東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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身体の痒み

 
 

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こんばんは!樫部です。
 
 
 
本日は「身体の痒み」について、お話ししていきたいと思います。
 
 
 
皮膚に掻痒感を自覚して、爪で掻きたくなる症状を「痒み」と定義されています。
 
 
 
 
皮膚掻痒の病位は皮膚の為、直接的に関係する臓腑は「肺 (肺魄)」が想起されます。
 
 
 
しかし、痒みなど感覚刺激を知覚するのは「心」である為、心神が不安定になると痒みの感覚が激しくなる特徴があります。
 
 
 
痒みの弁証分類については、病因が外感によるものと内傷によるものに分けられます。
 
 
 
まずは外感による痒みについてです。
 
 
 
1.風湿、風寒
 
 
 
外邪の侵襲によって肌膚での経気が鬱滞し、邪気が同部位に停滞していると正気とせめぎ合う際に、さらに気血の停滞が起こり、痛痒い感覚を引き起こします。
 
 
 
次に内傷による痒みについてです。
 
 
 
1.湿熱
 
 
 
飲食不節によって湿熱が内生し、湿熱邪が皮毛腠理で鬱滞していると、熱化して風を生じます。
 
 
 
その湿熱と内風を内から疏泄したり、外に発散出来ないでいると、皮毛腠理にこもってしまい痒みを引き起こします。
 
 
 
動風すると心火が助長され、血熱が皮膚を襲うと激しい痒みを引き起こします。
 
 
 
この場合、高温多湿、飲酒や辛辣物、脂物、甘味など湿熱を助長するものによって増悪します。
 
 
 
湿邪がきついほど患部がジュクジュクし、皮膚を掻いた際の肌汁の性状を問うことで湿と熱の比重を大まかに捉えることが出来ます。
 
 
 
熱がきつければ、色が濃くて、臭いもきつくなり、粘調性が高い特徴があります。
 
 
 
2.血熱
 
情志が鬱々として気が晴れない状態となったり、精神的に緊張がきつくなると、五志化火して血熱が内蘊し、化火生風して痒みを引き起こします。
 
 
 
夜中に痒みが増悪し、掻いて出血することで清熱されると痒みが緩解する特徴があります。
 
 
 
3.血虚
 
肝腎が弱ると陰血不足となり、皮膚を濡養できず、乾燥して痒みを引き起こします。
 
 
 
4.陰虚内熱
 
 
 
この場合、夕方~夜間に痒みが増悪しやすく、肉体疲労で悪化する特徴があります。
 
 
 
5.瘀血
 
 
 
この場合は、肌膚甲錯や皮膚の色素沈着がみられます。
 
 
 
痒みの弁証分類については、以上です。
 
 
 
次回は、「皮膚掻痒」の弁証分類について、お話ししていきたいと思います。
 
 
 
 
つづく
 
 
 
【参考文献】
 
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『症状による中医診断と治療 下』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
『基礎中医学』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
 
 
 
 

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こんばんは!樫部です。
 
 
 
本日は前回の続きとして、腹痛の弁証分類についてお話ししていきます。
 
 
 
 
 
 
腹痛の弁証分類は主に4つに分類でき、4つ目の弁証分類についてです。
 
 
 
4.実痛
 
 
 
この場合、さらに次の3つに分類することが出来ます。
 
 
 
①気滞
 
 
 
情志失調により、怒ったり、感情が鬱したりすることで、肝気の条達がのびやかでなくなり、
 
 
 
肝気が横逆し、気機鬱滞して逆乱し、脾胃の気を阻害して腹痛を引き起こします。
 
 
 
痛みは、遊走性の脹痛といった特徴を持ちます。
 
 
 
この場合、怒りや悩みといった情緒の変化によって痛みが増減します。
 
 
 
その他の症状として、胸脇脹満、少腹部に引きつる痛みを伴うことがあり、
 
 
 
げっぷ、失気を出すと痛みが軽減する特徴があります。
 
 
 
②瘀血
 
 
 
気滞血瘀、寒凝血瘀、湿熱血瘀により、経脈が不通となり、腹痛を発症します。
 
 
 
この場合、腹部に固定性の刺痛がみられます。
 
 
 
夜間に増悪しやすく、拒按であり、日にちが経過しても腹痛が軽減しない特徴があります。
 
 
 
③食滞
 
 
 
暴飲暴食、脂物、辛い物の多食、不衛生なものの飲食によって脾胃が損傷し、食物が停滞し運化されなくなったことで腑気が通じなくなり、腹痛を発症します。
 
 
 
この場合、脘腹部が膨満し、疼く痛みがみられます。
 
 
 
拒按で、他にも呑酸、口臭、厭食といった症状がみられます。
 
 
 
腹痛についてのお話は以上です。
 
 
 
次回は「身体の痒み」について、お話ししていきたいと思います。
 
 
 
 
【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『症状による中医診断と治療 下』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
『基礎中医学』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
 
 
 
 
 

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