東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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痹証(その10)

2011.10.15


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こんばんは、森岡です(^_^)

前回までのお話・・・

痹証(その1)
痹証(その2)
痹証(その3)
痹証(その4)
痹証(その5)
痹症(その6)
痹証(その7)
痹証(その8)
痹証(その9)

ではでは、続き行きます!!


今回も痹証の分類です。

今日は、これです!!


2.寒邪に侵襲されたもの

寒邪によって経絡が侵襲されたものを

「痛(つうひ)」


といいます。


寒邪の特性に、

「収引(しゅういん)性」とか「凝滞(ぎょうたい)性」

というものがあります。


これは、気血の運行を、

停滞させ、ギュッと縮こまらせ、渋滞させ、暢びやかに流れなくさせる作用です。


こうなると、経脈や肌肉を拘急(引きつること)させ、痛みや引きつれた感じを出現させます。


卑近な例を挙げますと、寒い日にだれもが体験したことがある、アレがあります。

”鳥肌”

です。

あれは、寒邪に侵襲され、肌肉が収引・凝滞させられたことにより、ギュッと縮こまり、隆起したものです。

あの様に、”ギュッと縮み、ひきつれる”のが特徴です。


ですから、「痛痹」の主な症状は、

寒邪により、気血が凝滞したことによる、

”強い疼痛”と”引きつれ感”

であります。


以前、お話いたしました「不通則痛(つうぜざればすなわちいたむ)」でございます。


また、この強い痛みには、更に特徴があります。

それは、

”固定性”

であることです。


これは、気血が凝滞したことにより、

瘀血(おけつ:滞った悪い血)が発生するためです。

”固定性の痛み”は、この瘀血の特徴です。

滞った血が経絡に頑固にへばりつき、退かないので、”固定性”の痛みとなるのです。



「痛痹」の特徴は、もう1つあります。

それは、

”冷え”

です。


やはり、寒邪に侵されているので、”冷え”が出るのは必定です。

また、気には「温煦(おんく)作用」といって、体を温める作用があります。

しかし、先ほどお話ししましたように、寒邪により気血が凝滞してしまうので、この温煦作用も上手く働かなくなります。

そうなると、さらに身体は冷えるのです。


臨床的にみると、特に、痛みのある部分で冷え所見が強く現れていることが多いです。


ですから、痛みや引きつれ感があるところが、

”冷えると増悪”、”温めると緩解”

という特徴があります。


そして、最後に必須問診事項ですが、もう皆さんお分かりですよね?


そうです、

痛みが発症する、前後に、

「身体を冷やしたことがあったのか、なかったのか」

ですよね。


「痛痹」の診断基準をまとめると、主症状が

1.関節の固定性の強い疼痛、および、引きつれ感であり、

2.その主症状が、”冷やすと悪化”、”温めると楽”であり、

3.発症前後に身体を冷やすことがあった。


とくれば、「痛痹」ごっつぁんです(笑)!!

次回に続く。


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