東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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唇裂(しんれつ)とは

 

 

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こんばんは!樫部です。
 
 
 
本日は、「唇裂(しんれつ)」について、お話していきたいと思います。
 
 
 
唇裂とは、口唇が乾燥して皸裂することを指します。
 
※皸…音:クン、キン、訓:あかぎれ、ひび
 
 
 
「唇焦」は口唇の乾燥であり、唇裂と病因病理が同じであるため、唇裂と合わせて述べていきたいと思います。
 
 
 
弁証分類は主に次の2つです。
 
 
 
1.脾胃実熱の唇裂
 
 
 
熱邪が裏に入ったり、辛辣なものや脂物をを多食することが主な原因となります。
 
 
 
口唇は脾の外候であり、足の陽明胃経は口を挟み口唇をめぐるため、脾胃実熱で口唇が滋養されないと発生します。
 
 
 
口唇の発赤、膨張に加えて、激しい口渇があるので水分を飲みたがります。
 
 
 
また、多食してもすぐにお腹が空いてしまい飢餓感がある、口臭、便秘といった陽明実熱の症候を伴います。
 
 
 
脈は洪大あるいは滑数あるいは沈実、舌質紅、舌苔黄厚を呈します。
 
 
 
治法は、清泄脾胃実熱を用います。
 
 
 
2.陰虚火旺の唇裂
 
 
 
急性の熱病で陰液が消耗したり、五志過極で化火したために傷陰したり、温燥の薬物を服用しすぎて傷陰し、陰虚火旺となって火炎が口を灼いて発生します。
 
 
 
特徴は、頬部紅潮、口唇の発赤、潮熱、盗汗、イライラ、不眠がみられ、舌質紅、脈細数などの陰虚内熱の症状を呈することです。
 
 
 
治法は、滋陰清熱を用います。
 
 
 
上記2つの証は、ともに熱証に属しますが、虚熱と実熱の違いがあります。
 
 
 
 
 
【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『症状による中医診断と治療 上』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
『基礎中医学』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
 
 
 
 
 

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こんばんは!樫部です。
 
 
 
本日は「胃脘痛」の続きで「肝火犯胃と胃陰虚の胃脘痛」について、お話していきたいと思います。
 
 
 
前回のお話はこちら!
 
 
 
いずれも熱証で、口乾、便秘、舌質紅、脈数などがみられる特徴がありますが、病因病理が異なります。
 
 
 
まずは肝火犯胃の胃脘痛についてです。
 
 
 
情緒の抑うつによる肝鬱化火、辛辣物や味が濃い食物の嗜好による胃熱、温熱性薬物の通用による胃熱、六淫の邪の化熱入裏などにより、火熱が脈絡を壅阻して気血を失調させて生じます。
 
 
 
心窩部の強い灼熱性疼痛、圧痛あり、寒冷を好み温暖を嫌う特徴を持ちます。
 
 
 
その他にも胃のムカつき、呑酸、口乾、口苦、イライラ、易怒、便秘、尿が濃い、舌質紅、舌苔黄、脈弦数がみられます。
 
 
 
ポイントは、急性の激しい痛みか、口渇があって水分を欲しがるか顔面紅潮、目の充血、呼吸が粗いなど実熱症候がみられるかどうかです。
 
 
 
治法は、泄熱解鬱を用います。
 
 
 
次に胃陰虚の胃脘痛についてです。
 
 
 
慢性の胃病による陰血の消耗、熱性病による津液の消耗などにより胃が濡養されず脈絡が拘急するために生じます。
 
 
 
心窩部に灼熱性の痛みがあるも、こちらの場合は鈍痛です。
 
 
 
その他にも、口や口唇の乾燥、飢餓感、胸焼け、空腹感があるが食べたいと思わない、乾嘔、しゃっくり、硬い便、舌質紅で乾燥、舌苔少あるいは無苔、脈弦細あるいは弦細数がみられます。
 
 
 
ポイントは、慢性的で鈍い痛みか、口が乾いていても水分を欲さない、手足のほてり、舌質紅で乾燥、舌苔少あるいは無苔、脈細数等、陰虚症候がみられることです。
 
 
 
治法は、和胃益陰を主に理気で補佐していきます。
 
 
 
つづく
 
 
 
 
 
【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『症状による中医診断と治療 上』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
『基礎中医学』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
 
 
 
 
 
 

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