東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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小便渾濁(しょうべんこんだく)とは②

2024.11.28

 

 

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こんばんは!樫部です。
 
 
 
本日は「下焦湿熱と腎陰虚の小便渾濁」について、お話していきたいと思います。
 
 
 
どちらも膀胱に熱が停滞して気化が失調して生じますが、違いは実熱か虚熱かの違いがあります。
 
 
 
まずは下焦湿熱の小便渾濁についてです。
 
 
 
脂っこいものや甘いものを多食したり、飲酒癖があるなど湿が生じて化熱したり、湿熱の邪が下焦に侵入し、湿熱が膀胱の気化を障害して泌別の機能が失調して生じます。
 
 
 
この場合、米の研ぎ汁様の混濁尿で、粘稠な浮遊物が混ざったり、尿が黄赤色を呈します。
 
 
 
また、尿量は少なく、頻尿、排尿痛、尿意促迫などもともないます。
 
 
 
その他にも、胸腹が脹って苦しい、口渇あるがあまり飲まない、舌質紅、舌苔黄膩、脈滑数または濡数などの湿熱の症候がみられます。
 
 
 
治法は清利湿熱、泌別清濁を用います。
 
 
 
次に腎陰虚の小便渾濁についてです。
 
 
 
陰虚体質や熱病による陰液の消耗などにより、陰虚内熱が生じて熱が膀胱に及び、膀胱の気化が失調して清濁を分別できなくなることで生じます。
 
 
 
この場合、米の研ぎ汁様の混濁尿や濃い尿がみられますが、尿量は少なく、頻尿や排尿痛はみられない特徴をもちます。
 
 
 
その他にも、目眩、耳鳴、頬部紅潮、盗汗、焦燥感、不眠、腰膝酸軟、硬便、舌質紅、舌苔薄、脈細数などの陰虚火旺の症候がみられます。
 
 
 
治法は、滋陰降火、泌別清濁を用います。
 
 
 
つづく
 
 
 
 
 
【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『症状による中医診断と治療 上』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
『基礎中医学』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
 
 
 
 

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