東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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胃痛、胃もたれがする②

 

 

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こんばんは!樫部です。

 

 

 

本日は前回の続きとして、胃脘痛の弁証分類についてお話していきたいと思います。

 

 

 

前回のお話はこちら!

胃痛、胃もたれがする

 

 

 

胃脘痛の弁証分類は主に7つあり、すべて内傷によって引き起こされます。

 

 

 

1.脾胃虚寒

 

 

 

気虚体質であったり、慢性病に消耗により、脾胃の陽虚をきたして内寒が生じると、胃が温養されなくなる為、胃脘痛を引き起こします。

 

 

 

心窩部に持続性の鈍痛を訴える特徴があります。

 

 

 

その他にも、食欲不振、摂食量減少、水様の嘔吐がみられます。

 

 

 

増悪因子は、患部を冷やす、空腹時であり、

 

 

 

緩解因子は、患部を押さえる、温める、食後です。

 

 

 

2.寒邪犯胃

 

 

 

今の時期に多く見られそうな、冷たいもの、生ものの多量摂食時や寒冷により、寒邪が裏に入って脾胃を侵した為に胃脘痛を引き起こします。

 

 

 

胃脘部に絞られるような痛みが突然生じるといった特徴があります。

 

 

 

緩解因子は患部を温めることであり、温飲を好みます。

 

 

 

痛む時は悪寒も伴い、白い唾液を吐き出します。

 

 

 

3.肝火犯胃

 

 

 

肝鬱化火、辛辣物や濃い味の食物の嗜好、温熱性の薬物の過用による胃熱、六淫邪の化熱入裏により、

 

 

 

火熱が脈絡を塞ぐことで気血を失調させ、胃脘痛を引き起こします。

 

 

 

この場合、心窩部の強い灼熱性の疼痛を訴え、かつ拒按です。

 

 

 

冷やすと心地よく、温めることを嫌がる特徴があります。

 

 

 

その他に、胸やけ、呑酸、口乾、口苦がみられ、

 

 

 

場合によっては、吐血、便血、煩燥してイライラしやすいといった症状を伴います。

 

 

 

少し長くなってしまいそうなので、残りの4つに関しては、次回のお楽しみということで!

 

 

 

つづく

 

 

 

 

 

【参考文献】

『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』

藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房

 

『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』

藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房

 

『症状による中医診断と治療 下』

神戸中医学研究会、燎原書店

 

『基礎中医学』

神戸中医学研究会、燎原書店

 

 

 

 

 

 

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こんばんは!樫部です。
 
 
 
本日は前回の続きとして、大便秘結の虚秘について、お話ししていきたいと思います。
 
 
 
前回までのお話はこちら!
 
 
 
虚秘の弁証分類は主に4つあります。
 
 
 
1.肺脾気虚
 
 
 
脾気が虚すと何が起きるかといいますと、
 
 
 
まず運化の低下がみられます。
 
 
 
そして、肺気にも影響が出て、宣発粛降が上手く行えず、
 
 
 
大腸の津液がめぐらないことで伝導力も低下して、発症します。
 
 
 
便の状態としては、硬さは一定しない、粗大な円柱状で、泥状便になることがあります。
 
 
 
スムーズに出てくれないため、排便時に力む必要があり、気の消耗が激しく、自汗、息切れを伴います。
 
 
 
また、排便後の身体の状態を問うと、疲労脱力感、重篤な場合は脱肛の訴えがみられます。
 
 
 
この時に「疲労感があります」といった返答があるなら、
 
 
 
すかさず「休む必要があるくらいですか?そして、どれくらい休めばまた活動できますか?」と聞くことで、
 
 
 
気虚の程度を知るための参考になります。
 
 
 
「何だか疲れる気がするけど、すぐ動ける」、「数分座って休んでいればOK」、「◯分くらい横になってないと動けない」などなど、様々な答えが返って来ると思います。
 
 
 
また、気虚所見として、倦怠感、懶言もみられます。
 
 
 
2.血虚
 
 
 
お産や崩漏など急激な失血、慢性的な血虚により、
 
 
 
大腸の滋潤作用が低下し、大便は乾燥して出なくなり、発症します。
 
 
 
眩暈、目のかすみ、顔面蒼白・萎黄色、唇や舌が淡白、動悸、不眠、健忘、経血量の減少や色が薄くなる、無月経になるなど、血虚所見が多数みられる特徴があります。
 
 
 
3.陰虚
 
 
 
血虚による便秘とメカニズムは同様で、陰分が不足すると全身に乾燥症状がみられます。
 
 
 
とりわけ胃腸に乾燥症状が出るとなると、便秘として症状が現れることが多いです。
 
 
 
陰虚体質を持っていた場合、体内の津液を損傷しやすい熱性疾患を罹患すると、熱症状が消失してからも大便秘結が長期間続きやすい特徴があります。
 
 
 
そのため、大便秘結発症前に熱性疾患の罹患の有無が無かったか確認しておくことも大切です。
 
 
 
熱性疾患だけでなく、汗や下痢、乾燥性の強い生薬の過剰な服用により、大腸の津液が不足してしまうと発症してしまいます。
 
 
 
この場合は、発症が緩慢で経過が長く、長期間症状がみられます。
 
 
(これは血虚についても同様なことが言えます。)
 
 
 
その他にも、ほてり、微熱、盗汗、空咳、口渇といった陰虚所見がみられます。
 
 
 
4.冷秘(脾腎陽虚)
 
 
 
脾腎陽虚によって陰寒内盛すると、陽気がうまくめぐらなくなり、大腸腑の伝導機能が低下して発症します。
 
 
 
同時期から、夜間頻尿、尿量が多く、色が透明、手足が冷える、腰が冷えて痛むといった症状がみられる特徴があります。
 
 
 
ちなみに冷秘は、実証として分類されることもあり、
 
 
 
この場合、臨床的には大便秘結して、便は腥い臭いがする、胃脘部の硬満と痛みがあり拒按、舌苔白潤、口渇なしといった所見がみられます。
 
 
 
大便秘結について、実秘、虚秘に分けてお話ししてきましたが、これで以上となります。
 
 
 
次回からは「泄瀉」について、お話していきたいと思います。
 
 
 
つづく
 
 
 
 
【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『症状による中医診断と治療 下』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
『基礎中医学』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
 
 
 
 

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