煩躁(はんそう)とは④

2024.05.14

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こんばんは！樫部です。

本日は前回の続きで「痰火内擾と瘀血衝心の煩躁」について、お話していきたいと思います。

いずれも実証ですが、病因病理、症候は異なります。

痰火内擾の煩躁は、痰が長期間停滞して鬱して化火したり、内傷七情で気鬱化火したり、外邪を感受して化熱し、火熱が津液を濃縮して痰濁を生じ、痰火が結びついたものが神明を内擾して発生します。

特徴は、旨を中に強い熱感があってじっとしていられない、粘稠で黄色の痰、呼吸促迫、胸苦しい、身熱、顔面紅潮、尿量が少ない、舌質紅、舌苔黄膩、脈滑数などを呈することです。

治法は、清熱化痰を用います。

次に瘀血衝心についてです。

熱邪が停滞して血絡に入り、血を濃縮して血の運行を阻害し、心竅を瘀阻したり、血瘀が長期間続いて化熱し、心神を上擾することによって発生します。

特徴は、顔色がどす黒い、口唇が青紫、胸部の刺痛、腹部の腫瘤、腹が硬く脹って痛む、皮膚の青紫色、皮下出血、排尿の異常なく便通良好だが黒色便、舌質紫暗あるいは瘀点あり、脈沈渋あるいは結代などの症候がみられることです。

治法は、活血化瘀を用います。

つづく

【参考文献】

『鍼灸臨床能力北辰会方式理論篇』

藤本蓮風監修、(一社）北辰会学術編著、緑書房

『鍼灸臨床能力北辰会方式実践篇』

藤本蓮風監修、(一社）北辰会学術編著、緑書房

『症状による中医診断と治療上』

神戸中医学研究会、燎原書店

『基礎中医学』

神戸中医学研究会、燎原書店

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