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こんばんは 謝敷です^^
今日は、逆子に対するお灸についてCochranライブラリーの評価の続きをご紹介します。
偽のお灸、つまり効果がないと思われる部位へのお灸との比較結果と、今回参照された研究の限界や課題等です。
▽偽灸との比較
偽灸と比較した場合も、通常治療とお灸を併用した方が、
出生時の逆子の数を現象可能性が報告されていますが、
帝王切開の数や外回転術の必要性、早産、オキシトシンの使用等の差については、
データが少なく検討できなかったことが報告されています。
他、通常ケアと鍼、通常ケアと鍼とお灸、
患者教育、レーザープラセボ、体位療法との比較においても、
効果検討に十分なエビデンスがなかったと報告されています。
ここで「通常のケア」と記載されているものは、研究によって異なっているようで、
今回の検討の限界のひとつとして記載されています。
また、ほとんどの研究で盲検化ができていないこと、
対象となった報告は、英文の論文に偏りがあった可能性等も挙げられていますが、
アジア人と非アジア人という民族による効果違いはみられなかったと報告しています。
そもそもお灸と他の治療法における逆子への効果検討については、
対象となる研究が少なく、実態が不明なものが多いようですね。
ちなみに、本邦の産婦人科診療ガイドライン―産科編 2020では、
お灸についての言及はなされていません。
やっとCochranの検討対象論文に日本の名前が見られましたね。
論文にされていない実態の方が比べ物にならないほど沢山あるように思われますが、
どうしても効果検討の対象となるのは、決められた研究デザインで実施されたものや、
英文の論文化されたものであることが、現在のEBMの実態でもありますね。
ご参考:記事概要
データベース等にて、2名の評価者が論文要約をスクリーニングし、
2021年11月までに発表された13件の研究(2,181名)の効果について検討。
採用された論文は、中国、フランス、日本、オーストラリア、デンマーク、スペイン、スイスのもの。
【対象者】単胎骨盤位を有する女性
【介入方法】お灸のみ、または鍼や体操とお灸を組み合わせたもの(施術者・自己施灸含む)
【比較対象】お灸はせず、外回転術や鍼、体操のみを行ったもの
偽灸(効果のないツボへの施灸)
【評価項目】主要評価 出生時の胎児の体位、
副次的評価 外回転術の必要性、分娩方法、周産期の罹患率・死亡率
母体の合併症、母体の満足度、有害事象
<参考資料>
・Cochran Library
https://www.cochranelibrary.com/cdsr/doi/10.1002/14651858.CD003928.pub4/full
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こんばんは 謝敷です^^
これまでEBMとは何かを見て参りました。
それも一重に鍼灸のエビデンスをご紹介するため…笑
私が大学院に進学するきっかけにもなった“鍼灸はエビデンスに乏しい”という現状ですが、
鍼「acupuncture」をキーワードに論文を検索すると、
1827年から2023年(9月16日時点)までの間の42,530件が表示されます(論文検索サイトPubmed)。
(ちなみに1827年の文献は、米国の医師が慢性下痢の症例報告の中で、
リウマチの痛みに対し、鍼を刺すことで痛みが緩解することがあったことを記載していました!)
米国のニクソン大統領が中国を訪問し、
鍼麻酔への注目が高まった1970年頃から論文数が増え始めているのが興味深いですね。
1980年代は、鍼麻酔から派生して、動物を対象に、
なぜ鍼は痛みを抑えることができるのか(鎮痛機序)を中心に研究が行われていました。
しかし、鍼灸は効果の評価が難しいことや
患者さんによって治療方法が異なること(疾患によって同じツボを使用しない)等により、
いわゆる信頼度の高いといわれるエビデンスを作ることには課題があり、
症例報告と言って、治療経過の記録が主なエビデンスとなっていました。
2000年以降、鍼灸にも例外でなくEBMの波が押し寄せ、
臨床研究(ヒトを対象とした鍼灸効果の検証)が徐々に増えていきます。
そして現在、約4万件ほどある論文の中から、こちらのブログでは、
EBMの歩み2(こちら)でご紹介したGRADEシステムを活用している
Cochrane やUpToDateで検討されている鍼灸治療や
日本のガイドラインに鍼灸の活用が示されている疾患についてのエビデンスを紹介させて頂こうと思います。
Cochranとは英国に本部をおく国際的な非営利団体で、
コクラン・レビューとして、多くのシステマティック・レビューを作成し、
エビデンスの質の高さが評価されています。Cochranサイトは→こちら
UpToDateは米国に本部をおく情報サービス事業会社が提供する情報で、
専門医が診断、治療、予防、予後等について、エビデンスに基づいた臨床情報を執筆し、
信頼性の高い臨床情報源として評価されています。UpToDateサイトは→こちら
では早速次回は、これらの情報源を元に、
国民生活調査で男性では1位、女性では2位の有訴者率を誇る
「腰痛」についての鍼灸エビデンスをご紹介いたします!!
<参考資料>
・寺澤佳洋 編著.鍼灸のことがきになったらまず読む本. 中外医学社, 2022.
・川喜多健司, 矢野忠 編著.鍼灸臨床最新科学. 医歯薬出版株式会社, 2014
・Elliotson J. On the Use of the Sulphate of Copper in Chronic Diarrhœa. To which are added some Observations on the Use of Acupuncture in Rheumatism. Med Chir Trans. 1827;13(Pt 2):451-68.
・Cochrane https://www.cochrane.org/about-us
・UpToDate https://www.wolterskluwer.com/ja-jp/solutions/uptodate
・厚生労働省eJIM https://www.ejim.ncgg.go.jp/doc/index_cochrane.html
・日本病院ライブラリー協会 https://jhla.jp/katudo/rinsho-kyu/rinshosienjigyo/update/
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