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こんばんは!樫部です。
本日は「あくび」について、お話ししていきたいと思います。
眠いとき、退屈時、疲労時、起床時に無意識に起こる呼吸運動を「あくび」と呼び、
東洋医学的には「呵欠:かけん」といいます。
眠気がある際、覚醒後しばらくの間に引き起こされるものは生理現象とみなしますが、
それ以外の状況で頻繁に呵欠が出る場合は、病理とみなします。
呵欠は、大きく息を吸い込み、大きく息を吐き出すことで、肺気の宣発粛降機能を高め、腎へ納気させようとする現象と考えられます。
大きな呼吸をして、一気に息を吐き出すことにより、気を上から下へ、または内外へ、全身に一気に気を巡らせたり、内や下焦に気を納めようとしているとみなされています。
呵欠の弁証分類は、主に3つの分類があり、どれも内傷により引き起こされます。
1.肝鬱気滞
内傷七情により肝鬱が引き起こされると、気滞を取り除く作用として呵欠が発生します。
この場合の呵欠は時々出るという特徴があり、ほっとした際にもみられます。
鬱々としている、情緒不安定、ぼんやりしているといった状態がみられます。
2.気滞血瘀
肝鬱気滞が長引くと、血瘀が脈絡に阻滞し、陽気を宣発できなくなると、それを解消しようとして呵欠が発生します。
この場合は、頻繁に呵欠が出て、胸部が塞がったように悶えます。
刺痛が出ることもあり、動悸や息切れがみられます。
また、記憶力が減退したり、眩暈、耳鳴りが出ることもあります。
3.脾腎陽虚
先天不足、慢性病により脾腎の陽気が虚して虚寒が生じ、陽気を宣発出来ない状態を解消しようとして呵欠が発生します。
気力が低下し、弱々しく長い呵欠が出る特徴があります。
その他に四肢が冷え、夜間尿が増えたり、小便清長がみられます。
また、飲食量が少なく、腹脹したり、軟便、下痢がみられます。
呵欠のお話は以上です。
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次回は「ため息がよく出る」ことに関して、お話ししていきたいと思います。
【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
『症状による中医診断と治療 上下』
神戸中医学研究会、燎原書店
『基礎中医学』
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こんばんは!樫部です。
本日は、「しゃっくり」についてお話ししていきたいと思います。
しゃくりのことを東洋医学的には、吃逆(きつぎゃく)、噦(えつ)、呃逆(あくぎゃく)と呼ばれます。
呃逆は、横隔膜の痙攣により声帯がとじて「ひっく」という音が喉で発生し、一定間隔で繰り返される現象です。
横隔膜の不随意な動きとともに胃気が上逆して特徴的な音を引き起こします。
基本的な病理は、胃の腑の問題と胃気が肺にうまく上注しないことです。
呃逆の弁証分類は、主に4つあり、全て病因は内傷に分類されます。
1.胃寒気逆
冷飲、寒邪直中などで胃の降濁作用の失調により、呃逆が起きます。
低音で緩慢であることが特徴で、胃部の痞えと張り感が随伴し、
温めると緩解、冷やすと増悪します。
2.胃火
辛いものを飲食するか、外感熱邪が胃腑に結するか、情志失調で肝火犯胃により胃に熱がこもると、上逆するため呃逆が発生します。
大きな音で、勢いがよく力強い特徴があります。
その他に、口臭、胃脘部の灼痛、尿が濃く少ない、便秘といった症状が伴います。
3.脾腎陽虚
陽気が虚したために、胃の和降ができなくなり発生します。
この場合、微弱で途切れ途切れに出る特徴があります。
顔面が白く、あまり食を欲っさず、全身倦怠感を訴え、寒がったり、手足の冷えを伴います。
4.胃陰虚
胃陰が不足したために胃の和降ができなくなり発生します。
間欠的で促迫した呃逆で、口内の乾燥、煩渇を伴います。
呃逆については、以上です。
次回は「げっぷ」についてお話をしていきたいと思います。
【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
『症状による中医診断と治療 上下』
神戸中医学研究会、燎原書店
『基礎中医学』
神戸中医学研究会、燎原書店
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