東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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はじめまして

 

 

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はじめまして。

 

 

本年4月より非常勤スタッフとして、清明院にて勤務させていただいております
謝敷裕美(しゃしきひろみ)と申します。

 

 

この度、スタッフブログ「清明なる日々」の日曜日の担当をさせていただくこととなりました。
どうぞ宜しくお願い申し上げます。

 

本日は、初めての投稿ということで、この場を拝借して、自己紹介をさせて頂きます。

 

生まれと育ちは東京・横浜ですが、この珍しい苗字は曾祖父以前の沖縄のものです。
今は、沖縄に親族もいませんが、総画数53画という濃い目の名前だけが残っています。

 

私が鍼灸師になるまでの道のりは長く・・・
大学では国際政治を専攻し、卒業後も金融機関に就職し、
東洋医学とは無縁のフィールドで仕事をしていました。

 

東洋医学との出会いは、一度だけ参加した薬膳教室でした。
当時の私は、胃腸の弱さや強い寒気、片頭痛や耳鳴り等に苦しんでおり、
薬膳教室でふんわりと聞いた世界観に、
何か自分の体を理解する糸口があるように思え、強く惹かれたのがきっかけです。
早速、東洋医学の基礎理論の本を購入してみると
様々な症状が、実は無関係なものではなく、全て繋がっていそうだ!!
ということに驚き、毎週末、中医学の教室に通って学ぶようになりました。

 

その後、西洋医学の生理や解剖についても基礎を学びたいと思うようになり、
大好きだった会社を辞めて鍼灸の専門学校に進学しました。

 

免許取得後は、医療の中で鍼灸が活用されている現場を見たいと、大学病院で研修しました。
病院では、神経や筋肉といった西洋医学の理論を用いた鍼灸施術をしており、
学ぶことが沢山あった一方で、症状が改善しない患者さまにも出会い、
ツボ・経絡といった東洋医学の理論を用いた鍼灸の必要性を感じました。

 

しかし、病院では根拠に基づく医療(Evidence based medicine:EBM)が基本であり、
東洋医学はエビデンスが十分でないことから、あまり活用されていない現状を知りました。

 

多くの症例集積の賜物である東洋医学は、
AIが発展した現代、数の力を用いればエビデンスを作ることができるのではないかと考え、
疫学や統計学を学ぶため、大学院に進学しました。

 

そんな中、コロナに感染し、竹下院長の1本の鍼で完全に失っていた嗅覚が回復し、
体調もみるみる改善したことに驚き、改めて東洋医学や鍼の力に感激!!!

 

私自身も心身の不調に苦しむ方々の役に立てる人になりたいと、
清明院にてお世話になることになりました。

 

今後は、ブログにて現在参照されている鍼灸のエビデンスを皆様にご紹介できたらと考えております。
これから、どうぞ宜しくお願い致します^^・・

 

 

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「EBM(根拠に基づいた医療)」について(その10)

こんばんは、松木です。

続きを書いていきます。

「EBM(根拠に基づいた医療)」について(その1)
「EBM(根拠に基づいた医療)」について(その2)
「EBM(根拠に基づいた医療)」について(その3)
「EBM(根拠に基づいた医療)」について(その4)
「EBM(根拠に基づいた医療)」について(その5)
「EBM(根拠に基づいた医療)」について(その6)
「EBM(根拠に基づいた医療)」について(その7)
「EBM(根拠に基づいた医療)」について(その8)
「EBM(根拠に基づいた医療)」について(その9)

とうとうEBMのお話も10記事目に突入です。

今日は「症例集積」について書いていきます。

「症例集積」とは、関心ある転帰を示す一連の患者の報告で、対象群は含まないものを指します。

対象群とは、これまでのお話にも出てきましたが、何も治療をしていない人たちや、他の治療を行った人たちのことです。

・無作為化比較試験(RCT)

・コホート(追跡)研究

・症例-対象(case-control)研究

これらの研究方法では対象群を設定してありましたが、「症例集積」には対象群は設けていないわけです。

お忘れの方がいらっしゃるかもしれませんが、
「EBM(根拠に基づいた医療)」について(その3)
に書いたように、EBMでは研究方法によってデータの信頼度に差を設けています。

「症例集積」はそれほど信頼度の高い研究とは言えません。

しかし、鍼灸において昔から行われている研究の多くは、この「症例集積」です。

そして「症例集積」には、EBMの信頼度とは別に、重要な意義がある場合があります。

日本統合医療学会のホームページにこのような事が書いてあります。

以下引用させて頂きます。

近代西洋医学の医薬品のEBMで広く使用されるRCT(ランダム化比較試験)だけでは、伝統医学や相補・代替医療の科学的根拠を研究するには限界があるとの討議が2000年のミュンヘンでの国際会議でなされています。

実際、米国の国立癌研究所(NCI)や国立相補・代替医療センター(NCCAM)でも、RCT研究にそぐわない伝統医学や相補・代替医療は、ベストケースシリーズ(Best Case Series)として取り上げられています。

ベストケースとは、伝統医学や相補・代替医療の実施によって得られた、以下のような様々な症例を集積し、臨床試験実施に向けた情報の収集と基礎資料を提供するものです。

1、1回あるいは数回の治療によって、劇的な症状の改善あるいは治癒が見られた症例

2、近代西洋医学に伝統医学や相補・代替医療を併用することによって、症状の進行を顕著に遅らせ改善させた症例

3、近代西洋医学に抵抗を示す病態に対し、伝統医学や相補・代替医療によって症状の明らかな改善が認められた症例

4、その他、伝統医学や相補・代替医療で特異な効果が得られたケース

伝統医学や相補・代替医療のEBMでは、有効性や安全性、経済性が症例によって異なる場合が多くなります。今後、伝統医学や相補・代替医療の適応や 有効性を検証するためにも広く情報の共有を図り、ベストケースの集積からエビデンスの検証へと繋がる研究体系が望まれています。

引用終わり

EBMの信頼度は低い「症例集積」ですが、上記のような印象的な症例は、「ベストケースシリーズ」として重要であるという事です。

鍼灸の古くからある「症例集積」は、EBMの観点からは価値が薄いように言われることがありますが、

このように考えるとまた違った価値を持っていると思います。

つづく

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