東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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内傷病因

 

 

 

 

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こんばんは、永井です。

 

 

 

 

 

内傷病因についてです。

 

 

 

 

 

内傷の発病因子は人体自体に由来、日常生活の中での不摂生や精神的、社会的要因が関係しており、飲食不節、労逸、房事過多、七情失調の4つに分けられます。

 

 

 

 

 

今日は飲食内傷についてです。

 

 

 

 

 

飲食物は後天の水穀の精微の原料であり、その飲食物が適切でないと、疾病が発生します。

 

 

 

 

 

飲食物は脾胃による納穀、腐熟、運化を通じて精微に化生するため、まず初めに脾胃が損傷され、納穀と運化機能失調が起こります。

 

 

 

 

 

飲食内傷には飲食不節と飲食不潔の2つがあります。

 

 

 

 

 

まず飲食不節は

①飢飽不調

②寒温不適

③飲食偏嗜

に分けられます。

 

 

 

 

 

①飢飽不調

 

 

 

 

 

これは飲食不足や過食、食事を摂る時間帯が不規則なことです。

 

 

 

 

 

 

常に飲食不足だと、水穀が不足し精微を化生出来ないため、気血不足となり、次第に身体が痩せていき、衛気不足になり、病邪が侵襲しやすく、結果的に多病や早期の老化を引き起こします。

 

 

 

 

 

 

次に過食についてです。

 

 

 

 

 

現代人は過食傾向と言われていますが、日常的に過食していると、脾胃の運化が追いつかないため飲食積滞となり、腹満、腹痛、腐臭のかる噯気、呑酸、下痢などの症状が出ます。

 

 

 

 

 

 

これが慢性化すると、運化が無力になり実から虚に変化し、脾胃虚寒、中気不足となり、温熱、按圧を好み、食欲不振、腹痛などの症状が出ます。

 

 

 

 

 

 

続いて食事時間の不規則についてです。

 

 

 

 

 

普段から食事の時間が不規則だと、脾胃の運化機能失調により、脾の昇清作用、飲食の降濁作用が上手く働かず、水穀の精微が正常に輸布出来なくなります。

 

 

 

 

 

 

慢性化すると、中気を損傷し、中焦虚寒になり、食欲不振、悪心、嘔吐、呑酸、腹の冷痛、るい痩、顔面蒼白、脈細、無力などの症状が出ます。

 

 

 

 

 

 

全身の気血が虚弱になると、抵抗力が弱くなるので、簡単に外邪の侵襲を受けて発病します。

 

 

 

 

 

 

さらに脾不統血になると、吐血、下血が見られます。

 

 

 

 

 

②寒温不適

 

 

 

 

 

摂取する飲食の温度も大切で、熱すぎたり冷たすぎたり、生ものの過食をすると、脾胃の運化機能を阻害して病変を引き起こします。

 

 

 

 

 

 

冷たいものや生ものは脾胃の陽気が損傷され、運化不及から寒湿を内生するため、腹痛、下痢症状が出ます。

 

 

 

 

 

熱いものは胃腸に積熱し、胃陰が損傷され、胃火上炎になるため口乾、口渇、口臭、食べてもすぐにお腹が空くといった症状が出ます。

 

 

 

 

 

 

胃陰不足や胃腸積熱で腹慢、便秘症状が出ます。 

 

 

 

 

 

 

③飲食偏嗜

 

 

 

 

 

 

偏食のことです。

 

 

 

 

 

飲食の五味は五臓の関係し、五味は五臓を養います。

 

 

 

 

 

 

偏った味の物ばかり食べていると、その味に対応する臓気を偏勝させ、他臓に乗侮して発病します。

 

 

 

 

 

 

飲食不潔についてです。

 

 

 

 

 

飲食不潔とは、腐敗変質した食物、洗ってない、消毒してない果物、野菜、害虫などに汚染された食物を摂取することで、

 

 

 

 

 

穢濁の気が食物と一緒に胃に入り込んで昇降失調させるため、軽いと清濁不分による腹痛、下痢、嘔吐、痢疾などの症状が出ます。

 

 

 

 

 

重いと濁気が清竅を蒙閉して意識不明になったり死亡に至ります。

 

 

 

 

 

毒物の誤食は生命に危険を及ぼし、糞便で汚染された食物や火の通っていない肉を食べると虫卵が侵入して寄生虫病が発生します。

 

 

 

 

 

次回へ続きます。

 

 

 

 

 

 

参考文献

『基礎中医学』 編者:神戸中医学研究所

『中医病因病機学論』 主編:宋 鷺冰

『中医弁証論』    編著 柯 雪 帆

 

 

 

 

 

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飲食と味覚⑤

 

 

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こんばんは!樫部です。

 

 

 

本日は「味覚」について、お話していきたいと思います。

 

前回のお話はこちら

 

 

味のお話といえば、『霊枢 五味論篇』、『難経 三十四難』ですね。

 

 

 

五味は、辛、酸、甘、苦、鹹(かん)を指します。

 

 

 

※鹹(かん):患者さんから質問されることが多いのですが、「塩味」を意味します。

 

 

 

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中医学では「味」という観点から薬物、食物の効能を整理、分類しています。

 

 

 

辛味:散、行

 

酸味:収、渋

 

甘味:緩、補

 

苦味:瀉、燥

 

鹹味:軟堅、潤下

 

 

 

清明院でも使用している、北辰会カルテにも五味について、お聞きする欄があります。

 

 

 

「これってどういう意味ですか?」と患者さんから質問されることが多々ある項目でもあります。

 

 

 

なかなか日常生活で無意識に摂っている「味」ですが、

 

「仕事が忙しくなると無性に辛いものが食べたくなるんですよね…」とか、「甘いものに目がないんですよね…」というふうに、

 

 

 

味の偏りによって五臓のどこが病んでいるのか、過剰摂取している場合は、その五味に関連性が強い臓を傷めてしまう可能性があります。

 

 

 

 

 

 

 

【参考文献】

『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』

藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房

 

『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』

藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房

 

『症状による中医診断と治療 下』

神戸中医学研究会、燎原書店

 

『基礎中医学』

神戸中医学研究会、燎原書店

 

 

 

 

 

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