東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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機能性ディスペプシアと鍼灸②

 

 

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こんばんは、謝敷です
 
 
 
 
 
あっという間に10月に突入しましたね。
今年も残すところ3か月を切って、きっとこの勢いですぐに年末になってしまうのだろうと思います。
駆け足で過ぎてしまう毎日ですが、唯一無二の1日を、大切に意識したいと思います。
 
 
 
 
 
 
さて、前回は「機能性ディスペプシア」という疾患の概要について、ご紹介致しました。
今日は、診療ガイドラインでの鍼灸の記載についてご紹介致します。
 
 
 
 
ガイドラインでは、
FDの治療として、鍼灸療法は有用か?」という質問を挙げ、以下のような回答をしています。
 
 
 
 
 
・鍼治療は有用であるとの報告がある。
・灸治療については、検討が不十分であり、その効果は不明である。  
 
 
 
 
 
解説では、2014年のCochranレビューや、
同年に24件の研究をまとめたメタアナリシス、
2017年に22件の中国の報告をまとめたメタアナリシスの結果を紹介しています。
 
 
 
 
 
Cochranでは7件(542名)の研究結果から、
薬物治療との比較においては、FDの頻度や症状の程度に有意な効果の差は認められなかったが、
偽鍼との比較では、有意に症状や不安度を改善する可能性があること、
しかしエビデンスレベルは低く、有効性や安全性については、
依然として不明であることを紹介しています。
 
 
 
 
 
24件の報告をまとめたメタアナリシスならびに
22件の報告をまとめたメタアナリシスでは、
共に、薬物治療と比較しても、鍼治療は有意な効果を示したと報告しています。
 
 
 
 
 
 
いずれもエビデンスレベルの低さや、限定的なエビデンスであること等が指摘されていますが、
200名以上の症例を対象とした研究でも、偽鍼治療と比較した際、
食後愁訴症候群の症状を有意に改善したことが報告されていること等から、
診療ガイドラインにおいては、「有用であるとの報告がある」と記載されているようです。
 
 
 
 
 
 
灸については、3件の研究をまとめたメタアナリシスを紹介し、
有効性が示されていなかったとの報告が記載されていますが、
いずれも中国からの報告が主で、詳細は不明としています。
 
 
 
 
 
現時点で、PubMedにてFDと鍼灸を検索してみると、2014年以降、142件の論文が公表されています。
折角ですので、次回は現在のガイドラインで紹介されている論文以降の研究成果をいくつか見てみたいと思います。
 
 
 
 
 
 
(参考資料)
・日本消化器学会「機能性消化管疾患診療ガイドライン2021―機能性ディスペプシア」(改訂第2版)
https://www.jsge.or.jp/committees/guideline/guideline/pdf/fd2021r_.pdf
 
 
 
 
 
 

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こんばんは 謝敷です

 

 

 

 

ここから数回は機能性ディスペプシアと鍼灸についてご紹介したいと思います。

 

 

 

機能性ディスペプシアは、あまり聞きなれない疾患名かと思います。
英語名をFunctional dyspepsiaというため「FD」とも呼ばれています。

 

 

 

過敏性腸症候群という疾患名は聞いたことがある方もいらっしゃると思いますし、
以前、こちらのブログでもご紹介しましたが(→こちら)、
FDは過敏性腸症候群と共に「機能性消化管疾患」に分類される疾患で、
器質的な病変(潰瘍や腫瘍、炎症)等がないにもかかわらず、症状を呈する機能性の疾患の1つです。

 

 

 

 

過敏性腸症候群が、下部消化管(主に大腸)の機能障害であるのに対し、
FDは、上部消化管(主に胃)の機能障害を呈します。

 

 

 

日本人の有病率は、11~17%と報告されており、
上腹部症状を有して病院を受診する患者さんでは約半数ともいわれています。

 

 

 

症状としては、
食後の胃もたれや、少し食べるとすぐに胃が張ってしまい
最後まで食事を食べられないようにといった「食後愁訴症候群」と
みぞおちの痛みや焼けるような感覚を呈する「心窩部痛症候群」の2つに大きく分類されます。

 

 

 

内視鏡所見では問題がないため、かつては「慢性胃炎」として診断されていた疾患ですが、
日本では、2013年に保険病名として収載されました。

 

 

 

FDの原因としては、内臓の知覚過敏や、心理社会的な要因、
遺伝的な要因、感染性胃腸炎の罹患、生活習慣等と多種多様で、
それらが複雑に絡み合っていることも多々あるようです。

 

 

 

 

治療としては、これらの症状が、
ピロリ菌による可能性がある場合は、ピロリ除菌を行いますが、
ピロリ陰性の場合は、胃酸を抑えたり、胃の動きをよくするような薬の他、
アコチアミド(アコファイド)というFDのための薬、
六君子湯といった漢方薬などを処方されることがあります。

 

 

 

来週はガイドラインでの記載ぶりや論文などをご紹介致します。

 

 
 
 
 

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