東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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敬老の日と梅干

2011.09.24

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こんばんは、森岡です(^_^)


今週、月曜日は敬老の日でした。


皆さんは、敬老の日におじいちゃん、おばあちゃんに何かしてあげましたか?

私は、母方の祖母が同居しているので、プレゼントをあげました。

あげたものは・・・

梅干とらっきょう

です。


なぜかと言うと、好物だから!!

特に、深い意味ありません(笑)


しかし、せっかくのプレゼントなのでイイモノをあげようと、デパートまで買いに行きました。

そしたらあるんですね、梅干の専門店。

それだけ梅干に対する需要があることにビックリ!?

・・・なかなかいいお値段致しました(笑)


この梅干ですが、実は薬効があり、漢方薬にも使用されていること御存じでしょうか?


梅の、生薬名は

「烏梅(うばい)」

と言います。

この烏梅は、小野妹子が中国から持ち帰ったとされております。


なぜ、”烏(カラス)の梅”と書くかと言うと、

烏のように黒いからです。

(・・・はは、そのまま(苦笑))


これは、青梅を藁(わら)のアクに漬け、それを籠にもり、かまどの煙で蒸し、いぶし、

天日干しすることで黒々、まさに烏色に変化するためです。


こうすることで、薬として最大限の効能を発揮できる状態となり、また保存もバッチし!!

となるのです。

ちなみに、烏梅はこんな感じ・・・

烏梅


大分、黒いね(笑)


この烏梅が使われている代表方剤(漢方)と言えば、

「烏梅丸(うばいがん)」

ですよね。


鍼灸師なら、一度は耳にしたことがあると思います。


この「烏梅丸」は漢方の聖典『傷寒論(しょうかんろん)』という書物に出て参ります。

そして「烏梅丸」は、傷寒論中の「厥陰病(けついんびょう)」という病態を治す代表方剤に位置しています。


じゃ、厥陰病ってなに???

という事になりますが、端的に言いますと、

”上熱下寒(じょうねつげかん)”

という病態が、体に形成されている状態です。

誤解を恐れずもっと簡単に言えば、”上下のアンバランス”ってやつです。


通常、一般的に人体は”頭寒足熱”といって、体の上部は適度に冷えており、体の下部は適度に温もっている状態がいいとされています。


つまり”上寒下熱”ってことです。


これが、真逆の状態となっているのが”上熱下寒”ですね。


健康な状態の頭寒足熱と真逆なわけですから、病気であります。

このような状態になると、

上部には熱症状によるのぼせや口の渇きなどが出現すると共に、下部には腹部や足の冷えといった冷え症状がでてきます。


厥陰病とは、上記のように、

一つの身体に寒熱が入り乱れる、非常に複雑な病態

なのです。


(まぁ、現代人には、意外とこの厥陰病様の状態の人が少なくないとは思いますが・・・)


これを一手に治してしまえるのが「烏梅丸」なんです。


体の上にこもった熱を引き下げながら、同時に、下の冷えをとり、上下のアンバランスをイイ感じにしてしまう、梅さん・・・

すげ~っす!!!


実際、イライラしてのぼせて、顔が火照った時なんかに梅干しを食べると、

確かにすぅーっと顔が涼しくなっていき、スッキリするのが分かります。

(嘘だと思っている人はお試しあれ)


梅干好きの、我が祖母・・・

間違いなく、上熱下寒ですね(笑)


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