東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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南部鉄器の昔と今

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こんばんは!樫部です。

 

 

 

本日も前回のお話の続きをしていきたいと思います。

 

前回のお話はこちら

 

 

 

鉄瓶で沸かしたお湯は軟らかく、まろやかで、お茶を煎れると確かに美味しい気がしますね♪:*

 

 

 

本日は、南部鉄器の歴史についてお話ししていきたいと思います。

 

 

 

南部鉄器の「南部釜」「南部鉄瓶」という名称は、南部藩(現在の岩手県盛岡市)内で作られた釜や鉄瓶を示しているそうです。

 

 

 

江戸幕府が成立した頃、茶の湯に造詣の深かった28代南部藩主が、自藩から良質の鉄が産出するのに着目し、茶の湯釜の制作を思い立ったそうです。

 

 

 

そこで、京都出身の釜師を召し抱え、茶の湯釜を作らせたのが南部釜の起源だそうです。

 

 

 

『さらに使い勝手のよい湯沸かしを』と考えられ、創作されたのが南部鉄瓶の始まりだそうです。

 

 

 

明治以降では、南部鉄器は海外の万国博覧会などにも出展され、高い評価を得ており、

 

 

 

世界に誇る伝統工芸品となり、国からも伝統工芸品 第1号の指定を受けています。

 

 

 

第二次大戦中は、お寺の梵鐘等と同様に、軍需関連品以外の製造が禁止された為、150人いた職人も、わずか16人にまで減ってしまったそうです。

 

 

 

戦後は、プロパンガスの普及や生活様式の変化、アルミ製品の登場により、鉄瓶は少しずつ家庭から姿を消してしまいましたが、

 

 

 

近年では、茶道具などの伝統工芸品はもちろんのこと、実用的な調理器具としての鉄器の良さが見直されてきており、海外での人気も高まっているそうです。

 

 

 

そんな鉄瓶ですが…

 

 

 

実は裏側と表側があるそうです。

 

 

 

茶の湯の考え方を引き継いでいる為、表を客人に向けて置くのが正しい置き方だそうですが…

 

 

DSC_0327_1_1

※掲載写真:全て本人撮影

(a)↑

 

 

DSC_0328_1_1

(b)↑

 

 

 

 

(a)(b)、どちらが正しい置き方でしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

正解は、(a)です。

 

 

 

客人の前で鉄瓶のつるを右手で持って注ぐことを想定しているそうです。

 

 

 

そうすると、客人から鑑賞される面が表だそうです。

 

 

 

つまり、客人にとって注ぎ口が右手に見える面が表であり、その面に絵柄や文字などの文様が施されていることが多いそうです。

 

 

南部鉄瓶を入手してから1か月経過しようとしていますが、今では生活の一部となりつつあります。

 

 

物の歴史や意味について知ると、より一層愛着が湧いてきますね。

 

 

ご自宅の湯沸かしに、おひとついかがでしょうか?

 

 

 

 

 

【参考文献】

 

『南部鉄器 (伝統的工芸品シリーズ)』 堀江 皓、理工学社

 

『創業明治41年 釜浅商店の「料理道具」案内』 熊澤 大介、PHP研究所

 

 

 

 

 

 

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こんばんは!樫部です。

 

 

 

本日は前回の続きのお話をしていきたいと思います。

 

前回のお話はこちら

 

 

 

なぜ南部鉄器は、代々受け継がれ、現在も使い続けられているのでしょうか?

 

 

 

その理由の一つとしては、この道具を使って調理をすることで、栄養分を付加できるそうなんです。

 

 

 

鋳鉄類の鍋や鉄器を使って茶を沸かしたり、食物を煮ると、

 

 

 

純度の高い鉄器は加熱中に二価鉄イオンが放出され、調理された飲食物を通して鉄分を摂取出来るそうなんです。

 

 

 

日本の100歳になる高齢者が多く住む地域では、鉄器を使う習慣を持っていることが多く、長生きの秘訣の一つではないかと研究もされているそうで、

 

 

 

鉄器を使用している100歳前後の高齢者の多数が貧血症状を示していないという統計もあるとのことです。

 

 

 

鉄瓶で湯を沸かすと、鉄瓶が水中の塩化物イオンを吸収し、湯の中に鉄イオンを放出するという性質があります。

 

 

 

この現象により、口当たりがよく、さまざまな茶を淹れるのに適すようになるそうです。

 

 

 

また、鉄瓶で湯を沸かすと、ステンレス等のヤカンとは違い高温を保ちながら加熱できる為、水質を軟化させ、水を甘く、口当たりを豊かにして、お茶をさらにおいしくする効果があるそうです。

 

 

 

 

つづく

 

 

 

【参考文献】

 

『南部鉄器 (伝統的工芸品シリーズ)』 堀江 皓、理工学社

 

『創業明治41年 釜浅商店の「料理道具」案内』 熊澤 大介、PHP研究所

 

 

 

 

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