東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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嘔吐(おうと)とは④

2024.10.08

 

 

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こんばんは!樫部です。
 
 
 
本日は「傷食、胃寒、肝胃不和の嘔吐」について、お話していきたいと思います。
 
 
 
まずは傷食の嘔吐についてです。
 
 
 
暴飲暴食などによって急性に発症します。
 
 
 
嘔吐の他に、腐臭のある曖気、呑酸、厭食、悪心、食欲不振、嘔吐すると楽になるといった特徴をもちます。
 
 
 
この場合、舌苔や脈は正常です。
 
 
 
治法は、消食導滞を用います。
 
 
 
次に胃寒の嘔吐についてです。
 
 
 
胃寒には虚実の違いがあり、元来から脾胃が虚弱で慢性的なものは虚証で、生もの、冷たいものなどの飲食により急性に発症して経過が短いものは実証というように弁別します。
 
 
 
虚証の胃陽虚では、食後しばらくすると嘔吐する特徴があります。
 
 
 
また、その他にも、寒がる、痩せる、上腹部がつかえて苦しい、胃痛、食欲減退、息切れ、無力感、泥状便〜水様便、舌質淡、脈弱などの脾胃虚弱の症候がみられます。
 
 
 
この場合、嘔吐は頻繁ですが、吐出量は少なく、冷やすと増悪して、温めると緩解する特徴をもちます。
 
 
 
実証の暴食生冷では、上腹部の強い疼痛、嘔吐が激しく、吐出すると楽になり、他の症状はあまりみられないといった特徴をもちます。
 
 
 
この場合は、舌苔や脈に変化は無いという特徴があります。
 
 
 
治法はともに、温胃散寒、降逆を用います。
 
 
 
最後に肝胃不和の嘔吐についてです。
 
 
 
内傷七情による肝気鬱結により、肝気が胃に横逆して、胃気が上逆して発生します。
 
 
 
特徴は慢性的にみられ、悪心、嘔吐が頻繁に生じますが、程度は強くなく、吐物は少ないことです。
 
 
 
その他にも、胸苦しい、上腹部のつかえ、脇痛、口苦、脈弦などの肝鬱気滞の症候を呈し、情緒変動に関連して症状が出現したり、増強したりする特徴をもちます。
 
 
 
治法は、疏肝和胃を用います。
 
 
 
 
 
【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『症状による中医診断と治療 下』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
『基礎中医学』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
 
 
 
 
 
 

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