東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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疲れやすい

 

 

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こんばんは!樫部です。

 

 

 

本日は「疲れやすさ」について、お話ししていきたいと思います。

 

 

 

精神的、肉体的な疲労感を「疲乏」といいます。

 

 

 

「疲れやすい」という表現には「神疲」「乏力」の2種類があります。

 

 

 

神疲は、精神的に萎えることで、精神力の欠如を指します。

 

 

 

乏力は、肉体的に倦怠することで、体力の欠如を指します。

 

 

 

「疲れやすい」という場合、このいずれか、または両方に該当するのかを問診ではっきりさせていきます。

 

 

 

そのためには、患者の生活習慣、仕事内容、肉体的・精神的負荷の程度、趣味などを絡めて問診していきます。

 

 

 

「一日中しんどいんです」という訴えがあったとしても、「休日はスポーツをするし、身体を動かした後はスッキリして、元気が出てくる」ということであれば、

 

 

 

神疲であり、仕事場での精神的負荷が原因で気の停滞が起こっているものと判断する材料となります。

 

 

 

肉体労働者で「朝は元気だけど、夕方18時頃から横になりたくなるくらい、しんどくなる」という場合はどうでしょう?

 

 

 

この場合は、乏力で、労倦による気虚の可能性が出てきます。

 

 

 

「朝しんどい」という訴えがあった場合、活動してしばらくすると倦怠感がとれてくるのであれば、

 

 

 

気虚ではなく、睡眠という安静状態が一定の気血の停滞を引き起こしたことで生じたものと判断出来ます。

 

 

 

疲乏の弁証分類は、主に4つあり、全て病因は内傷に分類されます。

 

 

 

1.暑耗肺胃気陰

 

 

 

暑邪の発泄する性質により、気や津液を消耗して生じます。

 

 

 

盛夏の暑熱の時期に起こりやすく、元気が出ない、全身の無力倦怠感、息切れ、懶言、身熱、発汗、心煩、口渇、食欲不振、軟便がみられます。

 

 

 

2.脾虚湿困

 

 

 

疲労や飲食不節により脾が虚し、脾の運化が低下して水湿が停滞すると、

 

 

 

湿邪の重濁性により、清陽が上昇できず、全身の疲労・倦怠・無力感が生じます。

 

 

 

夏から秋によくみられる特徴があります。

 

 

 

この場合、倦怠感、懶言、身重、口苦、口乾、軽度の寒気、胸腹部が脹って苦しい、食欲低下、尿量が少ないといった症状がみられます。

 

 

 

3.気血両虚

 

 

 

先天不足、病後、慢性病などで気血が不足し、栄養状態が低下して生じます。

 

 

 

疲労倦怠感、息切れ、懶言、声に力が無い、眩暈、不眠、自汗、動悸、手足の痺れ、顔に艶が無いといった症状がみられます。

 

 

 

また、北辰会方式では、肝鬱気滞による疲乏についても弁別します。

 

 

 

なかには心神に問題があることで、実際には疲れる要因がなくても「疲れやすい」と訴える場合もあります。

 

 

 

肝鬱や心神に問題がある場合は、疲れてやる気が出ない、善太息、倦怠感、漠然とした不安感や鬱々とした患者に支配されるといった症状がみられ、

 

 

 

何か楽しいことをして気が紛れると、疲れを感じなくなる特徴があります。

 

 

 

疲乏についてのお話は、以上です。

 

 

 

次回は「先天性の異常がある」ことについて、お話ししていきたいと思います。

 

 

 

 

 

【参考文献】

『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』

藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房

 

『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』

藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房

 

『症状による中医診断と治療 下』

神戸中医学研究会、燎原書店

 

『基礎中医学』

神戸中医学研究会、燎原書店

 

 

 

 

 

 

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痔がある

 

 

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こんばんは!樫部です。

 

 

 

本日は「痔」について、お話ししていきたいと思います。

 

 

 

「痔」は、直腸末端および肛門のところで、血脈が瘀結し小腫瘤を形成し、出血、疼痛、脱出を伴う症状のことを指します。

 

 

 

内痔核、外痔核を合わせて、肛門生痔と呼びます。

 

 

 

内痔は、直腸と肛門皮膚の境界線より上方に出来る痔を指し、

 

 

 

外痔は、直腸と肛門皮膚の境界線より下方に出来る痔を指します。

 

 

 

脱肛は、肛門が脱出することをいい、

 

 

 

肛漏・肛瘻は、肛門周囲の膿瘍が潰破したのちに創口が癒合しないか、反復して膿瘍が生じ、膿や浸出物が漏出する状態を指します。

 

 

 

肛門生痔の弁証分類は次の通りです。

 

 

 

病因は、外感、内傷の両方がみられ、合わせて4つに分類されます。

 

 

 

まずは外感により起きる肛門生痔についてです。

 

 

 

1.風火燥結

 

 

 

風火燥熱の外邪を感受し、肛門で結して痔になります。

 

 

 

排便時に痔核が脱出して血が滴下したり、勢いよく放射したりします。

 

 

 

痔周辺に灼熱感があり、痛みを伴います。

 

 

 

お通じは、便秘しやすく、出ても硬くて兎糞状であり、排便困難といった特徴をもっています。

 

 

 

次に内傷による肛門生痔についてです。

 

 

 

2.湿熱蘊熱

 

 

 

飲食不節によって湿熱が内生し、湿熱が大腸に蘊結すると、血脈が失調して瘀結し、痔となります。

 

 

 

排便時に痔核が脱出して、滴下性の出血がみられます。

 

 

 

肛門が下墜するように脹って灼熱感を伴い、排便がスッキリできず、裏急後重します。

 

 

 

3.気滞瘀血

 

 

 

長時間座っていたり、立っていたり、力む動作を繰り返していたり、肝気鬱結して肛門部で気血が瘀結して、痔を形成します。

 

 

 

排便時に痔核が脱出して出血量が多く、肛門が下墜するように痛み、

 

 

 

内外痔核の腫大のために排便が困難で残便感や腹脹を伴います。

 

 

 

4.気虚下陥

 

 

 

出血が長期に及び、気血ご損耗したり、加齢や房労過度で脾腎が弱り、中気が不足して、固摂低下により肛門に痔が出来ます。

 

 

 

排便ときに痔核が脱出するので、手で押し込む必要がある。

 

 

 

時に出血や脱肛を伴い、排便する力が弱く、力むと息切れや倦怠感が出る特徴があります。

 

 

 

痔についてのお話は以上です。

 

 

 

次回は「疲れやすい」ことについて、お話ししていきたいと思います。

 

 

 

 

【参考文献】

『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』

藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房

 

『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』

藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房

 

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『基礎中医学』

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