東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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暈厥(うんけつ)とは②

2024.05.23

 

 

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こんばんは!樫部です。

 

 

本日は前回の続きで「気虚と血虚の暈厥」について、お話していきたいと思います。

 

 

いずれも虚証ですが、違いは次の通りです。

 

 

まずは気虚の暈厥についてです。

 

 

この場合、元気が消耗して宗気が下陥し、脾気が昇らなくなることで生じます。

 

 

特徴は、心身の疲労(労すればすなわち気耗す)や悲しみ、恐怖(悲しめばすなわち気耗し、恐れればすなわち気下る)などにより気が消耗することで、突然意識がなくなることが多いです。

 

 

また、陽気が不足して温煦できない為、四肢が冷え、衛気虚の為に自汗が出たり、宗気下陥により呼吸微弱がみられたり、吸気が少なく呼吸停止を起こしそうになったり、覚醒後も声が弱い特徴がみられます。

 

 

気が虚して血がめぐらないことで、顔面、口唇にチアノーゼがみられたり、脈も沈弱あるいは結代し、重篤になると脈が振れない場合もあります。

 

 

治法は、補気回陽を用います。

 

 

次に血虚の暈厥についてです。

 

 

この場合は、多量の出血、嘔吐後、産後などで、気が血とともに脱して発生します。

 

 

特徴は、突然立ち上がったり、座ったりする際、あるいは出血後に、血が不足して上承しない為、意識の喪失が発生することです。

 

 

その他の随伴症状としては、顔面蒼白、口唇の色が淡でつやがない、呼吸が遅い、目が落ちくぼむ、目に輝きがない、脈が糸のように細いあるいは、細数で無力、重篤になると脈が浮大で中空などをともなうことです。

 

 

治法は、益気斂陰、補養気血を用います。

 

 

つづく

 

 

 

【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房

 

『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房

 

『症状による中医診断と治療 上』
神戸中医学研究会、燎原書店

 

『基礎中医学』
神戸中医学研究会、燎原書店

 

 

 

 

 

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