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こんばんは!樫部です。
本日は前回のお話の続きとして、「四肢抽搐」の弁証分類について、お話ししていきたいと思います。
前回のお話はこちら!
4と5の四肢抽搐は、同様な病理によって生じます。
湿熱病で熱邪が盛んなために陰液が消耗して筋脈が栄養されないか、湿熱邪による湿温病の後期で内風が生じ、四肢の痙攣が起きます。
それぞれの特徴については、次の通りです。
4.熱極生風
四肢の痙攣、間代性痙攣がみられる特徴があり、
その他に高熱、口渇、顔面紅潮、呼吸が荒い、頚項部の強ばり、角弓反張、両眼の上方注視、意識障害、うわごとといった症状がみられます。
5.湿熱生風
熱極生風の症状に加えて、持続性で起伏のある発熱、頭が締め付けられるように重いといった症状がみられます。
6.脾腎陽虚
嘔吐、下痢、慢性病などによる消耗で、脾腎の陽気が虚したことで、経脈が温められなくなり、四肢の痙攣が起きます。
持続性の四肢の痙攣に加えて、
寒がる、四肢の冷え、顔色が白いといった陽虚所見、
浮腫、食欲不振、泥状便、腰膝酸軟など脾腎の弱りを示す所見がみられる特徴があります。
7.肝鬱血虚
憂鬱感、悲哀感などの心神不寧の傾向をもつ人が、激怒すると、
肝気が上衝し、気が逆乱して気血が四肢にうまく散布されなくなり、四肢が痙攣します。
憂鬱感、悲哀感、イライラといった精神的な症状に加えて、多夢、不眠、胸苦しい、善太息といった症状がみられます。
8.血虚生風
不正性器出血や血便などによる血の消耗、脾虚による血の化生不足で、血虚となり、筋脈が栄養されないために痙攣がおきます。
肢体の痺れ、四肢がゆっくり痙攣したり、筋肉がピクピクひきつる特徴があり、虚弱体質で顔色蒼白・萎黄がみられます。
四肢抽搐のお話は以上です。
次回は「冷え症」について、お話ししていきたいと思います。
【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
『症状による中医診断と治療 下』
神戸中医学研究会、燎原書店
『基礎中医学』
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こんばんは!樫部です。
本日は前回の続きで「耳鳴・難聴」の弁証分類について、お話ししていきたいと思います。
前回のお話はこちら!
弁証分類の病因は、外感、内傷の両方ともみられ、全部で9つあります。
まずは病因が外感により引き起こされる耳鳴、難聴についてお話ししていきます。
1.風熱襲肺
風熱邪あるいは風寒邪を感受し、化熱により火邪が上犯して竅と絡を塞ぐために発生します。
低音が聞こえづらく、自身の発声が大きくなったり、風が吹くような耳鳴がする特徴があります。
初期は鼻づまり、鼻汁、耳痛、耳の閉塞感、発熱、頭痛といった表証を随伴します。
鼓膜の色は紅を呈し、中耳に液が溜まることが多いとされています。
次に病因が内傷により引き起こされる耳鳴、難聴の弁証分類についてです。
2.肝火
怒りなどによって肝胆の気が上逆し、精道を犯して発症します。
難聴が重度で全く聞こえなくなり、発症が急速で、耳鳴も音が大きい特徴があります。
その他にも、耳の脹痛、耳塞感、口苦、口渇、顔面紅潮、目の充血、硬い便と色の濃い小水がみられます。
3.肝陽上亢
肝腎陰虚で肝陽が上亢するために生じます。
発症の仕方は緩慢で、難聴と耳鳴の状態に変動があるといった特徴があります。
両眼球の乾燥感、口渇、頭が脹ってふらつくなどの肝陰虚の症候を随伴し、腰膝酸軟もみられることがあります。
4.肝血虚
血の不足、大量出血、慢性病による陰血の消耗などで肝血が不足することで引き起こされます。
音量が増減する、蝉の鳴き声のような耳鳴と、聴力低下がみられる特徴があります。
また、疲労したり、午後に症状が増悪しやすいことも特徴です。
その他にも、眩暈、多夢、目の乾燥感、視力低下を伴うことがあります。
残り5つについては、長くなってしまいそうなので、次回のお楽しみということで!
つづく
【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
『症状による中医診断と治療 下』
神戸中医学研究会、燎原書店
『基礎中医学』
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