東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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季節湯⑬

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こんばんは。齋藤です。
 
 
 
だいぶ涼しくなってきて、過ごしやすくなってきましたね。
 
 
 
9月に入りましたので、今月の季節湯である、菊湯に関してご紹介したいと思います。
 
 
 
なぜ、9月で菊なのか?という所がまず疑問にあげられますよね。
 
 
 
9月9日は、「重陽の節句」とされており、菊を用いて不老長寿を願うことから別名「菊の節句」と呼ばれています。
 
 
 
このことから、9月は菊となったようです。
 
 
 
重陽の節句に関してはコチラ
 
 
 
一般的には菊湯といえば乾燥した野生に多く分布するリュウノウギクの花を使います。
 
 
 
リュウノウギクの開花は10月~11月なので、重陽の節句には乾燥させたリュウノウギクを使うことが多いです。
 
 
 
もちろん摘みたての生の花を浮かべても構いません。
 
 
 
また食用菊の花びらを浮かべてもいいかもしれません。
 
 
 
菊湯は手軽に楽しめます。
 
 
 
乾燥させた菊を使う場合は、30gほどをお茶パックなどの袋に入れ、2リットルの熱湯をかけて15分ほど蒸らしておきます。
 
 
 
菊の成分と香りがしっかり出たお湯を湯船にいれてよくかき混ぜます。
 
 
 
菊の芳香には、カンフェンなどの精油成分があり、皮膚を刺激して血行を促進し、身体の痛みをやわらげる効果があります。
 
 
 
また保温効果も高く、身体の芯まで温まるので、夏の疲れをほぐすにはピッタリの風呂です。
 
 
 
是非是非お試しあれ!
 
 
 
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こんばんは。齋藤です。

 

 

 

前回、食用菊の話が少し出ましたので、今回はその菊について書いていこうと思います。

 

 

 

まずは歴史から。 菊の原産地は中国で、その歴史は3000年以上前にさかのぼります。

 

 

 

歴史あるお花ですね。

 

 

 

前漢(紀元前206~8年)に書かれた儒教の経書、『礼記(らいき)』に「鞠」という植物が登場しています。

 

 

 

現在使われている「菊」という漢字も「鞠」に由来します。 ちなみに、キクは「菊」を音読みしたもので、散らばった米を一か所に集める様子を示した漢字です。

 

 

 

菊の花びらが、米に見立てられているとされます。

 

 

 

こんな漢字の成り立ちだったんですね。

 

 

 

驚きですよね。

 

 

 

本草書である『神農本草経』には、薬としてその効力が記されています。

 

 

 

なんでも「軽身耐老延年」とあり、健康長寿に効果があると考えられていたようです。

 

 

 

もともと、中国で菊は神聖な力を持つ薬として珍重されていました。

 

 

 

漢時代には、のちに日本に伝わる「重陽の節句」の元となる行事がすでに行われていました。

 

 

 

この行事では菊の香りをつけた菊酒を飲み、健康長寿を祝っていたのです。

 

 

 

菊は8~9世紀の平安時代に中国から伝わったと考えられています。

 

 

 

伝来後、菊は宮中で人気の花となっていきました。

 

 

 

頻繁に詠まれ、『古今和歌集』に菊に関する歌が多く収められています。

 

 

 

薬として、または観賞用として、貴族達の生活に華を添えていたようです。

 

 

 

ただし、奈良時代にはすでに菊は日本に伝わっていたのではないかという説もあります。

 

 

 

確かに、奈良時代に遣唐使によって、当時の中国文化や品物が多く日本に伝えられていました。

 

 

 

その中に菊があっても何も不思議はありませんよね。

 

 

 

日本における菊が食用として本格的に発達したのは江戸時代。

 

 

 

中国から伝来した菊を原型に、苦味を取り除き、花弁を大きくする改良がなされました。

 

 

 

ほのかな香りと、シャキシャキとした食感が特徴です。あの松尾芭蕉も好んで食べたのだそうですよ。

 

 

 

我が家では、マヨネーズと醤油を混ぜたものにつけて食べるのが、習慣でした笑

 

 

 

日本人は昔から、改良や発展させていくのが得意ですよね。

 

 

 

続く

 

 

 

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