東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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ニュースを読んで思うこと(その3)

2011.01.21

こんばんは、松木です。

昨日ニュースを見ていると詐欺に関する報道がなされていました。

なんでも「国際ロマンス詐欺」というのが最近あるそうです。

簡単に解説しますと、インターネットで知り合ったイギリス人男性に、日本人女性が、一度も会ったことがないのにも関わらず、お金を送金してしまう、というものでした。

このニュースに限らず、詐欺の報道を見て思うことですが、

「騙された人は馬鹿だな~なんでこんな怪しい話に引っかかるんだろう」と誰しも感じると思います。

しかし、普段ニュースを見ている時は必ずそう思っているであろう人が、実際詐欺の被害にあっているという現実、これがとても重要なのではないでしょうか。

詐欺の手口としては、まず相手を徹底して信頼させるようにします。

その後、完全に信頼させた状態で、情に訴えかけるようにお金を請求する、というのが王道パターンではないかと思います。


これで多くの人が騙されるということは、ある程度この中に人間の行動における、ある種の法則に近いものが存在するからではないかと思います。


まず、「一度信頼すると、あまり相手を疑わなくなる」ということが考えられます。

もう一つ、「人間の行動は、理屈ではなく感情に影響されやすい」ということが考えられます。


なぜ私がこのようなことに興味を持つかと言いますと、普段の臨床現場でこれに似たことが多々あるからです。


例えば、

・患者さんが友人から紹介された健康器具を使用して悪化する。(その患者さんには悪化する可能性があると注意しておいても起こることがあります)

・明らかにやってはいけないことを行う。(糖尿病の人が御菓子をたくさん食べるなど)


前者は術者よりも友人の方を強く信頼しているから起こるのだと思います。

後者は理屈では悪いと分かっていても、感情が抑えられない場合だと思います。


このような現場に遭遇した際、「なぜそのような行動を起こしてしまうのか」ということを出来る限り理解し、その行動原理に対してアプローチしなければ、状況は改善されにくいと思います。


先日ある先生に、

「松木君、人は理屈じゃ動かんよ。」

と言われました。

本当にその通りだと思います。




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