東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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頭痛とは③

 

 

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こんばんは!樫部です。
 
 
 
本日は前回の続きで、「風熱と風湿による頭痛と頭風痛」について、お話していきたいと思います。
 
 
 
前回までのお話はこちら!
 
 
 
外感風熱の頭痛は、外感風寒の化熱や風熱の邪によって生じます。
 
 
 
熱邪は陽邪であり、昇散の性質があるため、頭痛は脹った感じをともない、温めると張り裂けそうに痛む特徴を持ちます。
 
 
 
熱が上方を犯すため、目の充血、顔面紅潮がみられ、風熱が衛気を侵すため、発熱、悪風を引き起こします。
 
 
 
脈浮数、舌尖紅、舌苔が薄黄は風熱の表証であることを示しています。
 
 
 
弁証の際のポイントは、頭が脹ったように痛む、温めると増悪して張り裂けるように痛むことです。
 
 
 
治法は、疏風清熱を用います。脹痛が激しく、口や鼻にびらんが生じる場合は内熱がキツいことを示しているため、清熱瀉火を用います。
 
 
 
外感風湿の頭痛は、風湿の邪が上犯し清竅を蒙閉したことにより生じるため、頭が締めつけられるように重く痛む特徴があります。
 
 
 
『証治匯補・頭痛』に「湿によりて痛むものは、頭重して天陰に甚に転ず」と記載があるように、雨天などで湿度が高くなると頭痛が激しくなります。
 
※蒙(モウ、ボウ)…おおう、くらい、こうむるという意味を持つ。
 
 
 
湿邪の性質は、粘膩であるため、胸中を阻滞して胸苦しい感じが生じ、中焦を侵して胃部膨満、食欲減退があらわれてきます。
 
 
 
脾は四肢を主るため、湿が脾陽を阻害すると、体幹や四肢が重くなります。
 
 
 
湿邪により清濁を泌別する機能が失調すると、尿量が減少し、泥状便、舌苔白膩、脈濡滑となります。
 
 
 
弁証のポイントは、頭痛は締めつけられるように重く痛む特徴があり、雨天に増悪するか否かとなります。
 
 
 
治法は、祛風化湿を用います。
 
 
 
外感の頭痛が慢性化したり、普段から痰熱がある人が風寒の邪を感受すると、外邪が風府から脳に入り「頭風痛」が発生するといわれています。
 
 
 
この場合の頭痛は、何らかのきっかけによって発作的に生じて、大風の吹く前日に発作が起こり、風が吹くと緩解するものもあります。
 
 
 
悩み、怒り、イライラといった精神的変化も頭痛の原因となるため、発症前後で、大きく精神的に負荷が掛かることが無かったかお話をお聞きすることも大切となります。
 
 
 
発作時の頭痛は激烈で、眉間に放散し、目を開けていられず、頭をあげられず、頭皮に痺れを感じる特徴を持ちます。
 
 
 
治法は、疏風止痛を用います。
 
 
 
つづく
 
 
 
 
【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『症状による中医診断と治療 上』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
『基礎中医学』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
 
 
 
 
 

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こんばんは。齋藤です。

 

 

 

前回の続きです。

 

 

 

前回の話はコチラ

 

 

 

前回まで、水液代謝における、腎の働きに関して、書いてきました。

 

 

 

今回から、三焦の働きに関して、書いていこうと思います。

 

 

 

三焦は「名ありて形なし」と言われており、形状が特定しがたいと言われています。

 

 

 

胃や大腸は想像しやすいですけど、三焦っていまいち想像しにくいですよね。

 

 

 

三焦は、「臓腑の外、軀体の内、諸臓を包羅する一腔の大腑なり」とあるように、外は皮毛に内は臓腑器官を包み込み、臓腑器官の間隙を出入し、全身にくまなく分布した膜状の組織で、衛気・津液の通り道とされています。

 

 

 

なので、三焦は、水液などの流通と排泄の器官、流通と排泄の通路です。

 

 

 

また、「三焦は決瀆(けっとく)の官、水道出づ」とあるように、水液代謝との関りが強いです。

 

 

 

水液の運行・代謝は、肺・脾胃・腎・大腸・小腸が協同し、三焦を通じて行われ、「三焦気化」と呼ばれています。

 

 

 

 参考文献

『中医病因病機学』 主編:宋 鷺冰 訳:柴﨑 瑛子 (東洋学術出版社)

『鍼灸・漢方の名医になるための 気血弁証論治学』 編者:神野英明

『中医学ってなんだろう ①人間のしくみ』 著:小金井信宏(東洋学術出版)

『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論編』 監修:藤本蓮風 編著:一般社団法人 北辰会 学術部 (緑書房)

『基礎中医学』編著:神戸中医学研究会 (燎原)

 

 

 

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