東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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煩躁(はんそう)とは⑤

 
 

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こんばんは!樫部です。
 
 
 
本日は前回の続きで「陰虚火旺の煩躁」について、お話していきたいと思います。
 
 
 
陰虚火旺による煩躁は、慢性病による傷陰や、七情内傷、老年の衰弱などによる腎陰不足により、陰虚火旺となり、火熱が心地良い上を上擾して発生します。
 
 
 
特徴は、不眠、動悸、健忘、多夢、腰膝酸軟、潮熱、身熱、頬部紅潮、口唇が赤い、口唇の乾燥、五心煩熱、寝汗、尿が濃い、便が硬い、舌質紅で乾燥、少苔、脈細数などの陰虚内熱の症候が明らかなことです。
 
 
 
治法は、滋陰降火を用います。
 
 
 
以上、7つが煩躁の主な弁証分類でした。
 
 
 
煩躁は、虚実に分かれます。
 
 
 
実証は熱邪、痰火、瘀血によるもので、虚証は陰虚火旺によるものが多いとされています。
 
 
 
ただし、虚実に関わらず、心火に関連して発生します。
 
 
 
心は神を蔵し、神明を思ってたんり、神明が擾乱されることによって煩躁します。
 
 
 
『雑病源流犀燭』には、「煩躁は、心経火熱の病なり」と記載があります。
 
 
 
治法は、清熱瀉火をメインとして、心火が治まると、心神も安寧となり、煩躁が消失していきます。
 
 
 
 
 
 
【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『症状による中医診断と治療 上』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
『基礎中医学』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
 
 
 
 

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こんばんは!樫部です。
 
 
 
本日は前回の続きで、「陽明熱盛と熱入営血の煩躁」について、お話していきたいと思います。
 
 
 
いずれも実熱の症候であり、外感熱病でみられますが、病因病理は異なります。
 
 
 
陽明熱盛の煩躁は、燥熱の邪が内外に充満するか、熱邪が燥屎と結して、腑気が不通となったために生じます。
 
 
 
弁証のポイントは、高熱、口渇、発汗、呼吸が荒い、脈が洪大を呈する、または、便秘、腹が硬く脹って痛む、圧痛が強い、舌苔が黄褐色で重篤になると黒苔や芒刺がみられ、脈が沈実で有力などがみられることがポイントとなります。
 
 
 
治法は、清熱生津、峻下熱結を用います。
 
 
 
次に熱入営血の煩躁についてです。
 
 
 
この場合は、気分証が治癒せず、熱邪が虚に乗じて心営に内陥して発生します。
 
 
 
弁証のポイントは、夜間の発熱がきつい、不眠、発疹、皮下出血、吐血、鼻出血、血尿、血便などの血熱妄行の症状や、手足の筋肉の引き攣りといった肝風内動の症状、口や咽の乾燥感といった傷陰の症状がみられ、舌質は深絳がみられ、脈は細数を呈することがポイントとなります。
 
 
 
治法は、透営転気、清熱涼血を用います。
 
 
 
つづく
 
 
 
 
【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『症状による中医診断と治療 上』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
『基礎中医学』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
 
 
 
 

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