東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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腰痛③

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こんばんは!樫部です。

 

 

 

本日は、以前のお話の続きで腰痛についてです。

 

 

 

前回までのお話はこちら!

腰痛①

腰痛②

 

 

 

経絡経筋病と臓腑の変動から経絡経筋に波及した腰痛の弁証分類について、お話ししていきたいと思います。

 

 

 

主な分類は4つあります。

 

 

 

1.足の太陽膀胱経

 

 

 

痛発動作は、下にあるものを拾おうとして前屈することで、患側腰部に激痛が走ります。

 

 

 

痛みは体幹回旋時よりも、前屈で痛みがはっきり出る特徴があります。

 

 

 

井穴診をしてみると、至陰の左右差がTOPとなり、患側の至陰に圧痛がみられます。

 

 

 

姿勢は臥位での安静が最も楽であり、

 

 

 

腰部に負荷が掛かるような姿勢をとったり、歩行など動くことで痛みが増悪しやすい特徴があります。

 

 

 

2.足の少陽胆経

 

 

 

ポイントは、精神的ストレスが溜まるような状況下にある状態で引き起こされることが多いという点です。

 

 

 

そのような状況下で、側屈や回旋時に、患側腰部に重い痛みを感じるようになり、慢性化していきます。

 

 

 

時折、身体を回旋した時に患側腰部に激痛が走り、数日は痛みがひどい状態となることがあります。

 

 

 

井穴診では、足竅陰の左右差がTOPとなり、患側の足竅陰に圧痛がみられます。

 

 

 

楽しく過ごしたり、物事に熱中しているときは痛みがほとんど気にならなく特徴があります。

 

 

 

3.足の少陰腎経

 

 

 

歩き過ぎ、立ちっぱなし時間が持続すると、下半身への負荷が過剰となり、腰痛を発症します。

 

 

 

休養や仰臥で安静にすると、痛みが緩解する特徴があります。

 

 

 

4.足の陽明胃経

 

 

 

この場合、生活状況としては、食べ過ぎ、飲み過ぎ、早食いなど飲食不節を繰り返す生活が続いていることが多く、

 

 

 

後屈時に患側腰部に重い痛みを感じるようになり、慢性化しやすい特徴があります。

 

 

 

飲酒、食事の最中から飲食後に、脊中、脾兪、胃兪あたりに違和感や鈍痛を伴うことがあります。

 

 

 

衝陽の左右差が大きく、患側の圧痛が顕著にみられることが多いです。

 

 

 

井穴診では、足の第2指~第4指(内庭、厲兌)の左右差が大きく、患側穴に圧痛がみられます。

 

 

 

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つづく

 

 

 

 

【参考文献】

『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』

藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房

 

『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』

藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房

 

『症状による中医診断と治療 下』

神戸中医学研究会、燎原書店

 

『基礎中医学』

神戸中医学研究会、燎原書店

 

 

 

 

 

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こんばんは。齋藤です。

 

 

 

そろそろクリスマスですね。

 

 

 

街はイルミネーションで彩られ、年末だなぁとしみじみ感じる、今日この頃です。

 

 

 

それでは、前回の続きです。

 

 

 

前回の話はコチラ

 

 

 

「黄帝曰、諸原安合以致六輸。岐伯曰、原独不応五時、以経合之、以応其数、故六六三十六輸。」

 

 

 

陰経の場合は、五臓と五時で応じています。

 

 

 

しかし、陽経の場合は六腑の為、原穴が加わります。

 

 

 

その為、六腑の治療の際は、本経の原穴を使用すべきと書かれています。

 

 

 

「黄帝曰、何謂蔵主冬、時主夏、音主長夏、味主秋、色主春。願聞其故。岐伯曰、病在蔵者、取之井。病変于色者、取之榮。病時間時甚者、取之輸。病変于音者、取之経。経満而血者、取之於合、故命日味主合。是謂五変也。」

 

 

 

現代語訳は以下の通りです。

 

 

 

蔵は冬を主り、時は夏を主り、音は長夏を主り、味は秋を主り、色は春を主るとは、何を言うのか。

 

 

 

病が蔵にある場合は、邪気が深く侵入しているので、治療に際しては井穴を刺すべきです。

 

 

 

疾病の変化が顔の色に現れている場合は、治療に際しては榮穴に刺すべきです。

 

 

 

病状が軽くなったり、重くなったりするものは、治療に際しては輸穴に刺すべきです。

 

 

 

疾病の影響が声の変化に現れるものは、経穴を刺すべきです。

 

 

 

経脈が満ちて瘀血があるもの、病が陽明胃経にあるもの、及び飲食の不摂生による疾病は、治療に際してみな合穴に刺すべきです。

 

 

 

それゆえ、味は合を主るというのです。

 

 

 

以上が、五変の表す異なる特徴と、五輸と相応する鍼治療法であります。

 

 

 

五行の五輸をしっかりと意識して説明されていますね。

 

 

 

歴代の医家である馬蒔先生は「五変以て五輸を主る」に関して、以下の様に説明しています。

 

 

 

五臓は冬を主るので、およそ病が蔵にあれば、必ず五臓の井穴を取るのである。

 

 

 

例えば、肝なら大敦に取り、心なら少衝に取る。

 

 

 

色は春に生ずるので、およそ病が色に在れば、必ず五臓の榮穴に取るのである。

 

 

 

例えば、肝なら行間に取り、心なら少府に取る。

 

 

 

という様な感じで、説明しております。

 

 

 

霊枢「順気一日分為四時篇」では、五変の意味と、五変が病を決定する事、鍼治療の五輸との相関関係を説明していて、その運用に合わせて配穴を決定していることを説明しています。

 

 

 

井穴=心下満だけではなく、こういった色々な考え方を頭に入れて、色々な方面から考えていくことが大事だと思います。

 
 
 
 
 
参考文献 

『現代語訳 黄帝内経霊枢 上巻』 南京中医学院編 石田秀実監訳 (東洋学術出版)

『意釈黄帝内經霊枢』 小曽戸丈夫+浜田善利共著 (築地出版)

 

 

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