東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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12月8日

2010.12.08

こんばんは、松木です。


昨日、ある患者さんから

「明日は12月8日ですね。」

と言われました。

本日、12月8日は真珠湾攻撃の日です。

昭和16年の今日、真珠湾攻撃から太平洋戦争が始まったとされています。


仕事柄、高齢の方々とお話する機会が多くあります。
自然と、戦争体験のお話を聞かせて頂く機会も多いです。

私は広島出身ということもあり、戦争に関する話は小学校に入学してから、数多く聞いてきました。

しかし、何度聞いても戦争体験のお話は、言葉以上の何かが伝えられているような感じが致します。



今年のお盆に実家に帰省した際、父親から「永遠のゼロ」という小説を薦められました。

聞けば特攻隊について書いてある小説だそうです。


早速読んでみると、我々の世代としては大変読みやすい内容の小説でした。

戦争に関する本には、様々な目線で書かれているものがありますが、この本は孫世代が祖父母世代に話を聞くかたちで書いてあります。


小説ですので史実に忠実かどうかはわかりませんし、歴史というのは見る角度によって全く逆に見えたりするものであると思います。

しかし、そういった事を勘案しても、大変考えさせられる小説でした。


印象に残っているところは多々ありますが、その中から一つ印象的な箇所を書きます。


司令長官が特攻出撃を目前にした隊員たち一人一人の手を取って涙を流しながら激励した後、「何か質問はないか」と聞いたそうです。

その時、ベテラン搭乗員が「敵艦に爆撃を命中させたら、戻ってきてもいいでしょうか」と尋ねると、長官は「ならん」と言い放ったそうです。



これは手段の目的化です。

このようなやりとりが、戦争中実際に行われたのかは定かではありません。
また、特効という選択肢自体を私は肯定したくはありません。


それを前提に書かせていただくと、

当初の目的というのは、そもそも敵艦攻撃であり、特攻は数ある攻撃手段のうちの一つであったはずです。

それがいつのまにか目的にすり替わっていることの恐ろしさを感じます。


この現象は医療現場でも見られると思います。

患者さんを良くするための手段のひとつであったはずの一つの治療法が、いつしか目的そのものに変わってしまう。

心しておかねばならないと思います。



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