東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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七情の異常10

2017.01.17

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こんばんは 浅田です

 

 

 

前回の話

 

七情の異常   七情とは

七情の異常2 善怒とは

七情の異常3 肝鬱気滞による善怒

七情の異常4 肝胆火旺による善怒

七情の異常5 肝脾不和による善怒

七情の異常6   善喜とは

七情の異常7 心火による善喜

七情の異常8 心腎不交による善喜

七情の異常9 心肝火旺による善喜

 

参照

 

 

 

 

今日からは善憂思について

 

 

 

善憂思とは、大したこともないのに、常に思い悩み憂鬱で、気分が晴れないことを言います。

 

 

 

あれこれ過剰に考えてしまう、やる気が出ない、物事から興味がなくなる、おっくうな気持ちになるなど、ココロの異常が出てきます。

 

 

 

いわゆる、うつ病の様な状態です。

 

 

 

ほとんどの善憂思及び、うつ病の始まりは、ココロではなく、身体に出てきます。

 

 

 

うつ病になる前に、不眠や食欲低下、胸苦しさや息切れして呼吸が上手くできないなど、身体に症状が出てくるのはよくあるパターンです。

 

 

 

ココロと身体は密接である証拠ですね。

 

 

 

 

 

ここでは「憂」と「思」の異常をまとめて「善憂思」と考えています。

 

 

 

『素問 陰陽應象大論篇』には、

 

 

 

「中央生濕.濕生土.土生甘.甘生脾.脾生肉.肉生肺.脾主口.其在天爲濕.在地爲土.在體爲肉.在藏爲脾.在色爲黄.在音爲宮.在聲爲歌.在變動爲噦.在竅爲口.在味爲甘.在志爲思思傷脾.怒勝思.濕傷肉.風勝濕.甘傷肉.酸勝甘.」

 

 

 

と書いてあり、

 

 

 

「思」は、思慮・思考のことであり、脾の臓が強く関与しています。

 

 

 

同じく、『素問 陰陽應象大論篇』には、

 

 

 

「西方生燥.燥生金.金生辛.辛生肺.肺生皮毛.皮毛生腎.肺主鼻.其在天爲燥.在地爲金.在體爲皮毛.在藏爲肺.在色爲白.在音爲商.在聲爲哭.在變動爲欬.在竅爲鼻.在味爲辛.在志爲憂憂傷肺.喜勝憂.熱傷皮毛.寒勝熱.辛傷皮毛.苦勝辛.」

 

 

 

とも書いてあり、

 

 

 

「憂」と肺の臓は密接であることがわかります。

 

 

 

 

この「憂」という字の意味が沢山ありイマイチしっくりこないので、字解きをして調べてみました。

 

 

 

そもそも「憂」には、

 

 

 

・気にかける

 

・心配する

 

・悩み

 

・苦しみ

 

・疲れ

 

・穏やかに行われる

 

 

 

という意味があります。

 

 

 

この「憂」を分解して、

 

 

 

「頁」、「心」、「夊」の3つにしてみると、

 

 

 

「頁」は人の頭を表し、

 

「心」は気持ちを表し、

 

「夊」は足跡を表します。

 

 

 

この3つを全て組み合わせると、「沈んだ気持ちで静かに歩く様子」を表し、何かを「気にかける、心配する」という意味になるそうです。

 

 

 

これで、「何かの物事に対して気にして、心配ばかしりていると、肺の臓が傷つけられてしまう」と解釈できます。

 

 

 

 

次回からは、どんな体質で、どんな身体の状態に、どんなキッカケが加わると、善憂思が生じるのか書いていきます。

 

 

 

続く...

 

 

 

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