東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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EBMという言葉②

 

 

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こんばんは  謝敷です^^

 

先週はEBMの産声(前編)として、EBMの初出論説にある

 

“疲労を訴え、鉄欠乏性貧血が疑われる70歳男性の診断・治療”についての「従来の方法」までをご紹介しました。

 

 

前回のブログは→こちら

 

 

 

今回はいよいよ、「これからの方法」として“EBM的アプローチ”をご紹介します。

 

 

疲労を訴えるこの男性に、医師はどのようにアプローチするのでしょうか…

 

 

 

**********

 

 

 

「これからの方法」

 

この医師は、まずマイクロコンピューターで(なんと古い響き!)

 

「鉄欠乏性貧血」「感度」「特異度」を調べ、

 

参照となる論文の概要を図書館にFAXし、本文を受け取る。(今ならその場で見れる記事が沢山!!)

 

 

論文を読んで、実施しようとした検査の特徴や

 

自分が参照していた研究所の検査基準が不明瞭であることを知り、

 

必要な項目の検査をオーダーし、論文を活用して、感度と特異度を決定した上で、

 

鉄欠乏性貧血の可能性を検討し、今後の方針を決める。 

 

 

 

**********

 

 

 

 

ほー。

 

 

自身の経験則に従って検査を決めたり、

 

先輩医師の助言によって診断や治療の判断を行うのではなく、

 

論文を調べて、自身で今後の対応を検討しているのですね。

 

 

 

この論説では、最後にDiscussionとして以下のように締めくくっています。

 

 

 

**********

 

 

これまでは教科書や専門家、先輩の意見を聞いて、診断・治療を行ってきた。

 

 

 

しかし、最良の判断を行うため、今後は、これらに加え、EBMの適用が必要であり、

 

そのためには、「文献検索」、「それらの批判的評価」、「情報統合スキル」が重要となる。

 

 

さらに、それらの情報が目の前の患者に適用可能か判断すること、

 

エビデンスがない場合、意思決定のための体系的なアプローチも必要となる。

 

 

**********

 

 

 

 

これがEBMの産声です。

 

 

 

 

19世紀から20世紀の医学も、科学的な探求を基盤としていましたが、

 

それらは生理学や基礎研究に焦点があてられており、

 

診断検査や予後の検討、治療効果といった臨床実践における課題では、

 

医療者の経験や直感、有識者や専門家の意見や書籍が参照されていました。

 

 

 

 

EBMの萌芽は、1980年代以降の臨床疫学として始まっていましたが、

 

臨床上の様々な選択において、

 

科学的検証の重要性と具体的な手段を示したのがEBMであり、

 

医学界に新しい風が吹くこととなったのですね。

 

 

 

ということで、次回は、もう少し具体的にEBMの意味するところや、

 

四半世紀のEBMの歩み(変遷)についてご紹介したいと思います。

 

 

 

 

お付き合いくださり、ありがとうございました!

 

 

 

<参考文献>

・Guyatt GH. Evidence-based medicine. ACP J Club. 1991;114:A–16.

・Djulbegovic B, Guyatt GH. Progress in evidence-based medicine: a quarter century on. Lancet. 2017 Jul 22;390(10092):415-423. doi: 10.1016/S0140-6736(16)31592-6.

・「対談 EBMの意義と役割 EBMの実践に向けて 日野原重明氏・福井次矢氏」医学会新聞 第2363号(https://www.igaku-shoin.co.jp/paper/archive/old/old_article/n1999dir/n2362dir/n2362_12.htm

 
 
 
 

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EBMという言葉①

 

 

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こんばんは☾ 謝敷です

 

 

大学院にて東洋医学のエビデンス形成に取り組んでいることもあり、

 

 

「そもそもEvidence based medicine:EBMとはなにか」、

 

「現在紹介されている鍼灸のエビデンス」

 

 

について、今後、こちらのブログを通してご紹介していきたいと思います!

 

 

と言いましても、私自身、まだまだ勉強中ですので、

誤り等ございましたら、ぜひご教示頂ければと思います。

 

 

実はEBMについては、この清明院スタッフブログにて、すでに14回連載されており、

私もありがたく勉強させて頂きました。

 

エビデンスとはなにか、またそのための研究手法等が分かりやすく連載されています。

過去のEBMブログは→こちら

 

 

 

これから数回は、EBMという言葉の誕生と、

これまでの経緯を振り返りながら、

簡単にEBMの概要について説明させていただこうと思います。

 

 

 

『「EBM(根拠に基づいた医療)」について(その1)』にも記載がありますが、

EBMという言葉が初めて使用されたのは、1991年に発表された論説からのようです

→全文はこちら

 

 

この論説は、以下の小説のような設定から始まります…

 

 

**********

“疲労を主訴とした70歳の男性の診察。

初回検査では、ヘモグロビンの値が90g/L であることが分かり、

医師は「鉄欠乏性貧血」を疑っている。

この医師は今後どのようにこの男性への治療をすすめていくか…“ 

**********

 

 

 

興味深いですね…

 

 

 

そして「これまでの方法」として、以下のような説明が書かれています。

 

**********

この医師は、研修時に見たときの医師と同様に、追加検査を行う。

その結果が「鉄欠乏性貧血」の基準と一致していれば、鉄欠乏性貧血の治療を行い、

矛盾していた場合は、同僚や上司、専門家に聞くか、教科書などを見るなどして、

どのように診断するか検討する…

**********

 

 

 

そのうえで、「これからの方法」として、EBMの実践が紹介されるのです!

 

 

 

EBM的な検討の仕方とは…@v@

 

 

来週につづきます!

 

 

<参考文献>

・Guyatt GH. Evidence-based medicine. ACP J Club. 1991;114:A–16.

 

 

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