東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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五味⑫

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こんばんは。齋藤です。

 

 

 

前回の続きです。

 

 

 

前回の話はコチラ

 

 

 

前回に引き続き、霊枢「五味論篇」に記載されております、苦味に関して書いていこうと思います。

 

 

 

以下、原文になります。

 

 

 

『黄帝曰、苦走骨、多食之、令人変嘔、何也。少兪曰、苦入于胃、五穀之気、皆不能勝苦。苦入下脘、三焦之道皆閉而不通。故変嘔。歯者、骨之所終也。故苦入而走骨。故入而復出、知其走骨也。』

 

 

 

以下、訳文になります。

 

 

 

黄帝が言う。「苦味のものは骨に親和性をもっており、食べ過ぎると嘔吐させるが、これはどうしてだろうか。」

 

 

 

少兪が言う。「苦味は五穀の気のすべてに勝ち、苦味が下脘に侵入すると、三焦が通ぜず、胃に入った水穀がうまく消化・吸収・輸送できず、機能に異常をきたし、胃の気が逆上し、変化して嘔吐するのです。

 

 

 

苦味は胃に入ると、骨に行き、さらに歯にゆきます。

 

 

 

それで、すでに胃に入った苦味がもう一度吐き出されるので、その苦味が骨に行ったことが分かるのです。」

 

 

 

苦味の食べ物というと、ゴーヤやゴボウなどが思いつきますね。

 

 

 

苦味には、瀉出し、水滞を乾かし、堅める作用があり、熱証や体内に湿気がこもって起こる病気に効果があります。

 

 

 

苦味が胃に入ることにより、苦味の働きにより、三焦の通路(通調水道)が堅くなって、閉塞し通じなくなるので、嘔吐します。

 

 

 

苦味が吐き出されたことが、他の臓腑や組織に行かずに、歯に入ろうとしている証拠になります。

 

 

 

少し分かりづらいですよね。笑

 

 

 

続く。

 

 

 

参考文献

『現代語訳 黄帝内経霊枢 下巻』 南京中医学院編 石田秀実監訳 (東洋学術出版)

『意釈黄帝内經霊枢』 小曽戸丈夫+浜田善利共著 (築地出版)

『霊枢ハンドブック』 池田政一著 (医道の日本社)

『中医臨床のための中薬学』 神戸中医学研究会編著 (医歯薬出版株式会社)

 

 

 

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こんばんは。齋藤です。

 

 

 

前回の続きです。

 

 

 

前回の話はコチラ

 

 

 

今回は6.齲歯の牙痛について書いていこうと思います。

 

 

 

平素より脂っこい濃厚なものを好んで食べたり、甘い物を過食し、歯に飲食物の残渣がついて歯溝につまり、腐蝕されて生じると考えられています。

 

 

 

症状として、 齲歯があり、嚙んだ食物がその歯に当たったりすると痛み、脈や舌に変化は出ません。

 

 

 

早期で齲蝕孔がなく、牙歯局部が墨浸状あるいは、黄褐色を呈する時期には痛みはありません。

 

 

 

齲蝕孔ができて、食物が嵌入するようになると、冷・熱・酸・甘のものを食したり、冷たい空気を吸っただけで、痛みが起こります。

 

 

 

治療としては、鍼治療では熱を取るための処置を行い、齲蝕孔中に外用薬を充填する方法が中心となります。 

 

 

 

これはほぼ、現在の歯科治療が行っている範疇ですね。

 

 

 

そもそも齲歯があるかを判断しないといけないので、そこをまずは確認してもらわないといけないですね。

 

 

 

ただ、予防の為には飲食や口腔内の衛生状態を良くすることが重要ですね。

 

 

 

これまで、歯痛に対して中医学的にどのように考え治療を行うかを、簡単ではありますがご紹介していきました。

 

 

 

ちなみに私の歯痛は、齲歯ではなく、定期的に鍼治療をする事により、現在では痛みが無くストレスなく食事を行えております。

 

 

 

歯痛の原因は、齲歯だけではありませんので、是非皆さん、歯を大事にしていきましょう!

 

 

 

参考文献

『症状による中医診断と治療』 上巻 

原著:中医症状鑒別診断学 主編:中医研究院 趙 金鐸 編約:神戸中医研究会  (燎原書店) 

『基礎中医学』 神戸中医学研究会編著 (燎原)

『中医病因病機学』 主編:宋 鷺冰 訳:柴﨑 瑛子 (東洋学術出版社)

 

 

 

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