東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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風邪には葛根湯!?(その1)

こんばんは、森岡です(^_^)


「風邪の初期には葛根湯」

こんなフレーズ、一度は聞いたことありませんか?

以前、患者さんとの会話で、

患者さん 「昨日、風邪っぽかったから葛根湯飲んだんですよ~」

僕     「何で葛根湯を選んだのですか?」

患者さん 「だって風邪の初期には葛根湯って言うでしょ?
            テレビでも言ってたし。副作用もないしね~。」

僕     「・・・(苦笑)」

いつから、どこから、この安易で間違った情報は発生しだしたんでしょうね・・・

まぁ、製薬会社の戦略でしょうけど・・・

確かに葛根湯は優れた漢方薬です。

しかし、あくまで正しい使い方をすればの話です!!

では、どのように正しく使えばいいのでしょうか?

細かい話は難しくなってしまうので抜きにして、一般の方にも分かるように説明すると、

ポイントは、

”発汗の有無”

”寒気の程度”

です。

(専門家の先生は『傷寒論』を読んでいただくとより分かると思います。)

東洋医学では風邪の初期は大きく分けて二つに分けられます。

1.寒気が強く、汗が全く出ないもの。

2.寒気はあまり強くないが、汗がジワジワ出るもの。

(だいぶ簡単に書きましたが・・・)

1のケースの強い寒気のことを、

”悪寒(おかん)”

といい、うなじ~背中にかけてゾクゾクする寒気を強く感じ、

布団をかぶったり、風呂に入ったり、衣服を何枚も着ても、寒さが和らがないというものです。

2のケースのあまり強くない寒気のことを、

”悪風(おふう)”

といい、風が当たったり、衣服がこすれたりすると、うなじ~背中にかけて、

ゾワゾワする軽い寒気を感じたり、嫌な感じがするものをいいます。

”悪風”は意識しないと感じない程度のものもあります。

では葛根湯はどちらに当てはまるのでしょうか・・・?

次回にします(笑)

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現代人に多い熱の発生と治療(その3)

こんばんは、森岡です(^_^)

前回までのお話・・・

現代人に多い熱の発生と治療(その1)

現代人に多い熱の発生と治療(その2)

続き行きます!!

これまでに、「熱邪(火邪)」の発生原因と診断所見についてお話ししてきました。

昨日、学校の同級生が調子が悪いということで治療したのですが、まさに熱の病症でしたね。

それは、風邪から生じた「熱邪」でしたが、それにより、

だるさ・むかつき・呼吸が苦しい・喉の渇き・口の粘り・のぼせ感・便秘などがでていました。

そして、しきりに熱い熱いと言っていました。

やはり目は充血し、顔は紅潮。

皮膚を触ると熱く、汗ばんでおりました。

そこで手足に鍼を打つこと10分。

目の充血・顔の紅潮が引き、発汗も止まっていました。

「今、熱い?」と聞くと、鍼を打ってすぐに涼しくなってきたとのこと。

体が軽くなったと喜んでいました。

鍼すごいですね~。

ということで(前置き長すぎ・・・)、今回は「熱邪」の治療方法です。

この「熱邪」を相手にする時のポイントは、


「位置と深さ」

です。

熱邪が悪さをしている位置が、

体の上の方なのか、真ん中の辺りなのか、下の方なのか。

またそれが、

体の浅い所なのか、深い所なのか、はたまたその間なのか。

これを鑑別し、治療に当たるのです。

では、どうやって鑑別するのでしょうか?

と、その前に、東洋医学的に治療を進めていく時には、その診断治療の物差しとなる、様々な”方法”が存在します。

それを「弁証」と言います。

この「弁証」を病気の性質や状態に合わせ使い分けるのです。

簡単に言えば、小さい魚を獲るときには、小さくて網目の細かい網を使いますよね。

しかし、大きい魚を獲るときには、小さく網目の細かい網ではうまく獲れません。

そこで、大きく頑丈で網目の粗い網を使う訳です。

このように魚の性質・大きさによって網の選択を変えるように、

病気の性質・状態によってそれに見合った「弁証」を選択し、病と戦っていくのです。

これが、東洋医学による治療の核となるところです。

それは西洋医学でも同じで、”骨を折った”という病態なら、

選択される診断法と治療は”レントゲン”であり”ギプス固定”であります。

ここで”胃カメラ”と”胃薬”を選択する医師はいませんよね(笑)

そして、熱邪と戦っていくための「弁証」として選択されるのが、

「衛気営血(えきえいけつ)弁証」「三焦(さんしょう)弁証」

という弁証法です。

聞いたこともない!?なんて鍼灸師さんはいませんよね(汗)

次回に続く。

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