東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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鼻汁・鼻水

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こんばんは!樫部です。

 

 

 

本日は、鼻汁・鼻水について、お話ししていきたいと思います。

 

 

 

鼻汁・鼻水などの鼻孔から流出する分泌物を「鼻流涕」といいます。

 

 

 

鼻流涕の弁証分類は、主に7つあります。

 

 

 

まずは外感による鼻流涕の分類について、お話ししていきます。

 

 

 

1.風寒

 

 

 

風寒邪を感受して発症します。

 

 

 

この場合の鼻流涕の特徴は、無色、希薄で多量であることです。

 

 

 

その他に、鼻閉、くしゃみ、悪風寒、咳、頭項強痛、発熱がみられます。

 

 

 

2.風熱

 

 

 

風熱邪を感受すると発症します。

 

 

 

鼻流涕の特徴は、黄色っぽくて、粘調であることです。

 

 

 

その他に鼻孔周囲の発赤腫脹疼痛、咽痛、頭痛、発熱、微悪風がみられます。

 

 

 

次に内傷による鼻流涕の分類について、お話ししていきます。

 

 

 

3.湿熱

 

 

 

湿熱邪が脾胃の運化を障害し、鼻竅を阻塞して肌膜を蒸灼したために発症します。

 

 

 

鼻流涕の特徴は、なまぐさい臭いのある黄色~黄緑色の多量で粘調であることです。

 

 

 

その他、頭重、上半身にじっとりとした汗をかきやすい、胃の重苦しさ、食欲不振、口の粘り、尿が濃いといった症状を伴います。

 

 

 

4.燥熱

 

 

 

燥熱邪が鼻竅を上犯し、津液を煎灼して発生します。

 

 

 

黄色、粘調で量の少ない鼻流涕がみられ、時に血が混じったり、膿汁が出る場合もあります。

 

 

 

また、鼻腔内が乾燥し、疼痛を伴うこともあります。

 

 

 

その他、咽乾、口渇冷飲、鼻閉、頭痛を伴います。

 

 

 

5.気虚

 

 

 

気虚で津液の統摂が低下して起こります。

 

 

 

風寒・風熱といった外邪の影響をうけやすく、鼻水・鼻汁が反復して発症する特徴があります。

 

 

 

また、この場合は全身倦怠感、食欲不振がみられることがあります。

 

 

 

6.腎虚

 

 

 

腎虚で津液が不足し、腎気不固となるため発生します。

 

 

 

少量、無色の鼻汁がみられ、慢性的に持続します。

 

 

 

冷えや疲労によって増悪し、色が黄色に変化することがあります。

 

 

 

その他、腰膝酸軟、四肢の冷え、肉体的疲れやすさ、尿勢や尿切れが悪くなるといった症状がみられます。

 

 

 

7.気逆

 

 

 

尿や汗や大便で排出すべき水湿邪を排出しきれないと、水邪が気逆とともに上焦に持ち上げられ、鼻から排出されることで発症します。

 

 

 

風寒・風熱も上焦から侵襲してくる為、外邪に抗争するために一種の気逆が起こりますが、

 

 

 

ここでは内因による気逆をとりあげますと、

 

 

 

この場合、イライラ、のぼせやすい、冷えのぼせ、頭のふらつきが随伴してみられます。

 

 

 

鼻流涕についてのお話は以上です。

 

 

 

次回は「咳」についてお話ししていきたいと思います。

 

 

 

 

 

 

【参考文献】

『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』

藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房

 

『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』

藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房

 

『症状による中医診断と治療 上下』

神戸中医学研究会、燎原書店

 

『基礎中医学』

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発熱の弁証分類 その1

 

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こんばんは!樫部です。

 

 

 

本日は前回の続きで、発熱の弁証分類についてお話ししていきたいと思います。

 

 

 

前回のお話はこちら!

東洋医学的な発熱の考え方

 

 

 

発熱の弁証分類は、表証、半表半裏証、裏証というように病位で分けることができます。

 

 

 

まずは、表証における発熱についてです。

 

 

 

1.太陽中風証 (桂枝湯証)

 

 

 

風邪もしくは風寒邪が太陽経に侵襲することで発熱します。

 

 

 

頭項強痛、発熱と悪風寒、自汗などの随伴症状がみられます。

 

 

 

2.太陽傷寒証 (麻黄湯証)

 

 

 

寒邪が太陽経に侵襲することで発熱します。

 

 

 

この場合も頭項強痛がみられますが、頭髪をくしでとかすだけでも頭皮が痛むことがあります。

 

 

 

また、悪寒発熱、関節痛、無汗といった症状を伴います。

 

 

 

3.衛分証 (銀翹散証)

 

 

 

風温邪や温熱邪が衛分に侵襲することで発熱します。

 

 

 

微悪風の後、悪熱に変わり、咽喉痛を伴います。

 

 

 

次に半表半裏証における発熱についてです。

 

 

 

これは少陽証と呼ばれ、

 

 

 

外邪が太陽から少陽へ伝変するか、内傷病としての肝胆の病変によって気の鬱滞が少陽部位(半表半裏)で持続することで発熱します。

 

 

 

悪寒と発熱が規則的に交互に出現する往来寒熱がみられます。

 

 

 

この場合、悪寒するときに発熱せず、発熱するときに悪寒しない状態が、1日の中で数回、1日に1回、隔日に1回というように規則的にみられる特徴があります。

 

 

 

正気が勝てば発熱し、邪気が勝てば悪寒しますが、互いに勝ったり負けたりするため、このような症状がみられます。

 

 

 

その他の症状としては、口苦、咽喉の渇き、眩暈、胸脇苦満、食欲減退がみられます。

 

 

 

残りは裏証における発熱についてですが、長くなってしまいそうなので、

 

 

 

次回、じっくりお話ししていきたいと思いますので、お楽しみに!

 

 

 

つづく

 

 

 

 

【参考文献】

『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』

藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房

 

『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』

藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房

 

『症状による中医診断と治療 上下』

神戸中医学研究会、燎原書店

 

『基礎中医学』

神戸中医学研究会、燎原書店

 

 

 

 

 

 

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