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科学について(その5)

2010.11.11

こんばんは、松木です。

前回の続きを書いていきます。

科学について(その1)
科学について(その2)
科学について(その3)
科学について(その4)

・反証主義について

帰納主義では、どこまで調べていっても「絶対に〇〇である」とは言えないということが分かりました。

(大きく割愛しましたが、論理実証主義の登場が大きな要因です。気になる方は調べてみて下さい。)

その点では、「科学的」なもの「非科学的」なものの境界はあいまいであります。


そんな中、カール・ポパーという人が

「反証可能性を持つものが、科学である」

という考えを打ち出し、科学と非科学(擬似科学)の違いを明確にしようとしました。


説明しますと、

観察による科学の正当性の証明は、原理的に不可能である事が分かりました。(前回の内容ですね。)

では、観察によって何が分かるかというと、ある理論が誤りであることを証明する(これを反証という)ことだけであります。

つまり、理論というのは反証による検証でしか正しいか誤りかを決められない。

であれば、正当な科学理論が満たすべき基準とは、反証による検証がきちんと行えることと定義しましょう、という考え方です。


例を出して説明します。

「死んだら天国へ行く」

という論は、「誤り」を検証する手段がありません。死んだ後生き返ることは不可能ですから、観察することも検証することも出来ません。
これは反証主義的には、科学的でない論(科学では取り扱えない論)と言えます。

「カラスは黒い」

という論は、黒でないカラスを探すことで、「誤りである」という事ができます。つまり、誤りを検証する手段が存在するわけです。
したがって、これは科学的な論(科学で取り扱える論)と言えます。


要するに、

「間違っていた場合、間違いを確認できる理論」「間違っていた場合でも、間違いを確認できない理論」よりも妥当性が高いだろう、というわけです。

そしてこう定義したことで、「科学理論は、今のところまだ反証されていない仮説にすぎない」ということになります。

まあこれは日々覆されている科学理論を見ていれば明白です。


しかし、この考えにも問題点がありました。

つづく



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