東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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発狂(はっきょう)とは①

 

 

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こんばんは!樫部です。
 
 
 
本日は「発狂」について、お話していきたいと思います。
 
 
 
発狂とは、精神的に異常をきたして、狂乱、不安、妄動、罵言、放歌(まわりをはばからず大声で歌うこと)、高笑(声高く、大声で笑うこと)、喧噪(けんそう:騒がしいこと)などを呈する状態を指します。
 
 
 
弁証分類は主に4つあり、次のとおりです。
 
 
 
1.陽明熱盛の発狂
 
2.肝胆鬱火の発狂
 
3.痰火上擾の発狂
 
4.瘀血内阻の発狂
 
 
 
本日は「痰火上擾と瘀血内阻の発狂」からお話していきたいと思います。
 
 
 
まずは痰火上擾の発狂についてです。
 
 
 
心火、胃火によって津液が濃縮されね痰を生じ、痰と火が結合して心竅を蒙閉して発生します。
 
 
 
弁証のポイントは、急に発狂を発症する、易怒、物を壊す、絶えず罵声奇声をあげる、人に乱暴する、頭痛、不眠、顔面紅潮、目の充血、便秘、舌質紅、舌苔黄膩、脈弦滑で数などを呈することです。
 
 
 
治法は、祛痰降火を用います。
 
 
 
次に瘀血内阻の発狂についてです。
 
 
 
この場合は、熱邪が裏に入って血と結びついて、瘀熱が神明を上擾して発狂を生じます。
 
 
 
弁証のポイントは、狂躁状態、胸がつかえて苦しい、情緒不安定、喋りつづけたり黙りこんだりする、重篤になると1日中喚き散らす、下腹が硬く膨満して疼痛や圧痛がある、舌質紅紫あるいは瘀斑がある、脈沈実で有力などを呈することです。
 
 
 
治法は、瀉熱破瘀を用います。
 
 
 
つづく
 
 
 
 
 
【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『症状による中医診断と治療 上』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
『基礎中医学』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
 
 
 
 
 

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こんばんは!樫部です。
 
 
 
本日は前回の続きで「瘀血擾心と痰湿内阻の語言錯乱」について、お話していきたいと思います。
 
 
 
まずは瘀血擾心の語言錯乱についてです。
 
 
 
『証治匯補』に「婦人月水崩漏過多ありて、血気迷心し、あるいは産後悪露上衝して、言語錯乱す」といった記載があります。
 
 
 
また、『寿世保元』には、「血崩悪露止まず、腹中血刺疼痛し、血滞浮腫し、血は心経に入り、言語顚倒す……」と述べられているとおりです。
 
 
 
瘀血が内結して血の運行を阻害すると、心は血を主り神明を主るため、心神が養われず言語錯乱します。
 
 
 
これは女性に発生することが多いとされています。
 
 
 
弁証のポイントは、語言錯乱は月経期に周期的に起こったり、産後に生じやすく、痛経、経乱、腹痛、舌暗あるいは瘀点がある、脈渋などの瘀血の症候がみられることです。
 
 
 
治法は、活血化瘀を用います。
 
 
 
次に痰湿内阻の語言錯乱についてです。
 
 
 
痰湿の体質や冷たいものを飲んで湿が停滞して痰を生じたり、肝鬱脾滞により湿痰が発生して痰湿が清竅を阻害して神明を障害し、語言錯乱となります。
 
 
 
弁証のポイントは、目眩、悪心、嘔吐、食欲不振、消化不良、胸や腹が張って苦しい、舌苔は白厚膩、舌体は胖、脈濡または滑などの痰湿の症候がみられることです。
 
 
 
治法は、燥湿化痰、辟濁を用います。
 
 
 
 
 
【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『症状による中医診断と治療 上』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
『基礎中医学』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
 
 
 
 
 

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