東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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気の病㉞

2024.06.10

 

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こんばんは。齋藤です。
 
 
 
 
前回の続きです。
 
 
 
 
前回の話はコチラ。
 
 
 
 
本日は、気陥症の特徴に関して、書いていこうと思います。
 
 
 
 
前回も、書いた通り、気陥症は気虚+気の上昇不能という2つの病理が重なって起きた、病理変化になりますと説明しました。
 
 
 
 
気陥は、気虚が病理の基礎にあり、気虚が発展変化することで、気陥になります。
 
 
 
 
前回も書きましたが、先天不足、後天の失調、過度な労働、元来脾虚があるために造成される元気虚損が、原因となっていることが多いです。
 
 
 
 
原因の具体的な例として、例えば加齢はもちろんですが、長期にわたり闘病をし体力が虚弱になったり、下痢がいつまでも止まらなかったり、多産であったり、産後の回復がおもわしくなかったりするなどですかね。
 
 
 
 
そのため、好発年齢も、気虚がベースとなっているので、若者ではなく、中高年に多い傾向にあります。
 
 
 
 
しかし、若年層に絶対的に見られないわけではないので、注意が必要です。
 
 
 
 
主に関連する臓腑として、脾や胃、腎が挙げられますが、脾との関係性が密接です。
 
 
 
 
脾は、気血を生成することはもちろんですが、脾の機能が低下することにより、昇清作用が低下することで、気を上に持ち上げる事が出来なくなります。
 
 
 
 
このような病態を、脾気下陥(気虚下陥、中気下陥)と呼ばれています。
 
 
 
 
主な症状として、疲れやすい、眩暈、頭暈、倦怠感などの気虚症状のほかに、腹部が下垂して張れる、胃下垂、腎下垂、脱肛、子宮下垂などの、内臓下垂症状が現れます。
 
 
 
 
問診で、気虚があった場合、気陥まで波及していないかを、しっかりと確認する必要があると思います。
 
 
 
 

参考文献

『中医病因病機学』 主編:宋 鷺冰 訳:柴﨑 瑛子 (東洋学術出版社)

『中医学ってなんだろう ①人間のしくみ』 著:小金井信宏(東洋学術出版)

『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論編』 監修:藤本蓮風 編著:一般社団法人 北辰会 学術部 (緑書房)

『基礎中医学』編著:神戸中医学研究会 (燎原)

『鍼灸・漢方の名医になるための気血弁証論治学』 編著;神野英明 (たにぐち書店)

 
 
 
 
 

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