思います
 
 
 
 
 
五輸穴とは、膝・肘関節よりも末端方向にある井・ 榮・輸・経・合の 五種類の輸穴のことを言います。
 
 
 
 
 
各経に五穴あり、十二経絡あるので、合計六十穴あるという事になります。
 
 
 
 
 
霊枢の「九鍼十二原編」には、「所出為井、所溜為榮、所注為腧、所行為経、所入為合、二十七気所行、皆在五腧也。」と記載されています。
 
 
 
 
 
 
現代語訳すると「脈気の出てくるところを井穴と呼び、脈気の流れ行くところを榮穴と呼び、脈気の注ぎ運ばれて行くところを腧穴と呼び、脈気の通過するところを経穴と呼び、脈気が集まるところを合穴と言います。」
 
 
 
 
 
よく自然に例えられていて、井穴は源流とされ、それが小川の様に留まるところを榮穴とし、脈気が段々大きくなり、水路に小舟で進み運べるような流れを腧穴とし、その脈気が川の様に旺盛で経気が行くところを経穴とし、それが海に流れ込む様に体内に入るところを合穴であると説明されています。
 
 
 
 
 
先人達は、水流が小さい所から大きい所に、浅い所から深い所に入る変化を自然界に例え形容していたのだと思います。
 
 
 
 
 
霊枢の「九鍼十二原編」では、五輸穴に関する記載はここまでしか記載されておらず、具体的な経穴名などに関しては記載されていません。
 
 
 
 
 

参考文献

『現代語訳 黄帝内経霊枢 上巻』 南京中医学院編 石田秀実監訳 (東洋学術出版)

『意釈黄帝内經霊枢』 小曽戸丈夫+浜田善利共著 (築地出版)

 
 
 
 
続く 

 

 

 

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関節が痛む

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こんばんは!樫部です。

 

 

 

11月に入り、ますます気温が下がってきましたね。

 

 

 

本日は、関節痛についてお話していきたいと思います。

 

 

 

関節痛を含む運動器疾患は、東洋医学的に4つに分類することが出来ます。

 

 

 

1.経絡経筋病

 

 

2.臓腑の変動から経絡経筋に波及したもの

 

 

3.臓腑病

 

 

4.痹病

 

 

 

全ての分類に共通する確認すべきことは、「どの関節が痛むのか」で、

 

 

 

そうして「どの経絡経筋上に問題があるのか」を見極めていきます。

 

 

 

まずは、1.経絡経筋病についてです。

 

 

 

日常の作業動作時に無理な体勢や動作の癖があったり、特定の筋肉ばかりを使いすぎる等の物理的な負荷によって、

 

 

 

特定の部位の経絡経筋が異常をきたして、引き起こされます。

 

 

 

2.臓腑の変動から経絡経筋に波及したものは、

 

 

 

臓腑の病が先行し、関連経絡経筋に影響を及ぼして発症します。

 

 

 

その為、発症時に経絡経筋を痛めるような、外傷や肉体の酷使が無いという、問診ポイントがあります。

 

 

 

痛む部位に流注している経絡と関連のある臓腑の証候が出ていないかを確認していきます。

 

 

 

例えば、膝関節痛の患者さんがいるとして、患部に流注している経絡としては、足の陽明胃経だったとします。

 

 

 

既往に膝の外傷が無く、歩きすぎるといったエピソードが無いが、

 

 

 

よく話を聞くと、発症前に暴飲暴食をした覚えがあり、それから胃の調子が悪く、便の出が悪くなり、さらに膝が痛むという情報が出てきたとします。

 

 

 

これはまさに、胃の腑の異常が足陽明経の経気を変動させ、膝痛を引き起こしている可能性が考えられます。

 

 

 

3.臓腑病だとどうでしょうか?

 

 

 

肘関節痛を持つ患者さんがいたとします。

 

 

 

肘を傷めた既往無し、肘に関連する経絡経筋を傷めている徴候も無し、

 

 

 

急激な精神的ストレスによって痛みが発生したという場合であれば、肝の臓の病変が疑われます。

 

 

 

他にも肝に関わる証候があれば、よりその可能性が高まります。

 

 

 

そして4つ目!

 

 

 

4.痹病は、WHOにより、次のように定義されています。

 

 

 

『人体の営衛が失調し、風寒湿の三気を感受して病を引き起こしたり、久しく正気が虚し、内に痰濁・瘀血・熱毒が生じ、正邪が相搏ち血脈・筋骨・肌膚・経絡、甚だしければ臓腑の気血を閉塞し、それらを濡養出来なくなったために、関節などに痛み・だるさ・痺れ(麻木)・ほてり・屈伸障害・腫脹・変形・硬直を引き起こし、生活活動に支障をきたし、ひどくなると臓腑まで影響する一群の疾病』と定義されています。

 

 

 

実際の臨床では、外邪が関わることが多くを占めます。

 

 

 

痛みの特徴としては、関節の屈伸し始めは痛みがきついものの、何度もその動作を繰り返しているうちに痛みが楽になってきます。

 

 

これをスターティングペインと呼び、問診時にこれらの有無を確認し、

 

 

 

発症時に外邪による侵襲を示す証候がなかったかどうかを確認していきます。

 

 

 

関節痛についてのお話は以上です。

 

 

 

患部の痛みが出てきた状況、患部の部位、痛み方を確認していくことで、大きく4つに分類することが出来ることがわかりましたね!

 

 

 

次回からは、手足に起こる異常について、お話していきたいと思います。

 

 

 

院長 関連ブログ

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【参考文献】

『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』

藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房

 

『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』

藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房

 

『症状による中医診断と治療 下』

神戸中医学研究会、燎原書店

 

『基礎中医学』

神戸中医学研究会、燎原書店

 

 

 

 

 

 

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