東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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胃脘痛とは

 

 

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こんばんは!樫部です。
 
 
 
本日は「胃脘痛(いかんつう)」について、お話していきたいと思います。
 
 
 
胃脘痛とは、心窩部付近の疼痛を指し、「胃痛」ともいいます。
 
 
 
『素問』の「胃脘はここに当たりて痛む」、『景岳全書』の「心腹痛」、『寿世保元』の「心胃痛」などは胃脘痛のことを指しています。
 
 
 
病因と病理機序から、虚痛、気痛、熱痛、寒痛、瘀痛、食痛、虫痛などに分類することができます。
 
 
 
古代医書に記載されている、「心痛」、「心下痛」などに胃脘痛が含まれることが少なくないですが、「真心痛」と区別する必要があります。
 
 
 
「真心痛」は、左胸部の発作性の強い疼痛で、錐を刺すような痛み、胸部の詰まるような苦悶感を呈し、疼痛は左肩甲部から上腕内側に放散する為、「心痛徹背」と表現されます。
 
 
 
重篤な場合は、『霊枢・厥痛』に「真心痛は、手足はひえて節に至り、心痛甚だしく、旦(あした)に発して夕(ゆうべ)に死し、夕に発して旦に死す」と記されており、これは心筋梗塞に相当します。
 
 
 
予後、治療法は胃脘痛と大きく異なる為、混同しないように鑑別が重要となります。
 
 
 
『傷寒論』の大結胸証の「心下痛」も心窩部の疼痛ですが、病邪の性質、病変部の範囲が異なります。
 
 
 
大結胸証は風寒の邪が裏に入って化熱し、水熱互結して生じ、疼痛部は心窩部から下腹部に渡る特徴を持ちます。
 
 
 
胃脘痛は、内傷の雑病でみられることが多く、上腹部に限局している特徴を持ちます。
 
 
 
弁証分類は主に7つあり、次の通りです。
 
 
 
1.脾胃虚寒の胃脘痛
 
2.寒邪犯胃の胃脘痛
 
3.肝火犯胃の胃脘痛
 
4.胃陰虚の胃脘痛
 
5.肝気鬱結の胃脘痛
 
6.血瘀の胃脘痛
 
7.食滞の胃脘痛
 
 
 
つづく
 
 
 
 
 
【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『症状による中医診断と治療 上』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
『基礎中医学』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
 
 
 
 
 

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こんばんは。齋藤です。

 

 

 

前回の続きです。

 

 

 

前回の話はコチラ

 

 

 

前回は、経絡に痰が流れ込んだ場合を書いていきました。

 

 

 

今回は、筋骨に潜伏した場合を書いていきます。

 

 

 

筋や骨に痰がある場合、筋骨が腐敗し、死骨や瘻孔症状を引き起こします。

 

 

 

これらの症状は、流痰症(骨関節結核)によくみられ、小児に多発します。

 

 

 

小児が先天不足で、骨格が軟らかく、脆弱なため気血が損傷され、風寒の冷気が凝集すれば、流痰が発生します。

 

 

 

また、他の疾患や外傷、疲労などが原因でも発生させることもあります。

 

 

 

それは、骨と腎は関係性が深いですし、寒邪の凝結作用や、外傷などで循環障害が発生して、痰が蓄積されてしまうということです。

 

 

 

例えば、発熱などで身体の中の熱が強くなり、その熱が腎に入り込み、骨髓まで焼いた場合にも、流痰が発生します。

 

 

 

このような状況は脊柱に発生し、督脈を損傷した場合、亀背(背中が曲がる)になることが多く、「亀背流痰」は、最も多く見られます。

 

 

 

骨は腎、髄も腎に深く関係しており、腎は下焦にあたりますし、少陰腎経も陽経の経絡に比べ深い部分にあります。

 

 

 

その深い臓や経絡に熱が入り込んでしまい、津液を焼灼し痰を形成してしまいます。

 

 

 

先人達も、流痰に関して分析し、記載が書物に残っており、「亀背痰」「骨癆(コツロウ)」「穿骨流注」「穿粉毒」などの名称がみられます。

 

 

 

それくらい、悩ましい病気だったのだと思います。

 

 

 

総合すると、正気不足や気血両虚、陰寒濁痰が筋骨に凝結するなどの要素が色々と重なり合い、発生するということになります。

 

 

 

先天的な問題もあるので、そういった部分も含め、しっかりと問診する必要があります。

 

 

 

 

 

参考文献

『中医病因病機学』 主編:宋 鷺冰 訳:柴﨑 瑛子 (東洋学術出版社)

『鍼灸・漢方の名医になるための 気血弁証論治学』 編者:神野英明

『中医学ってなんだろう ①人間のしくみ』 著:小金井信宏(東洋学術出版)

『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論編』 監修:藤本蓮風 編著:一般社団法人 北辰会 学術部 (緑書房)

『基礎中医学』編著:神戸中医学研究会 (燎原)

 

 

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