東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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過敏性腸症候群と鍼灸①

 

 

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こんばんは 謝敷です

 

 

 

過敏性腸症候群と鍼灸について、日本の診療ガイドラインに記載がありますので、

今回はまず、過敏性腸症候群についてご紹介したいと思います。

 

 

 

過敏性腸症候群は、Irritable Bowel Syndromeの略でIBSとしても知られています。

 

 

 

大腸に腫瘍や炎症などがないにもかかわらず、

直近3か月の間、週1日以上、腹痛が繰り返し起こり、

 

 

さらに以下のような特徴に2つ以上該当するような状態をいいます。。

・排便に関連する

・排便頻度の変化に関連する(増えたり減ったりする)

・便の形状の変化に関連する(軟便になったり硬くなったりする)

 

 

 

 

ストレスなどにより、大腸の収縮運動が激しくなり、

痛みを感じりゃすい知覚過敏状態となっていることが原因で、

具体的な原因については、現状明らかになっていません。

 

 

 

しかし、感染性腸炎にかかった場合、

腸に炎症が起き、粘膜が弱くなるだけでなく、腸内細菌叢も変化すること等により、

腸運動や知覚機能に影響し、罹患しやすいことが報告されています。

 

 

 

また、便の形状により、「便秘型」「下痢型」「混合型」「分類不能型」の4つに分類され、

これらのタイプにより、症状も異なります。

 

 

 

日本での有病率は約6%、検診受診者では約15%との有病率が報告されており、

女性が男性よりも有病率が高く、

40歳代以降は有病率が減少する傾向があることが報告されています。

 

 

 

 

 

治療ではまず、生活習慣の改善が優先され、

それでも改善しない場合は、消化管運動機能調整薬や、

プロバイオティクス(ビフィズス菌や乳酸菌等)のお薬が処方されます。

 

 

 

下痢型では、腸の運動を改善させるセロトニン3受容体拮抗薬や止痢薬、

便秘型では、粘膜上比皮機能変容薬や下剤等が処方されることもあるようです。

 

 

 

 

大建中湯や、桂枝加芍薬湯などの漢方、

抗不安作用のお薬が処方されることもあります。

 

 

 

次回は、IBS診療ガイドラインに記載されている鍼灸治療についてご紹介致します!

 

 

 

 

(参考資料)

・機能性消化肝疾患診察ガイドライン2020-過敏性腸症候群

https://www.jsge.or.jp/committees/guideline/guideline/pdf/IBSGL2020_.pdf#page=104https://www.jsge.or.jp/committees/guideline/guideline/pdf/IBSGL2020_.pdf#page=104

 

 

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悪性腫瘍の治療における補完・代替・統合医療

 

 

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こんばんは 謝敷です。

 

 

 

 

今回はUpToDateで紹介されている、
悪性腫瘍の治療における補完・代替・統合医療の実践と
潜在的なリスクの概要という記事をご紹介します。

 

 

 

 

補完代替医療は、ガンと診断されたことのある患者さんの約60~80%が使用し、
全身的な健康状態の改善、がん関連症状の緩和、
治療中の副作用緩和、介護者のケア、緩和ケアなど、
様々な場面で活用されていることが記載されています。

 

 

 

具体的には、疼痛の管理や、化学療法による悪心嘔吐や末梢神経障害、
放射線誘発性の口腔乾燥、呼吸困難、慢性的な筋骨格の障害、
ほてりや疲労感、ストレス、不安、呼吸困難、白血球の減少、睡眠障害の緩和に
有効な可能性があることが紹介されています。

 

 

 

2017年には、統合腫瘍学会(Society for Integrative Oncology: CIO)が
乳がん治療中や治療後の症状管理に、以下の点において、
鍼治療を使用することを臨床診療ガイドラインに記載されたことが報告されています。

 

 ・鍼治療は不安の軽減や気分障害・うつ症状を改善し、治療後の疲労やほてり、QOLを改善すること
 ・化学療法による吐き気や嘔吐の軽減に電気鍼治療を検討することが可能なこと
 ・痛みの管理に鍼治療が検討可能なこと 

 

 

 

2022年には、米国臨床腫瘍学会(American Society of Clinical Oncology: ASCO)が
癌性疼痛における統合療法の使用に関する共同ガイドラインにおいて、
以下の内容を記載していることも紹介しています。

 

 ・乳癌患者では内分泌療法による関節痛を有する患者に鍼治療が有用であること
 ・がんによる全身や筋骨格系の痛みに鍼治療が使用可能なこと
 ・がん治療による末梢神経障害を有する者は鍼や指圧が使用可能であること

 

 

 

米国では、患者さんの鍼灸治療の活用率の高さから、
鍼灸の効果について検討する機運が生まれ、研究組織が形成され、
研究が進んだという経緯があります。

 

 

 

エビデンスの少なさ、研究方法の限界をいつも課題として指摘し続けられる中、
“実際に症状が改善された!”という患者さんの経験や実態そのものが、
医療の中での鍼灸や東洋医学の領域を広めていく力だと感じます。

 
 
 
 
参考文献
UpToDate 
Overview of complementary, alternative, and integrative medicine practices in oncology care, and potential risks and harm
https://www.uptodate.com/contents/overview-of-complementary-alternative-and-integrative-medicine-practices-in-oncology-care-and-potential-risks-and-harm
 
 
 

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