東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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耳聾・耳鳴(じろう・じめい)とは④

 

 

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こんばんは!樫部です。
 
 
 
本日は「耳聾・耳鳴」の続きで、「肝血虚の耳聾・耳鳴、腎陰虚と腎陽虚の耳聾・耳鳴」について、お話しいきたいと思います。
 
 
 
前回のお話はこちら
 
 
 
まずは肝血虚の耳聾・耳鳴についてです。
 
 
 
血の不足、大量出血、慢性病による陰血の消耗などで、肝血が不足することで発生します。
 
 
 
特徴は、蝉の鳴き声のような耳鳴と聴力低下がみられ、疲労したり午後になると悪化するということです。
 
 
 
その他にも、目眩、多夢、眼の乾燥感、視力低下、舌質淡、脈細がみられます。
 
 
 
治法は滋補肝血を用います。
 
 
 
次に腎陰虚と腎陽虚の耳聾・耳鳴についてです。
 
 
 
いずれも腎虚によるものであり、難聴が次第に進行して、蝉の鳴き声のような耳鳴が夜間に増強するという特徴を持ちますが、陰虚と陽虚の違いがあります。
 
 
 
腎陰虚の耳聾・耳鳴は、五心煩熱、盗汗、腰膝酸軟、口咽の乾燥感、イライラなどの虚熱の症候をともなうことが特徴です。
 
 
 
その他にも、頭のふらつき、目眩、不眠、遺精、舌質紅、舌苔薄、脈細数がみられます。
 
 
 
治法は滋補腎陰、潜陽を用います。
 
 
 
腎陽虚の耳聾・耳鳴は、寒がる、四肢の冷え、尿量が多い、倦怠感、泥状便、腰膝酸軟、遺精、陽萎(ED)などの虚寒の症候をともなうことが特徴です。
 
 
 
その他にも、顔色が青白い、舌質淡、舌苔薄白、脈細弱がみられます。
 
 
 
治法は温腎壮陽を用います。
 
 
 
つづく
 
 
 
 
 
【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『症状による中医診断と治療 下』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
『基礎中医学』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
 
 
 
 

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こんばんは!樫部です。
 
 
 
本日は前回の続きで「風痰阻結と肝風内動の四肢麻木」、「湿熱鬱阻の四肢麻木」について、お話していきたいと思います。
 
 
 
 
 
まずは「風痰阻結と肝風内動の四肢麻木」についてです。
 
 
 
いずれも四肢の痺れに振戦をともなう特徴を持ちますが、病因病理は異なります。
 
 
 
風痰阻結の四肢麻木は、痰飲が風邪によって動かされ、風痰が経絡を阻害することで引き起こされます。
 
 
 
弁証のポイントは、痺れに掻痒感をともなうことで、振戦をともなう場合もあります。
 
 
 
その他にも、めまい、悪心、嘔吐、痰が多い、背部の重だるさ、舌質やや暗、舌苔白膩、脈弦滑あるいは濡がみられることです。
 
 
 
治法は、祛風化痰を用います。
 
 
 
肝風内動の四肢麻木は、肝火旺の体質のものが喜怒して、内風が生じることで引き起こされます。
 
 
 
弁証のポイントは、しびれとともに明らかな振戦がみられ、頭のふらつき、頭痛、いらいら、易怒、不眠、多夢、舌質暗で少苔、脈弦で有力といった症候がみられることです。
 
 
 
治法は、清肝熄風を用います。
 
 
 
次に「湿熱鬱阻の四肢麻木」についてです。
 
 
 
湿熱が鬱滞して、脈絡を阻塞すると、気血が四肢末端に達することができず、しびれが発生します。
 
 
 
弁証のポイントは、下肢のしびれと同時に灼熱性の疼痛をともない、両足の熱感が強く、冷たい床を踏むと心地よい特徴をもつことです。
 
 
 
この場合、脈は弦数あるいは滑数、舌質暗、舌苔は白黄膩がみられます。
 
 
 
治法は、清熱利湿・通絡を用います。
 
 
 
 
 
【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『症状による中医診断と治療 上』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
『基礎中医学』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
 
 
 
 
 
 

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