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こんばんは。齋藤です。
あっという間に立冬が過ぎ、暦の上では冬です。
気温も徐々に低下してきていますので、体調管理には十分気を付けてください。
私は既に炬燵を用意した為、自宅では炬燵から離れられず、廃人化しています。笑
それでは前回の続きです。
前回の話はコチラ。
今回は、霊枢「九鍼論篇」に記載されている、五味に関する記載に関して、簡単ではありますが、書いていこうと思います。
霊枢「九鍼論篇」では、主に九鍼の起源・名称・形状及び九鍼の適応症と禁忌などを明らかにしています。
原文は以下の通りです。
「五裁。病在筋、無食酸。病在気、無食辛。病在骨、無食鹹。病在血、無食苦。病在肉、無食甘。口嗜而欲食之、不可多也、必自裁也。命日五裁。」
現代語訳は以下の通りです。
「飲食に関する五つの制約があります。
酸味には収斂する性質があり、病が筋にある時には、収斂作用は好ましくないので、酸味を多食してはならない。
辛味には発散する性質があり、病が気にあるときには発散作用は好ましくないので、辛味は多食してはならない。
鹹味には堅いものを軟らかくする性質があり、病が骨にあるときには軟化作用は好ましくないので、鹹味を多食してはならない。
苦味には乾燥させる性質があり、病が血にあるときには乾燥作用は好ましくないので、苦味を多食してはならない。
甘味は塞いで滞らせ湿を助ける性質があり、病が肉にあるときには鬱滞は好ましくないので、甘味を多食してはならない。
もし、好んで食べたいと思っても、多食してはならず、必ず自ら制約して、適当なところで止めなければならない。
これを五裁という。」
病気がある際に制約しなければならない五味を、五行をベースに、五味の作用を絡めて説明されていますね。
以上、長期間に渡り、五味に関する事を書いてきましたが、今回で一旦終了となります。
総括すると、最後に書かれている様に過食しないで、きりのいい所で終わらせられる様にしろということですね。
なかなかそれができないんですけどね。笑
要は中庸が大事ということです。
参考文献
『現代語訳 黄帝内経素問 上巻』 南京中医学院編 石田秀実監訳 (東洋学術出版)
『意釈黄帝内經素問』 小曽戸丈夫+浜田善利共著 (築地出版)
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こんばんは。齋藤です。
前回の続きです。
前回の話はコチラ。
前回に引き続き、霊枢「五味論篇」に記載されております、甘味に関して書いていこうと思います。
以下、原文です。
「黄帝曰、甘走肉、多食之、令人悗心、何也。少兪曰、甘入于胃、其気弱小、不能上至于上焦、而与穀留于胃中者、令人柔潤者也。胃柔則緩、緩則虫動、虫動則令人悗心。其気外通於肉。故甘走肉。」
以下、訳文です。
「黄帝曰く、甘味は肌肉にいき、食べ過ぎると人の心中を煩悶させるが、これはどうしてだろうか。
少兪が言う。甘味の気は柔和ですので、上って上焦へ到達することが出来ず、飲食物とともに胃中にとどまります。
胃の気も柔潤なので、胃が柔弱ですと、胃の機能が減弱し、胃の機能が減弱すると腸中の寄生虫が機に乗じて活動し、虫が活動しだすと悶えさせ心を乱します。
甘味は脾に入り、脾は肌肉を主るので、甘味は身体外部の肌肉へゆくのです。」
甘味は、滋養強壮作用があるので、身体気血の虚に有効とされています。
甘味は五味の中で一番弱く、上焦に上ることができず、胃腸に留まります。
甘味には緩める作用もあるので、胃腸が緩むことにより、蛔虫が力を得て動き出します。
蛔虫とは寄生虫で、その蛔虫が動き出すことにより、心臓部に煩悶感を起こすと考えられています。
長い事色々と書いてきましたが、今回で五味論篇は終了になります。
続く。
参考文献
『現代語訳 黄帝内経霊枢 下巻』 南京中医学院編 石田秀実監訳 (東洋学術出版)
『意釈黄帝内經霊枢』 小曽戸丈夫+浜田善利共著 (築地出版)
『霊枢ハンドブック』 池田政一著 (医道の日本社)
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