東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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痰飲病機⑫

 

 

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こんばんは。齋藤です。

 

 

前回の続きです。

 

 

前回の話はコチラ

 

 

せっかくなので、三焦の働きについて、もう少し書いていこうと思います。

 

 

全身にくまなく分布している三焦ですが、上焦・中焦・下焦と区分することができ、以下の様な働きがあります。

 

 

【上焦】

胸腔で、心臓や肺のある横隔膜よりも上の部分を指します。

 

 

 

心、肺があるため、呼吸や血脈を主り、精気を全身に巡らせ、肌肉を温養し、腠理を通調し、「上焦如霧」と表現されます。

 

 

 

中焦から運ばれてきた、水穀の精気を宣散作用により、全身に散布するわけですが、その全身に散布され広がる様が霧が全身に一様に広がる様であることから、このように例えられています。

 

 

【中焦】

横隔膜から臍の間を指します。

 

 

上腹部と考えた方が分かりやすいですかね。

 

 

 

上腹部には、肝胆・脾胃が存在しており、「中焦如漚」と表現されます。

 

 

 

「漚」は、「長い間水につける、腐敗させ熟させる」という意味です。

 

 

 

脾胃が飲食物を消化して、変化させる働きを表した言葉になります。

 

 

 

【下焦】

臍から下を指します。

 

 

 

いわゆる、下腹部ですね。

 

 

 

ここには、腎、膀胱、小腸、大腸が存在しており、「下焦如瀆」と表現されています。

 

 

 

また、下焦から小水、排便が排出されるため、「下焦は出を主る」とも言われています。

 

 

 

「瀆(トク)」とは、「川や溝(どぶ)などの水の通り道」のことを意味します。

 

 

 

大小便を排泄し続ける下焦の働きを、川の水がいつも通りに流れている様子に例えています。

 

 

 

以上で、簡単ではありますが、三焦と水液代謝の関係に関して、終了になります。

 

 

 

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こんばんは!樫部です。
 
 
 
本日は「大便秘結(だいべんひけつ)」について、お話ししていきたいと思います。
 
 
 
大便秘結(だいべんひけつ)とは、糞便が腸管内に停滞し、4〜7日排便がみられないことを指し、「便秘」と簡称されています。
 
 
 
大便秘結(だいべんひけつ)と「大便艱難(だいべんかんなん)」の共通点は、大便が出づらいことですが、概念が異なる為、違いをよく押さえておくことが大切です。
 
※艱(かん)…かたい、むずかしい、なやむ、くるしむの意。
 
 
 
大便艱難(だいべんかんなん)は、便がスムーズに出ないことを指し、一日おきに1回位の頻度の排便になることがあるものの、排便の周期は正常の範囲内である特徴を持ちます。
 
 
 
大便秘結(だいべんひけつ)は、前述した通り、数日間排便がみられないことをいいます。
 
 
 
『傷寒論』の中の「大便難」は、大便秘結を指しており、『素問・至真要大論』の「大便難」や金元時代の「湿秘」は、大便艱難を指しているというように、同じ言葉でも異なる意味を持つことがある為、注意が必要な症候です。
 
 
 
弁証分類型は主に5つあり、次の通りです。
 
 
1.胃腸実熱の大便秘結
 
2.肝脾気滞の大便秘結
 
3.脾肺気虚の大便秘結
 
4.脾腎陽虚の大便秘結
 
5.血虚陰虚の大便秘結
 
 
以上です。
 
 
 
弁証分類の詳細については、次回よりお話ししていきたいと思います。
 
 
 
つづく
 
 
 
 
【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『症状による中医診断と治療 上』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
『基礎中医学』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
 
 
 
 
 

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