東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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耳聾・耳鳴(じろう・じめい)とは③

 

 

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こんばんは!樫部です。
 
 
 
本日は「耳聾・耳鳴」の続きで、「肝火と肝陽上亢の耳聾・耳鳴」について、お話しいきたいと思います。
 
 
 
前回のお話はこちら
 
 
 
いずれも肝胆の病変に属しますが、虚実の点で異なります。
 
 
 
まずは肝火の耳聾・耳鳴についてです。
 
 
 
怒りなどによって肝胆の気が経絡に沿って上逆し、清道を犯すことで引き起こされます。
 
 
 
これは実証に分類されます。
 
 
 
特徴は難聴が重度で音がまったく聞こえなくなり、発症が急激であるということです。
 
 
 
耳鳴の音は、潮騒、雷鳴、鐘の音というように、大きな音がするとされています。
 
 
 
その他に、耳の脹痛、耳塞感、口苦、目の充血、顔面紅潮、咽の渇きといった症状がみられ、
 
 
 
硬便、尿が濃い、舌質紅、舌苔黄、脈数弦がみられます。
 
 
 
治法は清肝瀉火を用います。
 
 
 
次に肝陽上亢の耳聾・耳鳴についてです。
 
 
 
肝腎陰虚で肝陽が上亢することで生じ、この場合は本虚標実です。
 
 
 
特徴は、発症が緩慢であり、難聴、耳鳴に増減があることです。
 
 
 
その他にも、目眩、目の乾燥、目眩、口・咽の渇き、頭が脹って痛む、顔面紅潮、不眠、健忘、腰膝酸軟といった肝陰虚、腎陰虚の症状をともないます。
 
 
 
また、舌質紅で乾燥、脈弦細で数がみられます。
 
 
 
治法は滋陰潜陽を用います。
 
 
 
つづく
 
 
 
 
【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『症状による中医診断と治療 下』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
『基礎中医学』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
 
 
 
 

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こんばんは!樫部です。
 
 
 
本日は「口中生瘡」の続きで、「脾胃積熱と陰虚火旺の口中生瘡」について、お話していきたいと思います。
 
 
 
前回のお話はこちら
 
 
 
いずれも熱証ですが、実熱と虚熱の違いがあります。
 
 
 
まずは脾胃積熱の口中生瘡についてです。
 
 
 
飲食不節、飲食癖、辛いもの、脂っこいものの嗜好により、脾胃に積熱が生じ、脾胃の熱が口に上蒸して、口中生瘡が生じます。
 
 
 
特徴は、口内、唇、舌、歯齦に潰瘍が生じ、潰瘍面が発赤して腫れ、疼痛により食事に差し支えるほどであることです。
 
 
症状が重篤になると、舌、頬部が腫脹します。
 
 
 
口渇して喜冷飲、便秘、尿が濃い、身体の熱感、舌質紅あるいは裂紋あり、舌苔黄、脈は数で有力など、実熱の症候がみられることです。
 
 
 
治法は、清熱瀉火を用います。
 
 
 
次に陰虚火旺の口中生瘡についてです。
 
 
 
睡眠不足、心身の疲労により心陰が次第に消耗したり、熱病の後期の傷陰などで、陰虚火旺が生じて虚火が口に上炎して、口中生瘡が発生します。
 
 
 
特徴は、口内炎が広範囲に広がって、なかなか治癒しなかったり、反復して発生し、
 
 
 
潰瘍面は黄白色を呈して周囲が淡紅色で、腫脹は強くなく、疼痛は日中に軽く夜間に増悪することです。
 
 
 
また、口乾、イライラ、焦燥感、不眠、手足のほてり、舌質紅あるいは裂紋、舌苔少、脈沈細数などの陰虚の症候をともないます。
 
 
 
治法は、滋陰清火であり、苦寒薬を用いてはいけないという重要ポイントがあります。
 
 
 
「苦寒薬」の薬性は、沈降、抑制、乾燥があります。
 
 
 
陰虚である為、乾燥させてはならず、あくまで潤しながら、熱を冷ましていく処置を行います。
 
 
 
 
つづく
 
 
 
 
 
【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『症状による中医診断と治療 上』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
『基礎中医学』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
 
 
 
 
 
 

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