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こんばんは 謝敷です
前回は、顔面神経麻痺の概要についてご紹介しました。
今回は、顔面神経麻痺診療ガイドラインでの鍼灸治療に関する記載について、ご紹介致します。
2023年、顔面神経麻痺診療ガイドラインは12年ぶりに改訂されました。
鍼灸については、以下の2つの臨床上の疑問への回答として、記載がされています。
① 鍼灸は麻痺の早期回復に効果はあるのか(急性期)
② 鍼灸は後遺症の症状を軽減させる効果があるのか(慢性期)
いずれも回答は、“弱く推奨する”とされています。
以前の診療ガイドラインでは、推奨しないとされていた鍼灸ですが、
約10年の間に多くの研究がなされ、急性・慢性共に、
後遺症の軽減に対して、リハビリとあわせ有用である可能性が示唆されるようになりました。
しかし、発症直後から鍼灸が有用!というわけではありません。
発症直後は、まず検査によって重症度の評価が必要となります。
ここで、軽症や中等症と判断された場合は、1~3か月で自然治癒し、後遺症を残さないことも多いです。
しかし、重症(全体の3~40%)と判断されるような場合は、
3~4か月後に後遺症が出る確率が高いため、
初期のステロイドや抗ウイルス薬などの投与が重要となります。
鍼灸はこの麻痺発症の薬物治療と並行しながら、急性期から回復期に実施することが推奨され、
顔面部のこわばりや突っ張り感を緩和できる可能性があることを示唆されています。
顔面神経麻痺診療の流れ
私が研修した大学病院でも、多くの顔面神経麻痺の患者さんが来院されており、
ご自身でのお顔のマッサージや、リハビリテーションに加えて、鍼治療を行っていました。
お顔の変化ということもあり、多くの不安やリハビリの難しさ・面倒さと直面される患者さんにとって
鍼の刺激や、鍼による状態の改善は、リハビリ継続のモチベーションに繋がると同時に、
孤軍奮闘されている気持ちをホッと緩める時間にもなっているように感じられました。
鍼灸師自身も、顔面神経麻痺の基礎知識やリハビリテーションの知識を身につけ、
患者さんに伴奏できることが求められています。
(参考資料)
・日本顔面神経研究会 顔面神経麻痺診療ガイドライン2023
・粕谷大智 顔面神経麻痺診療ガイドライン2023年版における鍼灸の役割と可能性
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsam/73/4/73_277/_pdf/-char/ja
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こんばんは 謝敷です
9月になり急に秋めいてきましたね
さて、前回は、慢性前立腺炎・慢性骨盤痛症候群の概要をご紹介しました。
本日はCochranにおける
慢性前立腺炎・慢性骨盤痛症候群への鍼治療の評価について
ご紹介したいと思います!
鍼治療については、
偽鍼として治療穴と異なる部位を用いた場合や、
薬物治療を行った場合、
灸治療を行った場合と比較し、前立腺炎の症状に対する効果を比較しています。
偽鍼との比較では、韓国、マレーシア、米国、トルコにおいて、
3件245名の外来患者を対象とした研究結果を参照しています。
結果、鍼治療は、偽鍼と比較して、
前立腺の症状(疼痛や排尿症状、QOL等)を減少させましたが、
(NIH-CPSIスコアで-5.79)
性機能障害への効果は、偽鍼と比較して差がなかったと報告しています。
薬物治療との比較は、韓国、中国、トルコにおいて
2件78名の外来患者を対象として研究結果が参照されています。
こちらでは鍼治療に鍼通電も行った結果も含んでいますが、
結果は、偽鍼と同様に、前立腺の症状軽減の効果が認められたと報告しています
(NIH-CPSIスコアで-4.09)(性機能障害に対する検討はされていません)。
灸治療との比較では、鍼治療の方が、前立腺の症状を軽減したと報告しています。
いずれもバイアスリスクなどが指摘され、
エビデンスレベルは中程度と評価されていますが、
有害事象も少なく、
鍼治療は前立腺の症状を臨床的に有意に軽減する可能背があると
結論付けています。
(参考文献)
Cochran Non‐pharmacological interventions for treating chronic prostatitis/chronic pelvic pain syndrome
https://www.cochranelibrary.com/cdsr/doi/10.1002/14651858.CD012551.pub3/full
2013.09.12
2013.11.14
2016.07.20
2016.06.08
2012.02.10
2012.08.24
2016.07.02
2016.04.30
2016.09.13
2016.09.05
2024.10.31
呃逆(あくぎゃく)とは①2024.10.30
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機能性ディスペプシアと鍼灸③2024.10.26
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食事量の調整2024.10.24
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鼻塞(びそく)とは②2024.09.18
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鼻塞(びそく)とは①2024.09.16
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秋の養生2024.09.13
2024あはき実技評価2024.09.12
頭傾(とうけい)とは