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こんばんは、森岡です(^_^)
前回までのお話・・・
相撲と東洋医学(その1)
相撲と東洋医学(その2)
相撲と東洋医学(その3)
続き行きます!!
行司さんが発する掛け声「はっけ(き)よい」にも、当然、東洋思想が組み込まれています。
有力な説として2つあります。
1つは、「発気揚揚(はっきようよう)」説で、もう1つは、「八卦(はっけ・はっか)良い」説です。
「発気揚揚」説
発気揚揚という言葉が、つまって「はっきよい」となったという説です。
発気は「気を発すること」で、揚揚は「得意げなさま」を表す言葉です。
転じて、「もっと気を発して戦え、気を充実させろ」という力士に奮起を促す意味で、使われています。
「気」の思想が、一般的に普及していたことが伺えますね。
また、「気」が人間の
動きや強さを左右する要素
だと認識されていたんですね。
もう1つ、「声」によって、「気」に変化を起こすというのも、興味深いですね~。
「八卦良い」説
「当たるも八卦、当たらぬも八卦」ということわざは、皆様にもなじみのあるものであると思います。
この「八卦」は、以前、少しお話した「易(えき)」における言葉です。
勉強会に行ってきました! 参照
古来、人々は「無」から「有」が生じると考えていました。
それを「易」では、太極(無)から両儀(陰陽)を生じると記されています。
両儀(陰陽)を、さらに陰陽でわけると、四象(陽中の陰とか陰中の陰とかですね)が生じるとしています。
さらにさらに、四象を陰陽でわけると「八卦」が生じます。
この「八卦」は、
万物の普遍的現象を具体的に表している8つの基本形
であります。
この8つは、
「乾・兌・離・震・巽・坎・艮・坤」
と表されます。
順に、
「けん・だ・り・しん・そん・かん・ごん・こん」
と読みます。
それぞれの示す意味は、順に、
「天・沢・火・雷・風・水・山・地」
となります。
乾坤一擲(けんこんいってき)という言葉がありますが、そのもとは「易」の乾と坤(天と地)からきています。
「易」では、この8つの基本形を、さらに複雑に組み合わせることにより、この世の全ての変化を表現しようとしたわけです。
つまり、「はっけよい」は「八卦良い」であり、全ての準備が整い、真剣勝負の場が出来上がった事を意味します。
また、相撲は古来、「天下泰平・五穀豊穣を祈る祭り事」であったことは、これまでに述べています。
ですから、勝敗がどの様に転んでも、「良い八卦となりますように」との願いも、込められていたのではないでしょうか。
この様に、国技・相撲には、東洋思想がふんだんに散りばめられています。
他にも、行司さんの軍配は月と太陽を象徴しているとか、まだまだあります(笑)
つまり国として、根底に東洋思想が根付いていた訳です。
現在、日本がこれだけ迷走をきわめている理由の一つとして、
日本という国の、根底にある思想がほぼ無いことも、挙げられるのではないでしょうか。
次回まとめです。
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こんばんは、森岡です(^_^)
前回までのお話・・・
相撲と東洋医学(その1)
では続き行きます!!
古代日本では「円=天」とし、天に神霊の意があるとしました。
一方、「方(四角)=地」とし、地において神霊の意を引き継ぐとしていました。
これを、「天円地方思想」と言いいます。
この思想を引き継いだものの代表例として、古墳があります。
特に、「前方後円墳」は、その最たるものです。
また、天皇の即位式で使われる玉座(高御坐)は、上円下方墳です。
これは、天に昇った先王(代)の霊を、地において受け継ぐことを宣言する。
といった、まさに「天円地方思想」を、そのままかたどった様式で行われます。
また風水では、「天円地方」の地方をピックアップし形骸化したものでもあります。
そして、日本の国技、相撲もこの「天円地方思想」の影響を色濃く受けています。
相撲の土俵は、四角の土壇を造り、その上に俵で土俵となる円を造ります。
(もうお分かりですよね。)
この場合、天と地が離れず、一緒になっています。
ということは、天の神様が仮の姿として力士の肉体(地)を借り、勝負事を行っていたと考えられますよね。
ですから古来、相撲は天下泰平・子孫繁栄・五穀豊穣などを祈り、その土地の神様を鎮めるための「祭り事」として位置してきました。
そのような点から、相撲では勝ち負けより、相手を敬ったり、所作・礼儀の点に重きを置くことにも頷けます。
相撲は神事である所以です。
次回に続く。
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