東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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眠れない②

 

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こんばんは!樫部です。
 
 
 
本日は前回の続きのお話しをしていきたいと思います。
 
 
 
前回のお話はこちら!
 
 
 
 
5.肝胆鬱熱
 
 
 
悩みや怒り、焦りによって肝鬱化火した邪熱や、飲食不節によって生じた邪熱が肝胆に影響すると、
 
 
 
肝胆に邪熱が鬱滞し、火熱が心神を擾乱して失眠を生じます。
 
 
 
この場合は、浅眠多夢という特徴があり、
 
 
 
イライラ、易怒、胸脇部の脹痛、口苦、善太息というように肝胆の異常を思わせる症状や、
 
 
 
目の充血、尿が濃いという熱所見がみられます。
 
 
 
6.痰熱擾心
 
 
 
脾の運化機能が低下していたり、飲食不節があったり、熱邪が裏に入ったりすると、
 
 
 
痰熱が生じて、心神が擾乱して不眠になります。
 
 
 
この場合も浅眠多夢となりますが、
 
 
 
胸苦しい、痰が多い、眩暈、悪心、吐き気、口粘、口苦といった痰熱を思わせる症状がみられ、鑑別に役立ちます。
 
 
 
7.心火亢盛
 
 
 
極度の心労や煩労によって心陽が高ぶって心火となり、心神が擾乱して不眠となります。
 
 
 
この場合、不眠多夢に加え、動悸、胸中の煩熱、煩躁、口内炎、舌尖のピリピリとした痛みがみられます。
 
 
 
心火が小腸に下注すると、尿黄短赤、排尿痛、排尿困難といった症状もみられます。
 
 
 
8.余熱擾膈
 
 
 
温熱病の後期にみられ、邪熱が取りきれず残っていると、心神を擾乱して不眠を生じます。
 
 
 
この場合は、じっとしていられず寝付けないという特徴があり、
 
 
 
焦燥感、胸の詰まり感、胸焼けもみられます。
 
 
 

院長 関連ブログ

スタッフ 関連ブログ

 
 
 
失眠に関してのお話は以上です。
 
 
 
次回は「食欲不振」について、お話ししていきたいと思います。
 
 
 
 
 
【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『症状による中医診断と治療 下』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
『基礎中医学』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
 
 
 
 
 

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こんばんは!樫部です。

 

 

 

本日は、「眠れない」ことに関して、お話ししていきたいと思います。

 

 

 

眠れないことを東洋医学的には、不得臥、失眠、不寝といいます。

 

 

 

いつも通り眠っているつもりが睡眠時間が減少したり、入眠困難であったり、途中で覚醒してしまったり、一度覚醒すると眠れなくなったり、状態が重篤になると朝まで一睡も出来ない場合を指します。

 

 

 

失眠の弁証分類は、主に8つあり、病因はすべて内傷に分類されています。

 

 

 

1.心陰虚

 

 

 

心陰が虚すと心陽が高ぶり、心神が不寧になります。

 

 

 

なかなか寝つくことができず、眠っても多夢で、すぐに目が覚めてしまう特徴があります。

 

 

 

この場合、動悸、焦燥感といった、心の臓の異常を思わせる症状や、

 

 

 

盗汗、手足のほてり、口咽の乾燥といった陰虚所見がみられます。

 

 

 

2.心腎不交

 

 

 

労倦などにより腎陰が虚し、心と上手く水火の交流ができずに、心陽が高ぶり不眠になります。

 

 

 

入眠困難となり、ひどい場合は一睡も出来ず、寝返りばかり打つ特徴があります。

 

 

 

この場合、健忘、多夢がみられますが、その他に、下記のような腎陰虚を思わせる症状が多くみられるようになります。

 

 

 

頭暈、腰膝酸軟、耳鳴、盗汗、口咽の乾燥、五心煩熱、月経不順、遺精。

 

 

 

3.心脾両虚

 

 

 

思慮過度により、心と脾が弱り、気血の生化が出来ないと、

 

 

 

心脾が保養されない為、心神不寧となり失眠を生じます。

 

 

 

不眠、多夢で覚醒しやすい、途中で覚醒すると寝付けないという特徴があり、健忘がみられます。

 

 

 

心の臓の異常として、動悸がみられ、

 

 

 

脾の臓の異常として、全身倦怠感、食欲不振、食事量の減少、味覚低下、軟便・水様下痢・便秘、

 

 

 

その他に、息切れ、懶言といった気虚所見もみられます。

 

 

 

4.胆気虚(心胆気虚、心胆不寧)

 

 

 

驚きや恐怖によって胆気が損傷すると、決断出来なくなります。

 

 

 

そうなると心気、心神が伸びやかでなくなり、漠然とした恐怖感で入眠出来なくなります。

 

 

 

怖くてなかなか寝付けない、寝ていても驚きやすく、小さな物音でも驚いて起きてしまう特徴があります。

 

 

 

人に捕まえられるような気がする、びくびくする、動悸(驚悸)がみられ、

 

 

 

息切れ、善太息、吐き気とともに苦汁が込み上げる、眩暈感といった症状がみられます。

 

 

 

長くなってしまいそうなので、本日はここまでということで!

 

 

 

次回をお楽しみに!

 

 

 

院長 関連ブログ

スタッフ 関連ブログ

 

 

 

つづく

 

 

 

 

 

【参考文献】

『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』

藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房

 

『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』

藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房

 

『症状による中医診断と治療 下』

神戸中医学研究会、燎原書店

 

『基礎中医学』

神戸中医学研究会、燎原書店

 

 

 

 

 

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