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こんばんは 浅田です
先日、無性に牡蠣を食べたくなり、新宿のオイスターバーへ行きました。
牡蠣を口にした瞬間、「あーこれこれ、身体はこれを欲してた」という感覚が身体に走りました。
凝ってるところを揉んでもらっている時のような「あーそこそこ、そこを揉んでもらいたかった」みたいな感覚です。
『中医臨床のための中薬学』によると、「牡蠣」の性質、効能は、
・分類
安神薬
・性味
鹹、渋、微寒
・帰経
肝、胆、腎
・効能
鎮驚安神
益陰潜陽
収斂固脱
軟堅散結
と書いてあります。
心神不寧、熱病傷陰、虚風内動、肝陽上亢などの状態の人には有効だということがわかります。
牡蠣を欲していたということは、身体が上記の状態になっていたのかもしれません。
今回私が「牡蠣食べたいー」となったのは、寝不足、仕事後に加え、春分前でした。
どんな時に何を食べたくなるかは、その人の心身の状態によって様々です。
よく食べたくなる物、好物を問診することは、病態を把握する上で重要になってきます。
オイスターバーがあちこちにあり、どの店も繁盛しているということは、牡蠣の効能である寧心安神、滋陰清熱を求めている人が多いのかもしれませんね。
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こんばんは 浅田です
前回までのお話
参照
今回は、『新古方薬嚢(荒木性次(朴庵)著)』に書かれている芍薬について。
院長ブログ参照
『新古方薬嚢』は方術信和会が刊行しており、古方漢方の勉強会「朴庵塾」の教材となっています。
一般書店で通常販売はしていないのですが、「朴庵塾」で15,000円で購入できます。
では、さっそくいきます、
荒木性次(朴庵)先生の考える芍薬
芍薬は大きく分けて、大和芍薬と朝鮮芍薬があります。
〇大和芍薬の特徴
・質稍柔潤
・外面に皺あり時を経るもカチカチにならず
・微弱の香りと少しく甘澁の味あり
〇朝鮮芍薬の特徴
・全根を用ふ
・形状不動にして著しく痩せたものあり
・外面帶紫褐色或は帶黑褐色
・内部は純白にして特に紫色を帯ぶ
・質柔潤にして剉み易し
・味は始め微に甘くして後苦く
・香氣は邦産に比して甚だ高し
朴庵先生の経験では、どこの産地の芍薬でも使えるそうです。
しかし、吉益東洞先生は「邦山地の山芍薬は、根っこが朝鮮芍薬に似ている為、イケナイ」と言っているそうです。
吉益東洞先生は、山芍薬と、朝鮮芍薬に対しては否定的だったそうです。
院長ブログ参照
朴庵先生は、『神農本草経』と『薬徴』に重きを置いていたそうで、この2冊に書いてある効用が、『新古方薬嚢』に転記してあります。
『神農本草経』に書かれている効用、効能については、
参照
『薬徴(吉益東洞著)』には、
「芍薬は、結實して拘攣するを主治し、傍ら腹痛、頭痛、身體不仁、疼痛、腹滿、咳逆、下利、腫膿を治す」と。
※“結實”とは、凝りの事
※“拘孿”とは、引かれ引きつられる事(朴庵先生の解説)
朴庵先生は、「芍薬は弛みを引き締め、痛みを除く効果がある」と言っています。
朴庵先生が芍薬を主薬として使用している方剤は、芍薬甘草湯と、桂枝加芍薬湯(桂枝湯の芍薬の量が倍になった方剤)しか紹介されていません。
しかし、「芍薬は桂枝の陽に対して、陰的な存在であり、血を内へ引き込む働きがある」と述べており、脇役として多くの方剤に入っています。
以上、『新古方薬嚢』に書かれている芍薬でした。
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2013.09.12
2013.11.14
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