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こんばんは!樫部です。
本日は「食後の眠気」についてお話ししていきたいと思います。
飲食後、あるいは飲食している最中に身体が怠くなって眠ってしまうことを食後困頓といいます。
食後困頓の弁証分類は主に3つあり、病因は全て内傷に分類されます。
1.脾気虚(脾虚湿盛)
毎食後眠くなる特徴があり、重篤になると食事中に入眠してしまいます。
全身倦怠感、頭がぼーっとする、食欲不振、食後の腹脹を伴います。
脈力が弱い、舌淡、胖嫩といった所見がみられます。
2.湿痰中阻(湿困脾土)
頭重して、身重もみられ、雨天時や雨天前に増悪し、運動して発汗すると眠気がとれてスッキリします。
この場合、口粘、白膩苔がみられます。
3.肝鬱気滞
甘味を欲し、少量摂るだけで眠くなります。
問診時に「甘味を摂った際に気分の変化はありますか?」と聞くと、「ほっとします」というような情報が得られたりします。
また、精神的緊張が続いている状況下での飲食後に眠くなる特徴があります。
この場合は、肝の異常がメインであり、脾の異常は二次的に生じる為、脾の異常を示す所見が少ないという特徴があります。
弁証分類のお話は以上です!
中医学では、食後困頓は脾虚湿盛(虚証)、湿困脾土(実証)というように、脾の問題であると説いています。
しかし、臨床的には脾のみの問題ではないことがあります。
例えば、仕事により精神的緊張やプレッシャーが掛かっているような肝鬱気滞の状態で、飲食をするとどうなるでしょうか?
一気に気が緩んで眠気が出ることもあります。
特に甘味は緊張を緩める作用があるので、問診をすすめてみると、「そういえばストレス時に甘味の量が増えてました!」という情報が得られるかもしれません。
そうすると、随伴的に徐々に脾の弱りを示す所見も出てきているかもしれない為、追加問診をして詳細を確認しておきます。
脾虚の場合は、虚の程度にもよりますが、毎食後必ず眠くなるのが特徴です。
どういう状況下で、どの時間帯の食後に眠くなるのか確認し、
毎食後に眠くなるのか、どのようなものをどれだけ食べると眠くなるのかを確認することで、
他の脾虚症状と合わせて、脾虚のレベルを鑑別するのに役立てることが出来ます。
食後困頓については、以上です。
次回からは、「お通じの異常」をシリーズ化し、様々な異常について、お話ししていきたいと思います。
【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
『症状による中医診断と治療 下』
神戸中医学研究会、燎原書店
『基礎中医学』
神戸中医学研究会、燎原書店
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