東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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心神と睡眠④

 

 

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こんばんは!樫部です。

 

 

 

本日は、「嗜眠・不眠の病因病機」について、お話していきたいと思います。

 

 

嗜睡、嗜臥とは、疲労倦怠感に伴って、昼夜関係なく眠ることをいい、

 

 

嗜眠とも呼ばれ、知らぬ間に寝入ってしまう状態を指します。

 

 

湿困脾土、脾気虚(脾虚湿困)、腎陽虚、腎精不足などで起こります。

 

 

失眠、不寐、不得眠とは、異常な不眠のことをいい、睡眠の病的現象で、常に睡眠が不足することをいいます。

 

 

一時的な精神緊張、悩みごと、住居環境の変化、異常な暑さや寒さなどに起こる不眠は含まれない。

 

 

また、発熱や疼痛、咳嗽、喘息により二次的に起こる不眠は、それぞれの原因に対して処置する。

 

 

西洋医学的な不眠症とは、入眠や安定した睡眠の持続が妨げられることに悩んだり、それが原因となって心神の不調が生じている状態として、単なる不眠とは区別しています。

 

 

東洋医学では、『黄帝内経』に「目不瞑」、「不得眠」、「不得臥」、『難行』に「不寐」、『中蔵経』に「無眠」、『外台秘要』に「不眠」、『聖済総録』に「少睡」、『太平恵民和剤局方』に「少寐」、『雑病広要』に「不睡」といった名称が挙げられています。

 

 

不眠の病因としては、精神的ストレス、飲食の乱れ、肉体疲労、先天的虚弱、房事過多、久病、年老などが挙げられます。

 

 

病機は、実証の場合は、実火(肝火、痰火、心火)による、心神上擾、

 

 

虚証の場合は、陰虚火旺による心神上擾、血虚による心神失養、気虚あるいは脾胃のよわりによる心神不安が挙げられます。

 

 

 

 
 
 
 
 

【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房

『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房

『症状による中医診断と治療 下』
神戸中医学研究会、燎原書店

『基礎中医学』
神戸中医学研究会、燎原書店

 

 

 

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心神と睡眠③

 

 

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こんばんは!樫部です。
 
 
 
本日は前回の続きで「寝付きと夢」について、お話していきたいと思います。
 
 
 
前回までのお話はこちら
 
 
 
寝付きが悪い状態は、主に2パターンあります。
 
 
 
布団に入ってもなかなか入眠できず、かえって煩躁して静かに横になっていられないことを睡臥不寧といいます。
 
 
 
この場合は、布団から出てしばらく床に座り込んだり、戸口に立って風に当たったり、部屋の外に出てしばらく歩き回ったりするような行動がみられ、実証に多くみられます。
 
 
 
それに対して、なかなか入眠出来ないものの、布団に入って静かに横になっていられるのは虚証に多くみられます
 
 
 
その他に、寝付きが悪いことを入眠困難眠りが浅く中途覚醒が多かったり多夢であることを熟眠困難朝早くに目が覚めて再度入眠出来ないことを早朝覚醒一晩中一睡も出来ないことを終夜不眠といいます。
 
 
 
熟睡していると夢をみないか、みていても鮮明でなく覚醒後は忘れてしまいます。
 
 
 
しかし、夢が多かったり、鮮明な夢をみて眠った気がしない、あるいは怖い夢で中途覚醒するといった睡眠状態は病理であるといえます。
 
 
 
日中の活動を終えて睡眠モードに入ろうとすると、精神活動をつかさどる肝魂は自身の家である肝に帰ってきて臓されることで、入眠することができます。
 
 
 
また肝の臓は血を蔵しており、血流量を調節しつつ、心を濡養しています。
 
 
 
肝気が高ぶりすぎて陰的な働きが不足すると、肝魂が肝の臓に帰宅できず、心神も血による濡養不足により不安定となってしまい、
 
 
 
精神が高ぶってしまい、安眠や熟睡出来ないという状態になってしまいます。
 
 
 
多夢は、夢をよくみることで睡眠を妨げられる状態を指します。
 
 
 
夢遊は、眠っている最中に布団から起き上がり、合目的的な行動を起こすもので、寝ぼけの強いものは、まさに肝魂が活発になりすぎている状態といえます。
 
 
 
 
 
 
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【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『症状による中医診断と治療 下』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
『基礎中医学』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
 
 
 
 
 

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