東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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胸やけがする

 

 

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こんばんは!樫部です。

 

 

 

本日は、「胸やけ」についてお話していきたいと思います。

 

 

 

胸やけや上腹部の不快感のことを東洋医学的には「嘈雑:そうざつ」といい、

 

 

 

中焦、脾胃の病変とされています。

 

 

 

嘈雑の弁証分類は主に4つあり、すべて病因は内傷に分類されます。

 

 

 

1.傷食

 

 

 

暴飲暴食などの飲食不節によって胃内に食滞が生じ、胃の和降機能が障害されて嘈雑を引き起こします。

 

 

 

上腹部の不快感、呑酸、悪心嘔吐、腐臭のするゲップ、腹満、口臭、大便酸臭がみられます。

 

 

 

嘔吐して胃が空になると症状が緩解する特徴があります。

 

 

 

2.胃熱

 

 

 

辛辣物、脂物の食べ過ぎ、飲酒癖などにより胃中に熱が鬱したり、熱邪が胃腑に侵入すると、胃の和降機能が障害されて嘈雑を引き起こします。

 

 

 

上腹部の不快感に加え、胃内に焼けるような熱さを訴えます。

 

 

 

加えて、口臭、呑酸、起床時に口のなかが酸っぱく感じて口をすすぎたくなるといった特徴があります。

 

 

 

3.胃寒

 

 

 

寒冷環境にも影響を受けますが、今のような暑い時期に摂取量が増えやすい、生ものや冷たいものの食べ過ぎにより嘈雑が起きます。

 

 

 

この場合、脾胃気虚があることが多いとされています。

 

 

 

上腹部の不快感と痛み、腹が痞えて張ることに加えて、口内にさらさらした唾液が溢れ、酸っぱい感じがするといった訴えがみられます。

 

 

 

その他にも食欲不振、全身倦怠感、息切れを伴います。

 

 

 

この場合の増悪因子は、寒冷環境下、冷たいものを飲食することであり、

 

 

 

緩解因子は、身体を温めたり、温かいものを飲食することです。

 

 

 

4.肝胃不和

 

 

 

肝気が横逆することで、胃の和降機能が障害されて嘈雑が生じます。

 

 

 

上腹部の不快感、何かを食べたくなって少し食べてみると若干嘈雑が一時的に緩解する特徴があります。

 

 

 

その他の症状として、呑酸、胸や腹が張って苦しい、脇痛、口苦がみられます。

 

 

 

嘈雑についてのお話は以上です。

 

 

 

次回は、「お腹の脹り、痛み」について話していきたいと思います。

 

 

 

 

【参考文献】

『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』

藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房

 

『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』

藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房

 

『症状による中医診断と治療 下』

神戸中医学研究会、燎原書店

 

『基礎中医学』

神戸中医学研究会、燎原書店

 

 

 

 

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こんばんは!樫部です。
 
 
 
前回は外感による嘔吐についてお話しました。
 
 
 
前回までのお話はこちら!
 
 
 
本日は、内傷による嘔吐について、お話していきたいと思います。
 
 
 
この場合の弁証分類は主に5つあります。
 
 
 
1.食滞
 
 
 
何かを飲食すると激しい嘔吐が起こるものの、吐出後はスッキリする特徴があり、
 
 
 
嘔吐物は、鼻を突くような腐った酸臭がします。
 
 
 
その他にも胃脘部の膨満、ゲップ、厭食といった症状がみられます。
 
 
 
2.痰飲内阻
 
 
 
嘔吐の他に、胃の不快感により飲食したがらない、眩暈、動悸がみられます。
 
 
 
さらさらした涎や痰状のものを嘔吐する場合は、寒証に傾いていることを示します。
 
 
 
熱に傾いていれば、身熱、心煩を伴い、舌苔が黄膩苔~黄濁苔がみられ、湿熱互結、熱痰中阻の状態にある可能性があります。
 
 
 
また、胃脘部が痞えて腹脹し、白膩苔がみられる、熱所見がみられない場合は、湿濁中阻の状態にあると考えられます。
 
 
 
3.肝気犯胃
 
 
 
この場合、呑酸、ゲップが頻繁に出る特徴があり、胸脇部が脹って痛みます。
 
 
 
増悪因子は、イライラ、プレッシャー、悩み事をぐるぐる考えてしまうといったことが挙げられます。
 
 
 
春温病、暑温病の過程で、肝気が高ぶりすぎて肝風内動し、
 
 
 
痙攣や四肢抽搐(ちゅうちく:筋肉がひきつり痙攣すること)、高熱、頭痛、頻繁で噴水のような激しい嘔吐を引き起こすことがあります。
 
 
 
4.脾胃虚寒
 
 
 
飲食量が少し多めになると嘔吐してしまったり、嘔吐してしまいそうになります。
 
 
 
増悪緩解を繰り返す特徴があり、食欲不振により食が進まず、胸や胃脘部に痞えを感じます。
 
 
 
その他に、全身倦怠無力感を伴い、重篤になると、腎陽虚を兼ねるようになり、四肢厥冷、水様下痢がみられます。
 
 
 
5.胃陰虚
 
 
 
熱病の後期や肝鬱化火、嘔吐を繰り返すことにより、胃陰を暗耗すると、胃自体が衰弱し、
 
 
 
下に降ろす降濁機能が低下して、上に向かうベクトルが強くなってしまい、嘔吐を引き起こします。
 
 
 
嘔吐物の量はそれほど多くない、嘔吐を繰り返す特徴があります。
 
 
 
時々、乾嘔、悪心もみられ、陰分の不足により、口乾、咽乾となります。
 
 
 
空腹感は出てくるものの、実際に目の前にすると食べたいと思わない、胃脘部の嘈囃感といった症状がみられます。
 
 
 
内傷による嘔吐についてのお話は以上です。
 
 
 
次回は、「胃痛・胃もたれ」についてお話していきたいと思います。
 
 
 
 
【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『症状による中医診断と治療 下』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
『基礎中医学』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
 
 
 
 

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