東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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五味⑯

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こんばんは。齋藤です。

 

 

 

あっという間に立冬が過ぎ、暦の上では冬です。

 

 

 

気温も徐々に低下してきていますので、体調管理には十分気を付けてください。

 

 

 

私は既に炬燵を用意した為、自宅では炬燵から離れられず、廃人化しています。笑

 

 

 

それでは前回の続きです。

 

 

 

前回の話はコチラ

 

 

 

今回は、霊枢「九鍼論篇」に記載されている、五味に関する記載に関して、簡単ではありますが、書いていこうと思います。

 

 

 

霊枢「九鍼論篇」では、主に九鍼の起源・名称・形状及び九鍼の適応症と禁忌などを明らかにしています。

 

 

 

原文は以下の通りです。

 

 

 

「五裁。病在筋、無食酸。病在気、無食辛。病在骨、無食鹹。病在血、無食苦。病在肉、無食甘。口嗜而欲食之、不可多也、必自裁也。命日五裁。」

 

 

 

現代語訳は以下の通りです。

 

 

 

「飲食に関する五つの制約があります。

 

 

 

酸味には収斂する性質があり、病が筋にある時には、収斂作用は好ましくないので、酸味を多食してはならない。

 

 

 

辛味には発散する性質があり、病が気にあるときには発散作用は好ましくないので、辛味は多食してはならない。

 

 

 

鹹味には堅いものを軟らかくする性質があり、病が骨にあるときには軟化作用は好ましくないので、鹹味を多食してはならない。

 

 

 

苦味には乾燥させる性質があり、病が血にあるときには乾燥作用は好ましくないので、苦味を多食してはならない。

 

 

 

甘味は塞いで滞らせ湿を助ける性質があり、病が肉にあるときには鬱滞は好ましくないので、甘味を多食してはならない。

 

 

 

もし、好んで食べたいと思っても、多食してはならず、必ず自ら制約して、適当なところで止めなければならない。

 

 

 

これを五裁という。」

 

 

 

病気がある際に制約しなければならない五味を、五行をベースに、五味の作用を絡めて説明されていますね。

 

 

 

以上、長期間に渡り、五味に関する事を書いてきましたが、今回で一旦終了となります。

 

 

 

総括すると、最後に書かれている様に過食しないで、きりのいい所で終わらせられる様にしろということですね。

 

 

 

なかなかそれができないんですけどね。笑

 

 

 

要は中庸が大事ということです。

 

 

 

参考文献

『現代語訳 黄帝内経素問 上巻』 南京中医学院編 石田秀実監訳 (東洋学術出版)

『意釈黄帝内經素問』 小曽戸丈夫+浜田善利共著 (築地出版)

 

 

 

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五味⑮

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こんばんは。齋藤です。

 

 

 

 

前回の続きです。

 

 

 

前回の話はコチラ

 

 

 

今回から、素問「宣明五気篇」に記載されている、五味に関する事を簡単ではありますが、書いていこうと思います。

 

 

 

宣明五気篇は、五行学説を運用し、五臓の気の各方面の関係について説明しています。

 

 

 

例えば五味に関して、「五味所入、酸入肝、辛入肺、苦入心、鹹入腎、甘入脾、是謂五入。」酸は肝(木)に入り、辛は肺(金)に入り、苦は心(火)に入り、鹹は腎(水)に入り、甘は脾(土)に入ると総括されています。

 

 

 

その他にも、五臓の病に対して、禁忌である五味があることを説明していますので、そちらに関して簡単ではありますが、書いていこうと思います。

 

 

 

以下、原文になります。

 

 

 

「五味所禁。辛走気。気病無多食辛。鹹走血。血病無多食鹹。苦走骨。骨病無多食苦。甘走肉。肉病無多食甘。酸走筋。筋病無多食酸。是謂五禁。無令多食。」

 

 

 

現代語訳は以下の通りです。

 

 

 

五臓の病にはそれぞれ禁忌となる気味があります。

辛味は気に赴くので、気病の時には辛味を多食してはならない。

鹹味は血に赴くので、血病の時には鹹味を多食してはならない。

苦味は骨に赴くので、骨病の時には苦味を多食してはならない。

甘味は肉に赴くので、肉病の時には甘味を多食してはならない。

酸味は筋に赴くので、筋病の時には酸味を多食してはならない。

これがいわゆる五禁である。

多食させてはならない。

 

 

 

宣明五気篇は、問答形式ではない為、「論」ではなく「篇」になっています。

 

 

 

 

例えば、辛味は肺の臓との関連が強く、肺の臓は気を主っている為、辛味は気に作用すると考えるのだと思います。

 

 

 

また、鹹味は腎の臓と関連が強く、血は腎精からも作られるため、鹹味は血に作用すると考えるのだと思います。

 

 

 

自分は気の病だ!血の病だ!と自己判断できる人は少ないと思いますので、とにかくバランスよく食べる事が必要ですね。

 

 

 

 

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